39 護衛依頼 前編
今日は護衛依頼で街の出入り口に来ている。
護衛対象は商人で、歩いて2日ほどの距離にあるブルクハルト男爵領まで送り届けるというもの。
予定ルートには盗賊はめったに出ないけど、たまに魔物が出るから護衛が必要なんだそうだ。
「君たちが護衛の冒険者たちだね。今日はよろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします」
お互いに自己紹介をした。
僕は名刺代わりに飴ちゃんを1つ渡すと気に入ってくれたみたいで、売ってくれと頼まれたからいくつか売ってあげた。
そして彼はドニーさん。紳士なお爺さんって感じだ。
以前はどこかの商会にいたらしいんだけど、今は1人で国中を旅してまわっている商人なんだって。
なんかいいね。冒険者に飽きたら商人になって旅してみるのもいいかもしれない。
「では行こうか」
「はい」
僕たち『飴ちゃん』はドニーさんの乗る馬車の横に並んで歩いている。
「ブルクハルト領って港町なんだよね?」
「うん、そして海鮮料理が有名なんだよ。美味しい甘味もあればいいなー。楽しみだね!」
エリナは相変わらず甘いものが好きだな。でも港町でスイーツってそんなに期待できないのでは…?
「そうか、なら久々に海釣りなんかもしてみたいな」
「ん? オルトは海に行った事があるのか?」
「え? あ、えっとー、実は昔ちょっとだけね。。」
まぁ、前世なんだけどね。。
「そうなのか。俺は初めてだから楽しみにしてたんだよ」
「私も。ペンドラゴン領の周りは木しかないものね。。」
「しかたないよ、まだ開拓中なんだから」
そうなのだ。実は我がペンドラゴン領は周りが森や草原に囲まれており領地のほとんどがまだ未開拓なのだ。広すぎて確認していなかったけど、今度ゆっくり領地を調べてみてもいいかもしれないね。何か面白いものが見つかるかもしれないし。
とか考えていると、最近は視界の端に常時展開している【マップ】に面白そうなものが表示された。
実は【マップ】には敵意を感知する機能まであるようで、普通の人は青い点で示されるのだが、魔物なんかの敵意を持ったものは赤い点で表示されるのだ。
これならいつ敵意を向けられても一目でわかってしまうから便利。
「皆、武器を構えて!」
「どうした? 何も見えないけど」
「盗賊だ。数は10」
「なに!? 盗賊? この辺では滅多に出ないと聞いていたんだが。。君たちだけで対処できそうなのかい?」
「余裕です。ただ、ドニーさんと馬車は危ないのでここから動かないでください」
「わかった。気を付けて」
馬車が止まると奥の茂みから盗賊が出てきた。見える範囲で3人。隠れているのが7人だ。
「おいおい、なんでバレたんだ?」
「そんなことはいい。さっさとやるぞ」
「オイお前ら! 馬車と装備と女は全て置いていけ! そしたら命だけは助けてやるよ! ヒャッハー!」
きたきたきたーーーー! 盗賊だーー!
護衛依頼といったら盗賊だよね! もう最高!!
こんな所で会えるなんて僕ってついてるね。
僕「笑わせんな! たった3人で何ができるってんだ? お前らこそ有り金おいて逃げれば見逃してやるぞ?」
リーダー?「生意気なガキだな。おい、お前ら出てこい!」
隠れていた奴らが6人顔を出した。だが1人はまだ隠れている。案外用心深いんだね。
リーダー?「これでもまだそんなことが言えるのかな?」ニヤ
僕「なっ、なんだと!? これは困った。どうしよう。こわいよ―。もう僕たちは終わりだー!」
リーダー?「こいつっ! なめやがって! 降参するなら今のうちだぞ?」
レン「…おいオルト、護衛中なんだから遊んでないで早くやるぞ。捕縛か? 討伐か?」
僕が迫真の演技を見せているとレンが邪魔してきた。
僕「ちぇっ。どうしようか、とりあえずできそうなら捕縛って感じでいこうか、みんなそれでいいかな?」
レン「ああ」
アリサ「ええ」
エリナ「うん」
リーシャ「いつでもいいよ」
「では行こうか、―――蹂躙せよ!!」
言ってみたい言葉ランキング上位にあった言葉の一つを言えた。満足。
読んでいただきありがとうございます。
次話もお楽しみに。




