40 護衛依頼 後編
護衛依頼中に盗賊たちと出くわした。
「蹂躙せよ!!」
僕が言ってみたかった言葉を合図にみんなが動き出す。
レンとリーシャの前衛組が走り出し、同時に後衛組が魔法を発動。
「くそ、お前ら、やっちまえ!!」
「「うぉおおおおお!!」」
盗賊たちが雄たけびを上げながら向かってくる。
ちょっと臭そうだから近づきたくないなー。
「おい、何やってるバグ! はやくやれ! おい! きこえてんだろ!」
「バグってこの人?」
僕はバグという男を魔法で浮かせ、叫んでるやつの目の前に投げ飛ばしてやった。
1人だけ隠れて弓を構えていたから、弱めの雷魔法で気絶させておいたのだ。
ちなみにこの魔法はスタンガンと名付けた。
「な! なぜだ! 完璧にかくれてただろ!」
「なんでだろうねー」
もちろん【マップ】でバレバレですよ。
「くそ、お前らいつまでやってんだ! はやくやっちまえ!!」
「残念だけどお仲間はもういないよ? あとは君だけさ」ニヤ
「な!?」
リーダーっぽいそいつは驚いて周りを見渡している。
だが他の奴はもう誰も立っていない。
レンたちにボコボコにされた奴らと、途中で逃げようとしてスタンガンで気絶した奴らが地面とチューしている。
「弱かったわねこいつら」
「ああ、しょぼかったな」
「いや、君たちが強すぎるんだけどな。。」
「そんなことないよリーシャさん。私たちでも楽勝だったもん」
「自覚がないとは、君たちも大概だね。。」
そんなこんなであっという間に盗賊たちを縛り上げた。
ちなみに近づきたくなったから魔法でロープを操り、全員縛り上げて宙に浮かせている。
飛行魔法は成功していないが、少し浮かせる程度の浮遊魔法ならできるからね。
汚い風船みたいだ。子供が見たら泣いちゃうよ。。
もちろんその後はアジトを丁寧に聞きだし(拷問)、お宝は全部頂いた。
あとで売ろう。
「き、君たち強かったんだね。。Dランクだと聞いていたんだがな。。」
「それはこいつだけですよ。俺たちは普通なんで」
「そうよ、私たちを一緒にしないでもらえる?」
「そ、そうか。。」
リーシャがドニーさんに近寄る。
「すみません。彼ら、リーダーがあまりに強すぎるせいで自覚がないんですよ。。」
「なるほど。確かに1人だけ別格だね。あんな魔法使いは見たことないよ」
「彼は接近戦でも最強ですよ。。」
「え…?」
リーシャとドニーさんがコソコソ話をしている。
アフターフォローってやつか?
リーシャ、君はなんてできる子なんだ! 負けたよ!
「じゃ、行きましょうか!」
僕たちは盗賊風船を持ったまま目的地を目指した。
すれ違う人たちに驚かれたけどまあいいや。
途中で野宿をしたときに【アイテムボックス】から事前に作っていた持ち運び用のコテージを取り出すと、どっから出したんだ? まさか魔法の収納袋か? その建物もなんだ? 売ってくれないか? とドニーさんに質問攻めにあった。
まあそんな感じです。でも売りません。とテキトーにごまかしておいた。
魔法の収納袋があるんだね。今度作ってみてもいいかもしれない。
【アイテムボックス】のことごまかせるし。
のんびりとブルクハルト領を目指して歩いていたが、途中で盗賊たちがあまりにも臭いから、泣き叫ぶ彼らを魔法で無理やり洗っていた。すると通りすがりの人たちから殺人現場と勘違いされたりしたのもいい思い出だ。
そんなこんなで予定より少し早い、2日目の昼ごろに目的地に到着。
途中で歩くのに飽きたから僕が空中散歩に誘ったのだ。
と言っても少しだけ宙に浮かせて風魔法で操る程度だが。。
それでも、悪道を馬車で走るよりはるかに速いスピードが出せる。
結果、予定日時から半日短縮することに成功した。
「まさか宙に浮けるとはね。貴重な体験をさせてもらったよ、ありがとう。また機会があったらぜひ君たちを雇わせてくれ」
「こちらこそ楽しかったです! ありがとうございました。その際はぜひよろしくお願いします!」
こうして僕らは護衛依頼を達成したのだった。
報告ついでに冒険者ギルドへ赴き、盗賊たちを突き出してみると、なかなか有名な盗賊で、指名手配されていたらしく、報奨金をもらえた。
奪った宝石類の売却額も加えると、なかなかの額だった。嬉しい臨時収入。
僕たちはその臨時収入を使って、ブルクハルト領の観光をすることに決めた。
読んでいただきありがとうございます。
モブかと思いきや実は有名人。
こういうの好きです。
次話もお楽しみに。




