3 転生したみたい
ご指摘いただいたので少し訂正してみました。
「――――・・・―――――・・」
何か音が聞こえる。これはもしかして声なのか?ついに俺は転生したのか?あの憧れのファンタジーな世界にきたのか?
「――・・――・・・」
ん?なんだって?
「あ、ぎゃあーー」
「―――・・・」
だから聞こえないって!もっと大きな声で!
「あぁあ、おんぎゃああぁああ!!」
この耳障りな鳴き声は何だ? 異世界だからやっぱり恐竜でもいるのか? まったく、子供と同じところで恐竜を育てるなんてどうかしてるなっ!!
ん? 子供? まさか。。
(あー)「あー」
(こんにちは)「あうああ」
俺かよ!! 俺の声だったのかよ!! このうるさいやつ俺だったよ!!
てっきり3才くらいからスタートだと思っていたのに、まさかこんな赤ん坊から始まるとは。。
これから数年赤ちゃんを演じなくてはならないのか。中身は32才だというのに。。
俺は絶望した。恥ずかしさのあまり泣き叫んだ。
「おんぎゃあぁああああああああああああ!!!!」
するとふわりと身体が浮いた。同時になんだかいい香りと柔らかいものに包まれる感覚があった。
なんだこれは。ほんとに転生したのか? まるで天国ではないか!!!
あまりの気持ちよさに、俺はそのまま寝てしまった。
「あらあら、抱っこしたとたん眠っちゃったわ」
「それだけ君の腕の中が落ち着くのさ。さすがは母親だね。ぼくが抱っこすると嫌がるのになあ」
「きっとそのうち、あなたにも懐くわよ」
「だといいね」
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あれから約1年がたった。
どうやら僕は1才みたいだ。
一人称が変わったって? ふん、1才児だぜ? 察してくれ。
最近では周りの様子がわかるようになった。
どうやらここは田舎に住む貴族の屋敷みたいだ。
だって広いしメイドがいるんだもの。おばちゃんだけど。。
家族構成は
父: アルフレッド・ペンドラゴン(24才)
母: ルイーナ・ペンドラゴン(年齢不詳)
姉: レイラ・ペンドラゴン(6才)
兄: ライル・ペンドラゴン(3才)
父は細マッチョイケメン、母は巨乳美人、姉と兄も美形で、将来はモテモテだろう。
そして僕が オルティス・ペンドラゴンだ。
正直めちゃめちゃ気に入っている。かっこよすぎるだろ僕の名前。
前世なんて田中太郎だぞ。泣きそうだったわ。
それに比べ、今世はなんていかした名前なんだ!
お父様、お母様、ありがとう。(泣)
僕の日常は寝る、おっぱい、おしっこ、泣く。これの繰り返しだ。実は以前、あまりに泣かな過ぎて両親に心配されちゃったから、たまに泣くようにしているのだ。
そして最近、ようやく歩き回ることができるようになり、メイドの隙を見つけては脱走を繰り返している。メイドはかわいそうだが、いい運動になるからやめられない。
楽しみと言ったらこれとおっぱいくらいである。
そろそろ乳離れさせようかと両親が話していて、戦慄が走った。
断固拒否させてもらう!
こんなにも素晴らしいものを手放してたまるかってんだ。
実は意識がはっきりしだしてすぐに、もらったチートを試そうと思ったら何も使えなかった。唯一反応した【メニュー】は俺だけに見えるタブレット画面のようなものだった。そこに書いてあったのはあの神様からのメッセージだ。
スキルは3才頃から使えると思うからそれまでゆっくりと赤ちゃんライフを満喫するように。とのことだ。
ちっ。あの駄神めっ!!
読んでくださってありがとうございます。
次話からもお楽しみください。