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5 誕生日祝い

 貧血で倒れた翌日家族やメイドたちにとても心配された。

 なんか医者のような爺さんに診察され、少し後頭部が腫れただけで問題ないとわかるまで、みんな慌ただしくしていて、見ていて面白かった。


 ヘラヘラとしているがこれでも反省はしている。

 今度から全身にクッションを装備して生活しようと思う。これなら怪我せずに済むだろう。僕ってば頭がいいな。


 クッション装備で屋敷を探検しているとメイドに見つかり、やはり後遺症が残ったのではないかと家族に心配された。

 おかしいな。画期的なアイディアだと思うんだけど。。


 僕の誕生日祝いが昨日できなかったため、(オルティスが貧血で倒れたため中止となった。)

 今日の晩御飯はいつもより豪華になるらしい。ちょっとワクワクしてる。

 なぜかって? 普段の料理はお世辞にも美味しいとは言えないからだ。


 我が家は貴族といえども、父のアルフレッドが武功により成り上がった新興貴族の男爵家である。正直お金はあまり余裕がないらしい。なので食事は平民とほとんど変わらない、黒パンと、野菜と肉の塩味スープが基本だ。あとはときどき、フルーツと、父が狩ってきた魔物の肉料理が出てくるくらいだ。

 僕もそのうち狩りに行ってみたい。


 今日は1日部屋でスキルの確認をしていた。正直チートすぎてビビっている。これなら魔王にでもなれそうだ。ならないけど。僕の人生のモットーは楽しく生きることだ。そんな面倒くさそうなことはやらない。

 このまま我が家でぐうたら生活するのもいいし、冒険者としてきままに過ごすのもいいかもしれない。その辺は気長に考えよう。なんせまだ3才だ。時間はある。


「オルト―、ご飯の時間よー」


 レイラ姉さんが呼んでいる。夜ご飯ができたようだ。

 ちなみに家族は僕のことをオルトと呼んでいる。


「はーい。すぐいくよー」


 僕はメニュー画面を閉じて食堂へと向かう。



 ギィィ。

 扉を開ける。


「「「「おめでとうオルト!」」」」


 家族みんなに加え、料理長やメイドたちまでが僕に祝いの言葉をくれた。


「…あ、ありがとう!」


 不覚にも少しウルっとしてしまった。こんなに盛大に祝ってもらったのは前世も含めて初めてかもしれない。

 友達がいなかったからじゃないぞ?ほんとだぞ?


 テーブルにはいつもと違って、白いパンやサラダにスープ、お酒にジュース、フルーツ、それにでっかいお肉まで用意されている。

 あれはきっと近くの森で狩ってきたジャイアントボアだ。村の大人たちが5人がかりでようやく運べるくらいの大きさの魔物の一種である。この世界ではどうも魔物の肉の方がおいしいらしく、前世で食べた豚肉よりもうまみがたっぷりで、肉汁あふれるおいしいお肉だ。


「わぁ、おいしそうだね!!」


「そうだろう、オル坊、今日のためにアルフレッド様がとってきてくれたジャイアントボアのステーキだ!今日は特別に胡椒と香辛料もたっぷり使ったから最高にうまいぞ!期待して食べてくれ!」


 料理長のバルドが自慢げに語る。胡椒や香辛料はこの辺りでは高級品なのだ。

 もうよだれがとまらん。じゅるっ。


「ありがとう、父さん!バルドもありがとね!」


「誕生日祝いなんだからこれくらい当然さ! さあ、冷めないうちに食べよう!」


「「「「「いただきまーす」」」」」


 めっちゃ幸せな時間だった。ジャイアントボアうますぎるよ!! うますぎてお腹が破裂しそうなほど食べたよ。

 レイラ姉さんはいつものことだけど、普段はしっかり者のライル兄さんまで食べ過ぎてしばらく動けずにいた。それほどまでに今日のご飯はおいしかったんだ。

 この日初めて、乳離れしていてよかったと思ったよ。

 

 今後の目標に”毎日の食事をもっと豊かに”を追加だね!



読んでいただきありがとうございます。

次話からもよろしくお願いします。

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