30 冒険に出かけよう
翌日、僕たち『飴ちゃん』は朝から鍛冶屋に向かった。
コンコンコ…
ガチャ!
「来たかお前ら! 待ってたぞ!!」
はや! ノックしてる途中でドアが開いたよ。
昨日と態度が違いすぎてちょっと戸惑う。魔剣効果、凄まじいね。
「ほらさっさと入れ!!」
僕たちはガルドさんに急かされて中に入る。
「頼んでたものはできた?」
「ああ、他の仕事は後回しで酒も我慢して、徹夜で仕上げたぜ! 俺の渾身の作品だ! 気に入ってくれると思うぜ」
そう言ってガルドは奥の方から剣を持ってくる。
レン「かっけー!」
僕「すごい…」
これしか言葉がでなかった。僕なんかの貧弱な言語能力で言い表すのもおこがましいとさえ思えるほどに美しかった。龍と思われる模様があしらわれたその漆黒の鞘が、魔剣グラムの深緋の刀身を映えさせて、剣と鞘、二つで一つのなんとも言えない美しい作品となっていた。
期待以上だ。さすがドワーフだよ! しかも魔剣は使用者に合わせて大きさを変えるらしく、将来刀身が伸びることを考慮して鞘の長さを調節できるようにまでしてある。
「最高だよガルドさん! ありがとう!!」
「気に入ってもらえたようで良かった。まあ、俺の作品の中でも過去最高の仕上がりだから当たり前だがな! がっはっは!」
「そうだ! こんな素晴らしいものを作ってもらったんだからなにかお礼させてよ!」
「いいんだよ、こんな最高の仕事をさせてもらったんだから何もいらねえよ! たまにうちに来てそいつを見せてくれたら十分だ」
そんなに魔剣が好きなのか。時々装備のメンテナンスをしてもらいに酒を持ってここに来よう。
「わかった。じゃあこれだけ受け取ってよ」
「なんだこれは?」
「これは飴ちゃんって言うんだけど、おいしいから食べてみてよ! 僕たちのパーティ名でもあるから覚えておいてね!」
「ほう、甘くてなかなかうめえな。ありがとよ」
「こちらこそ素晴らしいものをありがとう。ときどき遊びに来るよ! またね!」
「おう、待ってるぞ」
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こうしてようやく装備が揃った僕らは西の森へと向かった。
アリサ「やっと冒険できるわね!」
レン「そうだな、今日はどの依頼をやる?」
僕「え? 何言ってんのレン。全部やるに決まってるじゃないか!」
3人「「「え?」」」
僕「みんなどうしたの? 明日までにはDランクになっておきたいから早く終わらせようよ!」
3人「「「はい。。」」」
みんな元気ないなー。疲れてるのかな?
大丈夫かなー? 疲れてるみたいだから飴ちゃんあげるか!
うん、予想はしてたけどやっぱりエリナだけは元気になったな。さすが甘党。
レンとアリサもなんだかんだ飴ちゃんは好きみたいだから食べるんだよね。でもこれからクエストこなすのにそんな顔しちゃってて大丈夫かなー?
「体調悪いなら今日はやめとく? 明日この倍くらいのクエストやれば昇格試験受けられるだろうし、無理しなくていいよ?」
レン「よっしゃ、頑張ろうぜ!」
アリサ「よし、やるわよ!」
よかった。なんか分からないけど元気出たみたいだね、じゃあさくっと終わらせますかねー。
しゅっぱーつ!!
ようやく冒険出発です。
次話もお楽しみに。




