46 昇格試験 後編
レンたち4人の昇格試験が終わり、次は僕の番だ。
「次はオルト君だな。武器は何かな?」
「んー、なんでも使いますよ。お気に入りの武器は魔剣があるので片手剣ですけど、最近は魔法で戦うことが多いですねー」
「なんでもか。しかも魔法も使えると・・どんな試験にすべきか・・・」
ランガさんが悩んでいる。
「よし、分かった。ではオルト君にはまず木剣で私と戦ってもらおう。魔剣だと私が死んでしまう。おそらく君は私より強いからな。その後魔法を見せてもらうよ」
「そんなことないですけど、分かりました。よろしくお願いします」
僕は木剣を。ランガさんは木の棒を構えた。
「では、始め!」
開始の合図とともに僕は全速力でランガさんの背後に回り込み、首を狙って木剣を横なぎに振る。
だがランガさんはこちらを見もしないで僕の剣を躱す。
その後の追撃もことごとく躱されてしまう。
ちょっと悔しい。
「殺気が漏れてるぞ。もっと無心になるんだ」
また殺気を感じ取って躱されたのか。
殺気を込めたつもりはなかったんだけどなー。
次はもっと殺気を押し殺すことを意識してみよう。
なんだか修行を付けてもらっている気分だ。
体制を整え、僕はランガさんの右側から切りかかった。
心を無にするイメージだ。
ただただ剣を振ることだけを考える。
余計なことは考えない。
僕は無心で剣を下から切り上げた。
カーンッ!
ランガさんの棒が空高く飛んだ。
僕は殺気を抑えたつもりだったけどまだ足りなかったようで、ギリギリ反応されてしまった。
しかしとっさに構えたせいか、力が入っていなかったランガさんの手から棒が吹き飛んだのだった。
「ここまでにしよう。 まさかこれほどとはな。。最後の一撃はほとんど殺気を殺せていたよ。凄まじい成長速度だ」
ほめられちゃった。照れるなー。
まぁ、これもスキルのおかげなんだろうけどね。
「次は魔法を見せてもらおうか。あの的に向って攻撃してくれ」
「はーい」
僕は修練場の端にある的を目掛け雷撃を放った。
もちろん無詠唱。
魔法が当たった的は粉々に砕け散った。
「こんな感じでいいですか?」
「今何をした? 雷? あの的はそう簡単には壊れないんだが。。」
「最近のお気に入りの魔法です」
「あんな魔法見たことないぞ。威力もおかしいし。。しかもお気に入りという事は他にもあるのか?」
「魔法はほとんど全部使えますよ」
「は・・? なんだって?」
「見てもらったが早いですね」
僕は火魔法や水魔法など、次々に放って的を破壊していく。
「ストップ! 待ちたまえ! それ以上的を壊さないでくれ!」
「あ、すみません。。」
「アルフレッドのやつなんて子を…」
ブツブツと独り言が始まった。
「まあいい、今度君のお父さんを訪ねてみることにするよ。。君の実力は間違いなくSランク級だ。文句なしの合格だよ」
「ありがとうございます!」
こうして僕たち『飴ちゃん』は全員Cランクに昇格したのだった。
ランガさんが「修繕費が…」とかブツブツと言ってて、申し訳ないから新しく的をつくった。
もちろんちょっとやそっとでは壊れないように頑丈にできている。
的をつくり終えて、ふとランガさんを見ると修練場の真ん中でお口ポカーンだった。
顔の前で手をひらひらさせても戻ってこない。
「おーい、ランガさーん」
何度呼び掛けても変わらない。
よし、放っておこう! 今日はこの後も忙しいんだ!
さよならー!
僕たちはランガさんを修練場に残し勝手に帰ったのだった。
読んでいただきありがとうございます。
次話もお楽しみに。




