48 弟子
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’飴ちゃんハウス’を拠点として活動しだした僕たち『飴ちゃん』は、その後すぐに銀色プレートであるBランクに上がり、1年たった今ではAランクパーティとなっている。
Sランクになるには王都にある冒険者ギルド本部でしか受けられない昇格試験が必要となる。
そのため地方の領地でSランク冒険者が活動していることはほぼ無いという。
まずSランク冒険者自体かなり数が少ないらしいんだけどね。
そんな事情もあり、ペンドラゴン領地ではAランクパーティの『白銀の剣』と『飴ちゃん』が実質トップに君臨している。
普通はある程度高ランクになると王都に行くことが多いから、こんな田舎にAランクが2ついるだけでもすごいそうだ。
今では『飴ちゃん』はペンドラゴン領の有名冒険者パーティの1つとなったのだ。
これで僕もモテモテかと思いきやそうはならなかった。
なぜか避けられてる気がするんだよなー。
レンはときどきキャーキャー言われてるのに。。
なぜ。。
拠点の豪華さでも有名になったこともあり、僕のことを金の力で不正した貴族のボンボンだと勘違いした冒険者たちに幾度も絡まれた。
最初は楽しかったけどすぐに飽きて面倒になったから、僕の顔を見ると震えあがるようになるまで丁寧に指導してあげた。やり方は内緒だ。
『飴ちゃん』を怒らせてはならない。あれは悪魔だ。
一時期こんな噂も流れたほどだ。
まったく、人を悪魔呼ばわりするなんて、失礼しちゃうよ!
そんな日々を過ごしていたある日、とあるDランクパーティが僕に弟子にしてくれと頼んできた。
何度も断ったけど、それでも頭を下げ続ける彼らの熱意に打たれ、条件付きでしぶしぶ了承した。
途中で投げ出さないことと、強くなっても悪事に手を染めない事だ。
最初の頃は毎日死にそうな顔をしていたが、約束通り彼らは逃げ出さなかった。
スキルという才能はなかったが彼らには根性という才能があった。
毎日僕が与えた課題をやり遂げ、『飴ちゃん』との模擬戦闘訓練で何度倒されても、まるでゾンビのように立ち上がった。
それも笑顔で。
僕は彼らのことをドMゾンビと呼んだ。
それまで荒くれ者だった彼らはすっかり大人しくなり今では立派なBランクパーティだ。
ペンドラゴン領でも、不滅のBランクパーティ『ドMゾンビ』として名を馳せている。
僕が呼んでいたこの名前を気に入ったのか、パーティ名まで変えやがった。
まさにドM。自他ともに認めるドMだ。
「おーい! 『ドMゾンビ』! 集合!」
「「「「ヘイ兄貴!」」」」
僕のかけ声1つですぐに駆け付けてきてくれる。まるでヤクザの舎弟だ。
僕が一度冗談で言わせてたら、それ以来気に入って使い続けているのだ。
彼ら相手には冗談も言いにくい。。
「オッホン。ええ-、少し遅くなったけど君たちの普段の頑張りと、Bランク昇格を祝し、プレゼントを用意した。これだ! 受け取ってくれ!」
それは’飴ちゃんハウス’の隣に建てた、彼らのための拠点だ。
名前は’ドMハウス’。
大きさは’飴ちゃんハウス’の半分以下だが、それでも一般の家よりは大きい。
中では老婆メイドのゴーレムたちが働いている。ここで美女をつくってやるほど甘くはない。
だが鍛錬に必要なものはそろえてあり、風呂やベッドなんかはこだわっている。
これで鍛錬の疲れを癒し、さらに精進してもらおうと思う。
マーカス「・・・あ、兄貴!!」
ミシェル「兄貴・・。俺生きててよかったっす!」
ムラート「うっ・・うう・・・」
メルーガ「うぉーん。うぉーん」
ドMゾンビたちが泣いている。修行中でも泣かなかったのに珍しい。
ちなみに彼らはイニシャルまでMなのだ。ドM精神がすごすぎる。
「僕たちは来週、王都に出立するからね。その前に渡しておこうと思って。鍵は扉が君たちを鑑定して自動で開くようにしているから必要ないぞ。好きに使ってくれ」
マーカス「あ、ありがとうございやす!! 兄貴がいない間に俺たちもAランクになれるよう頑張りやす!!」
僕「ああ、頑張ってくれ。期待してるぞ」
ドMゾンビ「「「「うぉー、兄貴ー!!」」」」
彼らとのやり取りは正直むさ苦しいが、これはこれで楽しい。
しばらく会えなくなると思うと少し寂しくなる。
ま、最近練習中の魔法が成功すればすぐに帰れるようになるけどね。
王都に旅立つ前にあいさつ回りをしておかなくては!
読んでいただきありがとうございます。
新キャラ『ドMゾンビ』登場です。
次話もお楽しみに!




