33 やっちゃってた
僕たちは洞窟から帰ってくるとリーシャに案内され、とある宿屋にやってきた。
宿の名前は”くまさんの宿”。1階部分が酒屋、2階が宿となっている。
綺麗な看板娘がいて、奥ではクマのように大きな店主が料理を作っている。
うんうん。The! 宿屋! てかんじだ。ちょっと感動。
あの綺麗な看板娘も実はクマ店主の奥さんとかいうオチだろ? わかってるんだぜ?
「いらっしゃいませー。あら、リーシャちゃん、ついにパーティ組んだの?」
「いいえ、まだソロですよ。今日は彼らに助けてもらったお礼においしいご飯処を教えると約束したので、ここを紹介しようと思いまして。ご主人の料理が一番おいしいですからね」
「あら、そうだったの。旦那の料理をほめてもらえると私も嬉しいわ! さ、座って座って!」
ほらね、わかってたさ。。わかっていたさ。。
「オルト、なんで泣いてるんだ?」
「なんでもないさ、レン、僕の屍を超えて行け」
「また変なこと言ってるよ。。ほら、いくぞ?」
僕が悔しさのあまり打ちひしがれているとレンが僕の襟首をつかみ無理やり引っ張って席に座らせる。
あんな素敵な奥さんがいるなんて羨ましすぎるぞクマさん。。
奥さん「ご注文は?」
リーシャ「おすすめを人数分頼みます」
僕「あとエールを」
奥さん「君まだ成人してるようには見えないけどー?」
レン「飲み物は全員水でお願いします」
僕「ちっ」
こんな時は飲まなきゃやってらんないってのに、未成年は飲めないらしい。異世界のくせに。。
リーシャ「今日はほんとに助かったよ。改めてお礼を言わせてほしい」
アリサ「だからそんなのいいってば」
リーシャ「ではせめてここはおごらせてくれないかな」
アリサ「わかったわ。ありがたくいただくわね」
料理が運ばれてきた。パンとスープ、ステーキ。果物もついている。
パンは黒パンより少し柔らかいパン。スープは野菜とくず肉がゴロゴロ入っていてコンソメスープのような味だ。ステーキはジャイアントボアで、味付けに少しだけ胡椒も使ってある。この果物は初めて見るけどマンゴーにそっくりだね。
レン「うまっ!」
アリサ「おいしいわね! 毎日食べたいくらいだわ!」
エリナ「この果物甘くて最高!」
確かになかなかおいしかった。でも僕の家ほどではないかな。
我が家のご飯はバルドと開発した美味しいものがたくさんあるからね!
あとは米と醤油が手に入れば文句なしさ!
でもそんな話をしたら嫌な貴族になっちゃうので黙っておく。
僕は空気の読める男なのさ。フッ。
僕「ほんとにおいしいや! 教えてくれてありがとう、リーシャ!」
リーシャ「そう言ってもらえると私も嬉しいよ」
話してみるとリーシャはちょっと闇が深い子だった。
年は僕等より6つ上。16才だ。冒険者ランクはDランク。6年間ずっとソロらしい。
なんでパーティを組まないのか聞いてみると、少し躊躇いながらも話してくれた。
組まないのではなく組んでもらえなかったそうだ。
地雷だったか。。
彼女は6年前、冒険者になりたての頃にオークに捕まったことがあったらしい。しかもオークキングがいるような大きな集団で、オークキングに貞操を奪われる危機だった。だが突如そこに現れた、よだれを垂らしてニヤニヤした金髪少年が1人で千を越えるオークたちをを殲滅してしまったらしい。
その後、彼女の体験談をきいたとある冒険者たちが、そんなことあるわけないと決めつけ、彼女には虚言癖があると噂し、噂が広まってしまい誰もパーティを組んでくれなくなったそうだ。
それ以来彼女は話し方も固くなり、自ら周囲と距離を置くようになったそうな。。
え? オークキング?
やばい、心当たりが。。というかむしろ心当たりしかない。。
とりあえず3人の視線がいたい。。
それお前じゃないのか? って目をしてる。。
「すまない、こんな話到底信じられないよね。虚言癖があると思われてもしかた…」
「さーせんっしたー!!!!」
僕の華麗なるジャンピング土下座を披露。
「な、急にどうしたんだいオルト君。やめてくれ。みんな見てるよ」
「それ、たぶん僕。。」
「え?」
「たぶんじゃないね、絶対僕だよ。。」
「え…?」
どうやら僕は知らないうちにやっちゃってたみたい。
あちゃー。
僕はリーシャに詳しく説明を始めた。
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次話もお楽しみに。




