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17 鑑定の儀 中編

 

 馬車に揺られ50分ほどたっただろうか。馬車が停車した。

 ようやく教会に着いたようだ。とにかく気持ち悪い。お尻は痛いしガタガタ揺れるしで最悪だった。何度吐きそうになったことか。これなら歩いたほうがましだ。だが、貴族としての体裁のためとかで馬車に乗る必要があるらしい。こうなったらあとで魔改造してやる。


 馬車から降りると同年代くらいの子供たちがチラホラいた。どうやら今年5才の子たちみたいだ。

 みんな同じ誕生日なのかな?


 初めて教会に来たけど、想像通りの、これぞまさに教会!って感じだ。

 教会の中に入るとそこには僕と同い年の子供たちとその親がいっぱいいた。


「キャー、領主様よ!」


 領主が来たため、みんなざわついている。だが畏敬というよりも、アイドルがきたかのようなざわめきだ。ドラゴンスレイヤーは人気だね。特に奥様方から。父さんが女性陣に囲まれてしまったため、僕はこっそり抜け出した。ひまだから教会を見て回ろう。


「お前見ない顔だな。どっから来たんだ?」


 ブラブラしていると突然、目つきが悪くてガタイのいい男の子から話しかけられた。後ろには金魚のフンのような子が2人いる。

 テンプレきたー! 今僕はからまれている!! さてここはどんな対応をしたら一番面白い展開に発展するだろうか。うーーん。どうしようか・・・


「ちょっとあんた、ふざけてんの? レンが話しかけてるんだから返事しなさいよ!」


「そうだよ、無視はよくないと思うよ?」


 モブA子が盛り上げてくれる。いいぞ!ナイスアシストだモブ!

 B子はもっと頑張れ!もっと罵倒してこい!


「やめろお前ら、恥ずかしい真似すんな。すまん、驚かすつもりはなくてだな、ただ気になって話しかけただけなんだ。こいつらはあとで叱っとくから許してくれ」


「いいやつかよ! その目つきでモブ引き連れてたら普通はいじめっこだろ! なんでいいやつなんだよ! ちょっと痛めつけてやるか。とか言うところだろ! 僕の期待を返せよ!!」


「な、なんだよお前、よくわからんがすまんかった。あと目つきは気にしてるからやめてくれ」


「おっと、こっちこそごめんよ。てっきり僕をいじめに来たのかと思って興奮しちゃった」


 期待を裏切られて少々熱くなりすぎた。5才児相手だ。反省しよう。


「興奮するなよ、変な奴だな。俺はレンフォード。レンって呼んでくれ」


「僕はオルティス。オルトって呼んでね」


「ん? オルティス? 確か俺らと同い年の領主様のとこの子供もオルティスって名前らしいぞ」


「あ、それ僕だよ。よろしくねー」


「「「えーー!? すみませんでした!!」」」


 3人揃って頭を下げている。不敬罪で処罰されるとでも思ったのかな?


「別にいいよー、同い年なんだし、仲良くしよう!」


「い、いいんですか?」


「気にしなくていいよ! あと敬語もなしで。あ、でも僕以外の貴族には気を付けるんだぞ! 下手したら殺されるからね」


「「ひー!! 許してくださーい!」」


 モブたちがうるさい。


「わかった。よろしく頼む、オルト」


「ああ、こちらこそ、レン」


 そこで突然周りが静かになり、みんな座りだした。僕たちも慌てて近くの席に座った。

 するといかにも神父って感じの人が壇上に立っていた。


「皆さん、本日は鑑定の儀にお越しいただきありがとうございます。そして、5才の誕生日おめでとうございます。今年は領主様のご子息にあらせます、オルティス・ペンドラゴン殿の誕生日に合わせて開催させていただきました。皆様には・・・」


 神父の長い話が始まった。

 どうやら今年の儀式は領主の息子である僕の誕生日に合わせてくれたらしい。なんか悪いねー。

 

 話がつまらないから僕は神父の頭部に微風を送ってみた。やはりヅラのようだ。僕の目は欺けないぜ! 今度はそのヅラに意識を集中して、浮かせてみる。ふわりとヅラが浮いて、不毛の大地となった頭が見えているが、本人は気付いてないようだ。周りはみんな気付いたようで必死にこらえてるが、くすくすと笑い声が漏れている。


「なあ、オルト。あいつの頭見てみろよ」ニヤ


「ああ、ツルツルだな」キリッ


 ブフォッ


 モブA子がふき出した。


「ちょっとやめてよ。真剣な顔して言われたら笑っちゃうじゃない」


「ちょっとモブA子、静かにしないと、ツルツルがこっちを睨んでるじゃないか」


「誰がモブよ! 私はアリサよ!」


「オッホン、では皆さん待ちきれなくなっているようなので、そろそろ鑑定の儀を始めたいと思います。

 では皆さんこちらにお並びください」


 ようやく話が終わったようだ。

 みんなワクワクした様子で我先にと並びに行っている。

 僕はもう結果がわかってるからゆっくり最後でいいや。


読んでいただきありがとうございます。

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