50 王都到着
「ふぁああ。よく寝た。みんな! 王都が見えてきたよ!」
馬車前方に王都の城壁が見えていた。
「もう着いたのか? ほとんどゴロゴロしてただけだぞ」
「案外早かったわね。王都まではどんなに急いでも1週間はかかるって聞いてたのに」
「この馬車がおかしいんだよ。2日で着くわけないでしょ。。」
「まあ、オルト君だからね。。」
僕オリジナルの馬車だからね。
全てゴーレムにお任せすることで完全自動運転を実現。
凸凹道でも車体をわずかに浮かせることにより、ハイスピード走行で揺れのない抜群の乗り心地に。
正直、前世の車より快適だ。
魔物もゴーレムが対処してくれるから僕たちはゆったりと過ごしただけだ。
途中盗賊が追いかけてきたけど、この馬車のスピードについてこれずに諦めていた。
「この辺で降りようか。並ばなきゃいけないみたいだし」
王都は大きな塀で囲まれていて、東西南北それぞれに門が設けられている。
今回僕たちがやってきたのは南門。
王都に入るには門前で何かをチェックされるみたいだ。
「すっげー並んでるな」
「まるでお祭りみたいね」
南門には一列に長蛇の列ができており、進み方もゆっくりだ。
僕たちは馬車をアイテムボックスに仕舞い、列の最後尾に並んだ。
「こりゃ時間かかりそうだねー。え、あの馬車先に行っちゃったよ? なんで?」
「あっちは貴族と大商人専用の入り口さ」
「なーんだ、それなら僕たちもあっち行こう!」
「駄目だよ。冒険じゃ通してもらえないよ」
「僕これでも男爵の息子だよ?」
「え? あ、そうだったね。。あまりにも貴族っぽくなくて忘れてたよ。。」
「そうか! オルトは貴族なんだから行けるんじゃないか? 聞いてみようぜ!」
「よし、いってみよー!」
僕たちは先ほど馬車が通った入り口に行ってみた。
門番「こら、君たち! ちゃんと並びなさい!」
僕「さっきの馬車は通れたのに?」
門番「あれは伯爵様の馬車だから当然だ」
僕「僕も男爵の息子なんだけど」
門番「はっは。そんな嘘は通じないよ。見た感じ冒険者だね? だめだめ。Aランクなら話は別だが、君たちはEランクぐらいだろ? ちゃんと列に並んでおいで」
僕「ほんとなんだけどな。。ほら」
僕は首にかけていたAランク冒険者の証である金のプレートを見せる。
名前も書いてあるから身分証にちょうどいい。
門番「な!? Aランク!? しかも家名だと!? ペンドラゴン? ・・・まさか! あのドラゴンスレイヤーの!? た、大変失礼いたしました!! どうぞお通りください!」
僕「ありがとう。お疲れ様。すぐにSランクになるから覚えてね。僕たち『飴ちゃん』って言うんだ。これが飴ちゃん。おいしいから食べてみて。じゃあねー」
僕はパーティの名刺代わりに飴ちゃんを門番にあげる。
門番「あ、ありがとうございます! 」
これで門を通るたびに疑われなくて済むでしょ!
「なんだ、Aランクでも優先して入れてもらえるのかよ、ランガさんも教えてくれたらよかったのにな」
「たぶん私たちが知らなかっただけで、常識なんでしょうね。。」
「オルトに任せず、私たちも王都について事前に調べてくるべきだったね」
「うん、オルト君に任せすぎるとよくないね。。反省。。」
あれ? 僕のせいなのかな・・? おかしいなー。
とにかくこれで王都には辿り着けた。
まずは宿でもとって観光かな!
「あれ、君たちはもしかして『飴ちゃん』かな?」
「え? ドニーさん!? どうしてここに?」
そこには以前、護衛依頼で知り合った旅商人のドニーさんがいた。
「ちょっと用事があってね」
「そうでしたか。あれ、でもこの入り口って大きい商会しか入れないんですよね? は! まさか賄賂ですか!? そういうのはあんまりよくないと思いますよ?」
「ほっほ。相変わらず君は面白いね。こう見えても私は大商人なのさ」
「またまたー。ご冗談を。旅商人が何言ってるんですかー」
「ほっほ。まあ、いい。宿は決まってるかな?」
「いえ、今から探すとこです」
「そうかそうか、それならちょうどよかった。ついておいで。うちに泊めてあげるよ」
「え? いいんですか? 5人もいるんですよ?」
「なに、君たち5人を泊めるくらい造作もないよ」
「ほんとにー? 旅商人って儲かるんですね」
「ほっほっほ」
こうして僕たちはドニーさんのお宅にお邪魔することとなった。
読んでいただきありがとうございます。
ドニーさん降臨。
思い出せない方は39,40の護衛依頼を読んでみてください。
次話もお楽しみに。




