51 ドニーさん
僕たちはドニーさんのお宅にお世話になることになり、馬車に乗せてもらっていた。
「王都は初めてかね?」
「はい、Sランク冒険者になりたくて来たんですよ」
「Sランク!? まあ君なら不思議じゃないか。あれからまた成長してるようだしね。せっかく王都に来たんだから観光もしていったらどうかね?」
「ギルドに行くのは明日にして、今日は観光しようかと考えてます」
「それはちょうどよかった。それなら私に案内させてくれないかな?」
「そんな、泊めてもらう上にそこまでお世話になるわけにはいきませんよ」
「いいんだよ、なにも善意だけでここまでやるわけじゃない。力ある冒険者とのコネをつくっておくのも商人の大事な仕事の一つだからね」
「そうですか。それならお言葉に甘えさせてもらいます」
「荷物を置いてお昼ご飯を食べてから出かけよう。さあ、着いたよ」
???「「お帰りなさいませご主人様!!」」
馬車を降りるとそこには豪勢な屋敷と、玄関まで花道をつくってお辞儀している執事やメイドたちのお出迎えがあった。
「「「「「・・・え?」」」」」
もっとこう、普通の民家を想像してたんだけど。。
「ただいま。彼らを客室までご案内してあげてくれ」
執事「かしこまりました。ではお客様、ご案内いたしますので私の後にお願いします」
「では君たち、また後ほど、食堂でな」
僕たちは予想外のことに頭がついていけず、ただ茫然と執事の後を歩いていた。
あの旅商人のドニーさんがこの屋敷のご主人様? どゆこと?
ここどう見ても超お金持ちなんだけど。。
執事「どうぞこちらの建物をお使いください。」
僕「…客室というか、家に見えるんだけど。。」
レン「家だな」
アリサ「家ね」
リーシャ「家だね」
エリナ「家だよ」
これは客室っていうか、敷地内にある別邸だろ。。
執事「王都に滞在する間はこの建物を好きにお使いいただいて構いません。
準備ができましたら食堂にご案内いたしますのでお申し付けください」
「ここまでしてもらっていいのかな? 後で無茶な要求されたりしない?」
「まぁ、いいんじゃない? 泊めてくれるって言うんだし、甘えちゃおう!」
僕は深く考えることをやめた。
だって考えたってしょうがないじゃん!
ドニーさんは本当に大商人だったってだけでしょ!
いいコネができた!
後でジャポネについても聞いてみよう!
「それより食事に行こう! お腹すいたよ!」
「そうだね! まずはご飯を食べてから考えよう! 王都だから甘くておいしいものもあるはず!」
さすがエリナ。普段は大人しいのに食事のこととなると途端にテンションが高くなる。特に甘味。
僕たちは執事に案内され食堂に入った。
「おお、来たか来たか。ささ、座ってくれ」
「ドニーさん、ほんとに大商人だったんですね! てっきり見栄張ってるだけかと思ってましたよ」
「おいオルト、それはいくらなんでも失礼だろ!」
「ほっほっほ。いいんだよ。1人で旅している商人がそう思われるのも無理はない。それよりお腹がすいただろう。ご飯にしようか」
「はい! いただきます!!」
その後は出てくる料理の豪華さに驚きながら、お互いの身の上話なんかをした。
ドニーさんの話を簡単にまとめると、彼は若い頃に食品を扱う小さな商店を始めた。するとすぐに彼の商才が発揮され、商店はみるみるうちに成長し、今では王都でも1,2位を争う大商会になったそうだ。
ドニーさんは一代で成り上がった凄腕の商人だったみたい。
現在は息子に後を託して、気ままに旅商人をやっているそうだ。
すごいね。スキルに【商才】大 を持ってるだけあるね。
気になったからこっそりステータス覗かせてもらいました。
「Sランクになったらどうするつもりなんだい?」
「そうですねー、一度地元に帰って・・・あ、そうだ! ドニーさん! 僕ジャポネに行きたいんですけど、どうにかして今すぐジャポネに行くことってできませんか?」
これだけの大商人なんだ。ジャポネに行く手段を確保してるかもしれない!!
僕は期待に胸を膨らませ、ドニーさんが次に発する言葉に耳を傾けるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
ジャポネに行けるかな?
次話もお楽しみに。




