56 ギルド本部 前編
王都観光した次の日。
僕たちは冒険者ギルドへと足を運んだ。
早くSランク昇格試験受けたいからね!
カランカラン。
冒険者ギルドの鐘の音はどこも一緒なのかな?
ジロ。
みんな強そうな見た目をしている。
値踏みするかのような視線は向けられるが誰も絡んでこない。
初めてのギルドで絡まれるのってお決まりじゃないのか?
「こんにちは。当ギルドは初めてですか?」
「うん。僕たち『飴ちゃん』って言うんだ。よろしくねー」
僕は最近恒例になりつつある名刺代わりの飴ちゃんを1つ受付の人にあげる。
「ありがとうございます。『飴ちゃん』ですね。はい、確認いたしました。皆さんAランクなんですか。その若さですごいですね。もしかして、昇格試験ですか?」
ザワザワザワザワ。
「そう! 今すぐ受けたいんだけどいいかな?」
「ギルド長に確認してまいりますので、こちらで少々お待ちください。」
「はーい」
モブE「おいおい、あんなガキどもがAランク? 嘘だろ? どんな手を使ったんだ?」
モブF「バカ、声がでけーよ。Sランク受けるって言ってんだ。強いに決まってんだろ。ここは王都だぞ? 下手に絡むと殺されるぞ」
なるほど。王都には強い冒険者が集まってくるから、下手に絡むと返り討ちになるかもしれないからお決まりがなかったのか。
ちょっと残念だけどしかたないね。
「お待たせしました。ギルド長のもとへ案内しますので、ついてきてください」
お姉さんのについていき、3階の奥の部屋まで来た。
コンコン。
「入れ!」
「失礼します。先ほど説明した冒険者をお連れ致しました」
「おう! 下がっていいぞ!」
声がでかいし、なんか威圧的な人だな。いかにも元冒険者って感じだ。
「話は聞いた! お前らSランク昇格試験を受けに来たんだって?」
「はい、昇格試験を受ける条件はそろってます」
なんか怖いからとりあえず敬語。
「だろうな! じゃねえとここに来るわけないからな!」
ごもっとも。
「だがだめだ! 受けさせるかどうかは俺が決める!」
「え?」
「ここは冒険者ギルド本部だ! そしてここのギルド長は俺だ! つまり全権は俺にあると思え!
俺が気に入れば試験を受けさせてやるかもしれん! どうだ、なんか芸でもやってみるか?」
「そんなのありなんですか?」
「ああ、俺が決める。ほら、どうしても受けたいのなら俺に媚を売ってみろ」
「はぁ? ちゃんとギルドのルール通りにクエスト達成してきたんだから受ける権利はあるはずだよね」
「ほう、俺に口答えか?」
あ、つい、素が出ちゃった。まあいいや。なんかムカつくし。
「ハア。あんたと話すのは時間の無駄だね。なんでもいから早く条件教えてよ」
「オルト機嫌悪そうだな、念のためちょっと離れとくか」
「それがよさそうね」
メンバーのみんなが僕とギルド長から少し距離を置く。
ちょと寂しい。
「なんだ、お前。あんまりなめた態度してると冒険者資格を剥奪するぞ? いいのか?」
このオヤジ、権力を盾にめっちゃ脅してくるじゃん。
イライラするなー。
「組織のトップがあんたみたいなクソ野郎ならいつでもやめてやるよ」
「ほう、いいのか? 一生冒険者としてやっていけなくなるぞ?」
「冒険者なんてただのお遊びだからね」
うん。こんな奴のもとで働いていると考えたら腹が立ってきた。
ジャポネのことは今すぐ別の方法を考えよう。
・・・・・・。
沈黙が流れる。
「がっはっはっは! いいなお前、気に入ったよ。
今のは冗談だ。ちょっと試させてもらっただけさ。そう睨むなよ」
「・・・え?」
えっとー・・・どういうこと?
読んでいただきありがとうございます。
昇格試験は受けれるのか?
次話もお楽しみにー!




