表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/98

18 鑑定の儀 後編

 

 僕は列の最後尾に並んだ。

 レンとモブたちも一緒だ。


 A子「あー、なんでもいいからスキル欲しいわねー」


 レン「そうだな、俺は戦闘スキルが欲しい」


 B子「そうだよね、私もなにか欲しいな」


 僕「なんでそんなに欲しいの?」


 A子「ほしいに決まってるじゃない。スキルがあるだけで将来は安泰よ」


 僕「そうなの? でもスキルって努力したら手に入るんでしょ?」


 A子「何言ってんのよ。スキルは10年くらい修行してやっと手に入るものなのよ? あんたそんなことも知らないの?」


 僕「へー、初めて知ったよ」


 僕は簡単にスキルを獲得できるから、まさかそんなに時間がかかるとは思わなかった。


 レン「まぁ、オルトは家族みんなスキル持ちらしいから安心だよな」


 どうやら遺伝みたいなもので、両親がスキル持ちだとスキル持ちが生まれやすいらしい。


 僕「レンはなんで戦闘スキルが欲しいの?」


 レン「俺は将来、領主様みたいに冒険者になって活躍したいんだ」


 ドラゴンスレイヤーにあこがれているわけか。


 僕「なるほどねー、モブたちも冒険者になるの?」


 A子「だから私はアリサよ! そしてこっちがエリナ!」


 B子「もう、ちゃんと名前覚えてよね、オルト君はひどいなあ」


 赤髪の少しうるさいのがアリサ、青髪のおっとりしてそうなのがエリナだな。


 アリサ「あんた今失礼なこと考えたでしょ?」


 僕「いや、べつにー? それにしてもなかなかスキル所持者はいないみたいだね」


 鑑定の儀を終えた子たちはスキルがなかったらしく、元気がなかった。

 

 次の子が壇上に立ち鑑定の魔道具に手をかざしている。


「出ました! スキルも持ちです! 【農業】小です! おめでとうございます!」


 周りの大人たちは盛り上がっているが本人は少し残念そうだ。やっぱりあの子も冒険者を目指しているんだろうか。男の子はみんなうちの父さんに憧れてるらしいからね。


 その後も何人かスキル持ちが出たがいまいちパッとしないスキルばかりだった。

 そしてついに僕たちの番だ。


「まずは私からね!」


 アリサが壇上に上がって魔道具に手をかざす。


「おめでとうございます! 【火魔法】小 です!」


「キャー、やったわ!!」


 ピョンピョン飛び跳ねている。よっぽど嬉しかったんだな。よかったね、君はモブから脱出したよ!


「次は私だね」


 エリナが壇上で緊張した面持ちで手をかざした。


「おめでとうございます! 【水魔法】小 です!」


「やったー、やったよ!!」


 アリサと2人で抱き合って喜んでいる。

 君もモブから抜け出したのか。おめでとう!


「よし、俺が先に行かせてもらうぜ」


 レン、緊張しすぎてるせいか、目つきがさらに悪くなってるよ。。

 鑑定の魔道具をすごい形相で睨んでいる。そんなに睨んでも結果は変わらないよ。。


「なんと! おめでとうございます!! 【大剣術】中 です!」


「よっしゃあ!!」


 周りもすごく盛り上がっている。中 はなかなか珍しいようだ。

 体格がいいレンにピッタリだな。

 最後は僕の番だね。

 壇上に上がると机の上に鑑定の魔道具が置いてある。手をかざすと、微かにだが体の中を覗かれるような不快な感覚があった。

 突然目の前に半透明のタブレットが飛び出してきた。


 鑑定されています。許可しますか?

 はい いいえ


 はいをタップした。


 許可しました。偽装用ステータスを表示します。


「お、おめでとうございます! さすがはペンドラゴン卿のご子息でございますな。【片手剣術】大 でございます!」


「「「おおおおおおおお」」」


 みんな今日一の盛り上がりだ。ただ父さんを見ると少し不満そうな顔して僕を見ていた。

 やばい、疑われているかもしれない。。


「さすがだな、オルト!」


「ありがとう、レンもよかったね、戦闘スキルじゃないか」


「ああ、これで冒険者で活躍する夢が叶いそうだ。よければオルトも一緒に冒険者にならないか?」


「冒険者かー。うーん、やってみたかったしいいよ! 今から行こうか!」


「ばか、冒険者になるには年齢制限があるんだぜ? まだ俺たちじゃ無理だよ!」


「そうなの? 面倒だねー」


「ちょっと、もちろん私とエリナも一緒よね?」


「えー」


「なによ! こんなに可愛い子が入ってあげるんだから感謝しなさいよねっ!」


「あ、うん。。」


 こうして僕とレン、アリサ、エリナは、一緒に冒険者を目指すことになった。


「じゃあな、明日の昼に冒険者ギルドの前に集合だからな!」


「わかった。また明日」


 帰る前に僕は馬車を少しだけ改造した。揺れの軽減のために木を加工して作ったサスペンション風のバネを取り付け、座る部分にはサラサラになるまで細かくした砂をいらない布でくるんだ即席クッションを置いてみた。父さんに変な目で見られたが気にしない。実際に馬車に乗ってみると来た時よりは快適な乗り心地になった。帰ったらもっと本格的に改造しようと思う。


 帰りの馬車では父さんから、本当にスキルはあれだけだったのかと問い詰められたが口笛拭いてごまかしておいた。べつに本当のこと言ってもいいけど信じられないだろうしなぁ。



読んでいただきありがとうございます。

次話もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ