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26 鍛冶屋に行こう 前編

 

 僕たちはギルドを出て鍛冶屋を探すことになった。


「鍛冶屋ってどこにあるのかしら?」


「俺んちの近くにあるけど、あそこ鍋と包丁しか置いてないからなー。オルトはどっか知らないのか?」


「いいとこ知ってるよー。この街には鍛冶屋がいくつかあるらしいけど、中でも僕のおススメのお店に連れて行ってあげるよ!」


「オルトってこの街に詳しいのね。さすがは領主様の息子ね」


「まあねー」


【マップ】で検索してるだけなんだけどね。

 さっき検索してるとおもしろいお店を見つけたんだよ。

 楽しみだなー。フフフフフ。


「この顔はまた変な事考えてるわね。。」


「諦めろアリサ。。いつものことじゃないか。。」


「そうだよ、オルト君が変なのはいつものことだよ」


 あれー? 僕ってそんなに変な人に見えてるのかな?

 自分ではかなり真っ当な人間だと思ってるんだけども。。おかしいなー。


 チリンチリン。


「いらっしゃーい!」


「ねえオルト、店間違えてない? こんなところに装備なんて売ってないわよ」


「それが間違ってないんだよなー」


「ほんとに? だってここ酒屋よ?」


「そう、酒屋だよ。鍛冶屋に行く前にどうしても必要なものがあるのさ!」


 3人とも僕に、疑いの視線を送ってくる。

 やめてくれよ。ちょっとゾクゾクしちゃうじゃないか。


「こんにちは。このお店で1番強いお酒ください!」


「まいどありー! だったらこの”地獄酒”だな! 1本銀貨5枚だ!」


「じゃあそれを5本買うから金貨2枚でどう?」


「金貨2枚と銀貨3枚ならいいぞ」


「金貨2枚と銀貨1枚!」


「金貨2枚と銀貨2枚!」


「金貨2枚と銀貨1枚と銅貨5枚! これでどうだ!」


「わかったよ。俺の負けだ!」


 最近値切りのコツもつかんできたから買い物が楽しい。


「装備買いに行く前にお酒買う必要がどこにあるのよ。。」


「まあまあ、行ってみてからのお楽しみさ!」


 僕はお酒をアイテムボックスに入れ、今度こそ鍛冶屋に向かう。


 しばらく歩くと目的地に着いた。けどそこにはただの一軒家があるだけだった。


「え? ほんとにここ? 看板も何もないじゃないの!」


【マップ】で確認したから場所は間違えていないはずだけど。。


 コンコンッ


 あれ?


 コンコンッ!


 聞こえないのかな?


 コンコンコンッ!


「うるせえな!」


 ガチャッ。


 ジロリ。店主は鋭い目つきで僕たちを値踏みするかのように睨みつけてきた。


「帰れ」


 ガチャン!!


 ドアを閉められちゃった。


「ほら、間違ってるのよ!」


「そうだな、こんなとこが鍛冶屋なわけないだろ。オルトでもそんなミスすることがあるんだな」


「フッフッフ。いい。いいぞ。。」


「またおかしくなっちゃったわ。。」


「あきらめろって。オルトなんだから」


「オルト君ですから。。」


「いや、僕の名前をおかしいやつの代名詞みたいに使うのやめてくれない? そろそろ泣いちゃうよ? 泣いちゃうからね?」


「そんな冗談はいいからはやく鍛冶屋探そうぜー」


「冗談じゃないから! 僕本気で泣くからね!」


「はいはい。じゃあ、あっちの方探してみるか?」


 はあ、もういいよ。。今はそれよりも。


「まぁ、待ちたまえ諸君。僕を信じなさい。間違いなくここがペンドラゴン領一の鍛冶屋さ」


「いや、そんなわけないだろ。中に入れてももらえなかったんだぞ?」


「まったく、わかってないなー。なんのためにさっき酒屋に行ったと思ってるんだい?」


「「「なんで?」」」


 誰もわかってないのか。仕方ない、実際に見せてやろう。


「まぁ、黙ってついてきたまえ」


 そうして僕はもう一度ドアをたたいた。


 コンコンッ。


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