36 『飴ちゃん』最強伝説
リーシャがオークキングの件は僕の仕業だったと伝えてランガさん驚愕。
「あの時オークキングを倒した、例の新種の魔物です。あれ、オルト君でした」
「はあー!? なんだと? 確かにゴブリンキングまで倒したこの子たちならあり得るかも知れないが、あれは6年前だぞ? オルト君は当時4才だったはず。しかも1人で? そんなのあり得るか? いや、流石にそれは嘘だろう。。」
ほら信じられてないよ。。
でもまた僕のせいでリーシャが嘘つき呼ばわりされるのも申し訳ないからな。。
しかたない、僕が話すか。。
「あのー、それほんとです。そんな騒ぎになっていると知らなかったとはいえ、ご迷惑をおかけしたみたいですみません。。あの時はオーク肉が食べたくて仕方なかったんです。。証拠になるかわかりませんがこれを。。」
僕は腰に差していた魔剣グラムを机に置いた。
「これはオークキングが持っていたもので、その後僕がもらいました。」
「これは・・・?」
「魔剣グラムと言います」
「魔剣!?」
ランガさん放心状態だ。だから報告したくなかったのに。。
リーシャったら余計なことを。。
「あまり騒がれたくないんでこれの事は内密にお願いします。。」
「…まさか魔剣を見れるとは。。さすがアルフレッドの子だな。。」
「聞いてます? 魔剣のことは内緒にしてほしいんですけどー」
「あ、ああ、取り乱してすまない。オークキングの件も信じよう。あの時のリーシャ君の証言通り金髪だし、魔剣を持っていることが戦闘力の証明にもなる。もちろん魔剣のことは秘密にしておこう。こんなものバレたら国から問い詰められるぞ。そんな面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだ。。」
ランガさん、意外と面倒くさがりなんだな。ちょっと親近感。
「だがオークキングの件と今回の件はどうする? 公表すれば私の一存で一気にBランクまでなら上げられるぞ。オークの件はリーシャ君の汚名返上にもなるし、どうだい?」
「うーん、リーシャには申し訳ないけど、オークの件は公表はしたくないです。変に目立ちたくありませんし、冒険者ランクは仲間たちと一緒のペースで上げたいんです。その方が楽しいですし」
「私はかまわないよ。今更噂が消えても何も変わらないし、今はいいパーティに入れてもらえたからそれで満足さ」
リーシャいい子。
「そうか、わかった。では今回のゴブリンの件はどうする?」
「うーん、みんなどうしたい?」
「俺は内密にしてほしいかな。今回の件はほとんどオルト1人でやったことだし、俺たちの実力が過大評価されそうだしな。」
「そうね、私たちで100匹程度しか倒せてないものね。。」
「私もそう思う。。」
「てことなんで内密にする方向でお願いします」
パーティだからみんなの意見は尊重すべきだよね。
え? 修行は嫌がってるだろって?
何言ってるんだ、僕はみんなのためを思って心を鬼にしているのさ。
決して楽しんでなんかいないよ。ほんとだぞ?
「3人で100匹も十分にすごいんだが。。まあ、わかった。今回の件も内密に済ませよう。あとはお礼に何かしてあげたいんだが・・。そうだ、君たちはDランクへの昇格試験を受けたいんだろ? それを免除してすぐにDランクにしてあげよう。今回の件を公にしないのであればこの辺が妥当だろう。それに君たちなら実力ですぐにAランクまで上がれるだろうからね」
「ありがとうございます!」
こうして僕たちはDランクに昇格。
ゴブリンキング率いるゴブリンの群れは、匿名希望の凄腕冒険者たちが殲滅したことになった。
だが僕たちの仕業だと気付いた勘のいい冒険者たちもいたようで、一部では『飴ちゃん』最強伝説が囁かれていたという。
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