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22 試験 前編



「ついにこの日が来たな! みんな心の準備は出来てるか?」


「おっけー!」


「ばっちりよ!」


「うん!」


「よし、じゃあ行くか!」


 カランカラン


 冒険者ギルドの扉を開けた。

 

 ジロリ。

 冒険者たちの鋭い視線が僕たちに向けられる。

 

 いやん、恥ずかしいなーもう。


 視線を無視して受付に進み、お姉さんに話しかける。


「こんにちは、試験を受けに来ました!」


「あらいらっしゃーい。あ、もしかしてあの時の子供たちじゃない? 大きくなったわねー」


「覚えててくれたんだね、約束通り5年待ってまた来たよ! お姉さんは相変わらず綺麗だね! 今度こそデートしてくれる?」


「あら、お世辞でも嬉しいわー。立派な冒険者になれたら考えてあげるわね。じゃあここに名前と年齢を書いてちょうだい」


 渡された試験申し込み用紙にそれぞれ名前を記入していると、後ろからおっさんの声が聞こえてきた。


「おいおいおい、こんなガキどもが冒険者になろうってか? やめとけやめとけ! スライムにも負けちまうぞ! わっはっはっは!」


 こ、これは・・・


「おい、聞いてんのか? おめーらのことだよ!」


 肩をつかまれた。


「て、て、テンプレきたぁああああ!!!!!」


「な、なんだお前、急に叫ぶなよ」


「おっと、ごめんよ。で、おじさんなんか用?」


「おめえらみたいなガキに冒険者はまだ早えーよ! 帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな! はっはっは!」


「・・・。え? 今なんて言った?」


「おめーらには無理だって言ったんだよ」


「そこじゃない…」ボソッ


「あん? きこえねーよ、おら、さっさと帰んな!」


「そこじゃねえよ! おっぱいの話に決まってんだろ!!! ふざけんな!! しゃぶりたくても母さんのはもうしゃぶれねえんだよ!!! くそっ!!」


「おい、落ち着けよオルト。そしてキレるとこおかしいだろ。。」


「許せん。テンプレで絡まれたからいい気分だったのに。。あろうことかこいつは禁句を口にした。。僕に乳離れの話をするなんて!! こいつは僕を怒らせたんだー!!!」


「お、なんだやんのか? ガキ」


「おう、かかってこいや雑魚! 二度とその口がきけねーようにしてやるよ」


「なんだとてめー!」


「はい、そこまでです! ギルド内のもめごとは禁止ですよ! それ以上は受付嬢である私が許しません」


「「チッ、命拾いしたな!」」


 おっさんとハモッてしまった。おえぇ。。


「そうだ、お前これから試験なんだろ? 実技試験は俺様が相手してやるから覚悟しときな!」


「はんっ、上等だよ、今のうちに冒険者引退の準備しとけよ?」


「こいつ、調子に乗りやがってー!」


「はいはい、ストーップ! これ以上やるなら、あなたはライセンスの剥奪、君は試験を受けさせないよ?」


「「チッ」」


「仲いいなお前ら。。」


「「あん?」」


「はいはい、はやく試験受けに行くぞ、オルト」


 レンに連れられ、僕はしぶしぶ試験会場へと向かった。


 試験官「よし、これから筆記試験だ。カンニングは即失格だからなー。では、はじめ!」


 え。簡単すぎるだろ。。これならあの3人も余裕で合格だろうな。


 筆記試験が終わり、実技試験の時間だ。


「今日の実技の試験官はギルド長である私が担当する。ランガだ。よろしく」


 ざわざわざわ


 隣のモブ「おい、よりによってあの人かよ。。試験が厳しいうえに審査も辛口でめったに合格者を出さないことで有名な元Aランク冒険者のギルド長かよ。。ついてないな。。」


 説明口調ありがとう。どうやらギルド長は審査が厳しいらしい。

 まぁ、僕が指導したから3人は大丈夫だと思うけどね。僕? 僕はチートがあるから余裕さ。


「今日の試験は冒険者たちと模擬戦をしてもらう。テーマは対盗賊戦だ。君たち受験者12名対盗賊役6名だ。武器はここに置いている木製のものを使うこと。以上だ。15分後に始める」


 みんな驚いているけどどうしたのかな?


「例年なら薬草採取なんかの依頼を実際にこなすのが試験だったのに模擬戦だからみんな驚いてるんだよ」


 僕が不思議に思っているとレンがこっそりと教えてくれた。

 なるほど、でもこっちの方が面白そうでいいじゃん。


 15分程度では受験者たちの意見はまとまらず、結果、協力はせずに各自の判断で動くことになった。


「準備はいいな? はじめ!」


 僕たち4人以外は突っ込んでいった。


「こっちは人数がいるんだ! 楽勝だぜ!」


 モブが叫んでいる。かませ犬みたいだな。。

 あ、殴られて気絶した。



「よし、俺たちもやるか」


「あのおっさんだけは僕の獲物だからね」


「わかってるわよ、他はもらうわよ?」


「わかった」


 さっきギルドで絡まれたおっさんが僕を睨みながら、木剣片手に走ってくる。

 試験官の手伝いをやってるくらいだからまあまあ強いんだろう。少しくらい力入れても大丈夫だよね? 僕はおっさんの袈裟切りを姿勢を低くすることでギリギリでかわすと同時に、右足を一歩踏みこみ、左脇に構えていた木剣でおっさんの右脇腹を切り上げた。居合みたいでかっこいい僕の好きな型だ。


「お、ホームラン」


 あ、他の盗賊役2人巻き込んで倒れちゃった。


「ちょっとオルト! こっちはもらうって言ったでしょ! 邪魔しないでよもう!」


「ごめん。。」


 おっさんが思ってたより弱かったんだよ。。

 ちょっと物足りないな。おっぱいの恨みは怖いんだぞ。みんなも気をつけてよ?


 僕は武器と一緒に用意されていたロープで、倒れている盗賊役たちを縛っていく。

 ついでに倒れていた受験者たちは危ないから端の方にまとめて寝かせておく。


「オルト―! こっちもロープ頼む!」


 どうやら終わったみたいだ。

 6人全員縛り終えた。残ってる受験生は僕たち4人だけだった。


「終わりましたー」


「よし、試験は終わりだ。縄をほどいてやってくれ。終わったらギルドのボードに合格者の名前を張り出すから見に来なさい」


「「「「はーい」」」」


 僕たちは盗賊役の冒険者たちをロープから解放してあげた。

 途中であのおっさんが襲い掛かってきたから、転ばせて馬乗りになり、謝るまで往復ビンタをお見舞いしてやった。


 最後は周りの人たちが引いてたけど、スッキリしたしまあいいや。



 はあー、楽しかった。結果はどうかなー? ワクワク




読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] こいつ気持ち悪いよね。
2020/01/10 21:58 退会済み
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