32 人助け
ゴブリンの洞窟に入り、たった今レンとアリサとエリナだけで100匹ほど討伐し終えたとこだ。
よく頑張ったと思う。
あと2千匹くらいだと教えてやると3人とも顎が外れそうなほどお口ポカーン。
おもしろい顔してたから口に飴ちゃんを放り込んであげた。
レン「ゴホゴホッ。何すんだよ! てか2千匹ってまじかよ?」
僕「まじだよー。Gは1匹見つけたらあと100匹はいると思えって言うじゃん?」
アリサ「初めて聞いたわよそんなの。。それより、そんな数大丈夫なの? 一度ギルドに報告すべきなんじゃない?」
僕「ダメダメ、僕の実験台が減っちゃうじゃないか」
エリナ「2千匹のゴブリンもオルト君には実験台なんだね。。」
3人が可哀そうなやつでも見るかのような目を向けてくるけど、美少女2人にそんな目で見られるのは僕にはご褒美だよ。レンの視線はいらないけどね。
お、いたいた! 練習したい魔法がいっぱいあるんだよ!
まずは重力魔法! そして雷魔法で雷撃だ! お次は光魔法で光の矢!
うん。どれもなかなかかっこいいじゃないか!
そんな感じでいろんな魔法実験を繰り返しつつ洞窟を奥に進んでいく。
多すぎて歩行の邪魔になるからゴブリンの死体はアイテムボックスに放り込んでおく。
レン「やっぱりオルトは無茶苦茶だな。。」
アリサ「ええ、1人で国家戦力ぐらいあるんじゃないかしら。」
エリナ「いや、それ以上かも。。」
「3人ともこのレベルについてこれるようになってもらうからね! 明日からクエストをしながらも修行だよ!!」
「「「ひー!!」」」
そんなに嬉しそうにしなくてもいいのに。かわいい子たちだなー。
そろそろ魔法実験も飽きてきたな。。面倒だから一気にやっちゃおう。
「クリエイト、ゴーレム」
僕はゴーレムを作り出した。簡単にいうと僕の命令に忠実な泥人形だ。
次々に同じゴーレムをつくりだし、洞窟の奥へと送った。その数およそ100体。
あとはゴーレムたちが蹂躙した後を歩き、死体を回収していくだけの簡単な作業。
レン「軍隊も作れるとか反則だろ。。」
しばらく歩くとゴーレムたちが一斉に崩れた。殲滅し終えたら自然に壊れるようにイメージして作り出したので、ゴブリン殲滅が終わったのだろう。
死体を片付けながら奥まで進むとちょっと大きめでムキムキのゴブリンの死体があった。
鑑定してみるとゴブリンキングだった。
オークキングと違って食べれないし、魔剣も持っていない。使えないやつだな。汚いし。。
さらに奥には部屋のような空間があり、剣や盾、鎧など、冒険者などから奪ったと思われるものが大量にあった。
もちろんすべて頂いた。どこかで使えるかもしれないし。
ここまでは順調。だが問題は一番奥の空間である。
事前に【マップ】で調べて覚悟はしていたんだけど実際に目にすると言葉に詰まる。
食べかけのものや糞尿が散乱しているその悪臭漂う空間に、怪我して血だらけの女性が1人横たわっている。
レン「これは。。」
アリサ「ひどい。。」
エリナ「うっ。。」
ガサ。
「た、たすけて。。」
女性がかすれた声で僕らに懇願してきた。
意識はあるようだけど怪我の状態がひどいな。
だが汚れてはいるが衣服の乱れはあまり見られない。もしかしてセーフかな?
「大丈夫? 少しじっとしててね」
僕は修行中にレンに試して覚えた回復魔法を発動。
「え? 治った? まさか、回復魔法??」
「他に怪我してるところはある?」
「いや、ないようだ。助かったよ。恩に着る」
「よかった。喉乾いたでしょ、これ飲んで。アリサ、エリナ。あとは任せてもいいかな?」
「仕方ないわね。任せなさい」
「うん、まかせて」
もしかするとゴブリンにあんなことやこんなことされてて男性が怖いかもしれない。
僕特製のポーションを渡して、あとはアリサとエリナに任せることにした。
事情をきいたり、汚れた服を着替えさせたりね。
僕とレンがいては困るだろうから。
彼女からきいた話はこうだ。
彼女はソロの冒険者で名前はリーシャ。今日は朝からスライムを狩っていた。するといつの間にかゴブリンに囲まれており、応戦むなしく捕まり、武器を奪われこの洞窟まで運ばれた。
どうやらゴブリンキングへの捧げものとなったらしい。
配下のゴブリンがいなくなり、隙を見て彼女は隠し持っていたナイフでゴブリンキングに襲い掛かったが敵う筈もなく、ボロボロになるまで甚振られた。
そこに僕のゴーレムたちがやってきて、なんとか貞操は守れた。
とのことだ。よかったね。
「ほんとになんとお礼を言ったらいいか。。あのままでは私はゴブリンどもの子供を孕まされるところだった。本当にありがとう! このお礼は必ずさせてくれ」
「いいよいいよー、困ったときはお互いさまさ」
「そうよ、依頼のついでだし、気にしなくていいのよ」
「いや、そうはいかない! 本当ならすべてを失っていたのだ! 所持金はすべて渡そう! だがこれでは少なすぎるか。どうしたら。。」
「わかった。どうしてもお礼がしたいなら、街に戻っておいしいご飯処を教えてよ!」
「そんなものでよければいくらでも教えるが、いいのかい?」
「それいいな! そうしよう!」
「オルトもたまにはいいこと言うじゃない!」
「甘いものがいいな」
3人も賛成してくれる。みんないい子たちだな。
よし、今日はとりあえず帰ってご飯だな!
僕たち5人は洞窟を出て街に戻った。
読んでいただきありがとうございます。
なんか見覚えがある名前だなーと思った方、
13 冒険者ギルド を読み返していただくとわかるかもしれません。
次話もお楽しみに。




