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20 修行


 僕たち4人は西の森の近くの空き地まで来た。

 ここは広い草原があって周りに建物がないため魔法の練習もできる。魔法使いが2人いるうちのチームにピッタリの修行場所だ。


「この辺でいいかな、まずは何から始めよっか?」


「そうだな、まずは俺とオルトで試合をしてみて、そのあと2人の魔法を見るってのはどうだ?」


「いいんじゃないかしら、各々の実力を知っておくべきだし。私たちは見学しとくわ」


「おっけー、そうしよう!」


「剣の代わりに木の棒でも拾ってくるか」


「そうだね! これなんかちょうどいいんじゃないかな?」


 その辺に生えていた木を使い、【全魔法】により大剣サイズの木剣を一瞬でつくってレンに渡した。


「は? 今なにしたんだ? 木が消えたと思ったら木剣ができていた気がしたんだが。。」


「まあ、気にしない気にしない。それよりほら、やろうよ」


「見間違いか…? まあいいや。でもオルトの武器がないじゃないか」


「僕は素手で十分さ。レンに修行付けてあげるよ」


「おいおい、素手とは舐められたもんだな。俺の【大剣術】中 の力を見せてやるよ! いくぞ! おらー!」


 レンは力任せに木剣を振り下ろしてきた。


 ヒョイッ。

 僕は余裕でかわす。


「くそ、まだまだー!」


 5才にしてはよく頑張っているが、それでも僕からしたら止まって見えるほどに遅い。


 ヒョイヒョイッとすべて躱す。


「ハア、ハア、なんで当たんねえんだ?」


「もう終わり?」


「はんっ。逃げてるだけの奴が調子に乗るなよ! おら!」


「じゃあそろそろ僕も攻撃してあげるよ。ほい!」


 僕はレンの袈裟切りを避けながら鳩尾を軽くつついた。


「グフォッ!」


 バタリ。


「あれ?」


 どうやらやりすぎたらしい。泡吹いて気絶している。


「おーい(ベシッ)、起きろー(ベシッ)。レーン(ベシッ)。起きてよー(ベシッ)」


「いってえ!! 叩くなよ! ってあれ? まさか俺気絶してたのか?」


「おはよう」


「おはようじゃないだろ! そんな強力なビンタで起こすやつがあるか!」


「ごめん、力加減苦手なんだよ」


「苦手とかのレベルじゃないだろ。。てかさっきのはまぐれだ! もう1回やるぞ!」


「いいけど、何回やっても同じだよ?」


 その後6回レンは泡吹いて気絶した。だから言ったのに。でもそのガッツだけは認めてあげよう。


「レンはほっといて、次は2人の魔法を見てみようか!」


「これほっといていいのかしら。。」


「ほら、はやくはやく!」


「わかったわよ。。じゃあ私からね」


アリサが立ち上がり両手を前に突き出し、手をパーにして構える。


「ハァーー! ファイヤーボール!!!」


 ポフッ。


 ろうそくの火ほどの大きさの火の玉がでて、ゆらゆらと飛んでいき、やがて線香花火のように儚く消えていった。


「やった! できたわ!」


「次は私だね、いっけー! ウォーターボール!」


 これまた先ほどのファイヤーボールと同じ大きさの水球がゆらゆらと飛んでいき空中ではじけて消えた。


「やった! 私もできたよ!」


 2人抱き合って喜んでいる。


「え…?」


「どうよオルト、驚いて声も出ないでしょ! エリナ! 私たち天才ね!」


「やったねアリサ!」


2人で超盛り上がっている。


「うん、驚いたよ。。ショボすぎて。。」


「なんですって! 初めての魔法なんだからできただけでもすごいでしょ! できもしないのに文句言わないでちょうだい!」


「はあ、魔法ってのはこういうのでしょ。。」


 僕は右手でファイヤーボール、左手でウォーターボールを、こぶし位の大きさにして、100メートル先にある、それぞれ別の岩めがけて発射した。

 毎日魔法を使っていたら威力の調節もうまくなったんだよね。


 ボンッ。

 2つの魔法はほぼ同時に的に当たり、

 

 ズドーン。

 どちらの岩も真っ二つに割れた。


「「え?」」


「見てなかったの? しかたないなー、ほら、こんな感じだよ」


僕はもう一度ファイヤーボールとウォーターボールをつくり、今度は空中で軌道を変えて2つの魔法をぶつけてみた。もちろん危険だから少し離れた場所でぶつけたよ? 僕は気配りもできるのさ。


「「ええーーー!!!?」


「ど、どうしたんだ2人とも? 魔物か?」


「オルトが魔法使ったのよ。。しかもめちゃくちゃ強力なの」


「なに!? オルトは魔法も使えるのか?」


「あ、レン起きたんだね。使えるよー。ほら」


 今度は土魔法で弾丸を作り出し、先ほどと同じように岩を真っ二つにしてみせた。


「・・・しかも3種類の魔法ですって…?」


「ん? 魔法なら全部使えるよ?」


「「「・・・・・・・。」」」


 みんな黙っちゃった。。

 そんなんでびっくりしてるようじゃ冒険者としてやっていけないぞ?

 まあでも、冒険者試験まであと5年もあるから、3人はゆっくり鍛えていこう。


 その後、僕対3人で模擬戦闘をしてみたけど、3人ともすぐにバテてしまった。まぁ、5才児なら仕方ないかな?


「こらこら、こんなもんでへばってどうするの? 立派な冒険者になるんだろ? 明日からも僕が先生としてビシバシ指導してあげるから、しっかりついてきてね!」ニッコリ


「「「ひいーー!」」」


 こうして、次の日から僕たちはほぼ毎日修行した。

 いつの間にか【鬼教官】極 を手に入れていた。なぜなのか。



読んでいただきありがとうございます。

もしよかったら、評価なんかもしていただけると嬉しいです。

次話もお楽しみにー!

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