13 冒険者ギルド
今回は冒険者ギルドの受付嬢視点です。
オルティスがオーク狩りに夢中になっている頃、ペンドラゴン領にある冒険者ギルドは何やら不穏な空気に包まれていた。
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ミランダ視点
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ここは魔物の討伐や、調査、その他に薬草の採取や町の清掃など、
様々な仕事の斡旋をするギルドで、ここで冒険者として登録すると、仕事が受けらる仕組みなの。
私はこの冒険者ギルドで受付嬢をしているミランダ。
いつも騒々しいけど、今日はいつもと違ってかなり慌ただしい。
それもそのはず。西の森にオークの上位種がいるかもしれないとの報告があったのよ。
オークは基本、2,3体の群れで生活するものだけど、今回の報告は森で25体ものオークが共に行動していたとの目撃情報だったの。
オークとは、大きくて筋肉ムキムキの二足歩行のぶたのような魔物。
他種族の雌をさらって繁殖行動をするという、ゴブリンとの共通点もあって、全女性の敵よ。ああ、気持ち悪いったらありゃしないわ。ただ、食べるとおいしいのが唯一の救いね。
25体いたということは他にも何十体かいるかもしれないし、そんな大きな集団がまとまっている時は決まって上位個体がいるのよね。オークマジシャンやオークジェネラルなんかがいるんじゃないかしら。
さすがに、数百、もしくは数千の規模をまとめると言われている、オークキングはいないでしょうけど、それでもこの街に危険が迫っていることには変わりないわ。
そこでギルドでは、今すぐ討伐隊を派遣することにしたの。
オーク25体と言えば、余裕をもって討伐するためにDランク以上の冒険者を50人は招集しなくてはならない規模よ。
集まった冒険者たちは、Bランクが3人、Aランクが1人所属する、Bランクパーティ『白銀の剣』と、Cランクパーティが2つ、Dランクパーティが3つで、合計30人だけ。
「ランガさん! 集まったのはこれだけなのか?」
『白銀の剣』のリーダーで、Aランク冒険者のカイトが苛立たし気にうちのギルド長に尋ねている。
「ああ、残念だがこれだけだ」
「くそ、少ねえな」
いくらAランク昇格目前と言われている『白銀の剣』がいてもギリギリの規模でしょうね。
だけど早くなんとかしないと今この間にも繁殖して増えているかもしれないし、他の冒険者を待っている暇はないわね。
「今回は私も同行しよう。準備出来次第すぐに出発だ。」
「そうか、あんたが来てくれるなら、なんとかなるかもしれないな」
うちのギルド長は元Aランク冒険者で、あのドラゴンスレイヤー率いるパーティー『金獅子』の一員だったすごい人なんだけど、王宮からのスカウトを断って今の仕事に就いた少し変わった人。
なんでも、王宮内の貴族の派閥争いが嫌だったそうな。。
午後になって討伐隊の編成が終わり、彼らは西の森に出発していった。
みんな、無事に帰ってきますように。。
思っていたよりも早く終わったようで、その日の夕方に討伐隊が帰ってた。みんな無事なようでなによりね。でもどうしたのかしら、なんか様子が変ね。それに何故か、出発時には見なかった女性が1人増えてるし。
「ギルド長、お疲れ様です。どうでした? うまくいきましたか?」
「ああ、なんと説明したらいいのか。。とにかく、私たちが着いた時にはもう全滅していたよ」
「え??」
「なあランガさん、やっぱりこの子の見間違いだって。小さなガキが1人で殲滅なんてありえねぇだろ」
「そうだな、さすがに信じられんな。現場に残っていたのは生首と血の海だけで、ざっと数えただけでも千は越えていた。しかも上位種のみならずオークキングと思われるものまで混じっていた。あんなものアルフレッドでも1人ではやれないぞ。ましてや子供がやっただなんて、到底信じられん。」
「だよな? おおかた恐怖で幻覚でも見てたんだろ」
「ほんとよ! よだれ垂らしてニヤニヤしてる小さな男の子がやってきて、あっという間に倒しちゃったんだから!」
彼女は駆け出し冒険者のリーシャ。薬草採取に夢中になっているところをオークに捕まり、そのまま洞窟の奥に連れていかれ、体が一回り大きく1番偉そうなオークのいる部屋に拘束された。だが幸運なことに、しばらくすると洞窟内が騒がしくなり、ちょっとヤバい顔した金髪の小さな男の子がやってきて、そのオークキングと思われる個体を瞬殺してくれたおかげで助かったそうだ。
その男の子が立ち去った後も腰が抜けて動けないでいるところを、討伐隊に保護してもらったとのことだ。
「なんだそれは。。新種の魔物か?」
その後、話し合いの結果、魔物同士の縄張り争いによってオークは全滅したとし、詳しく調べるため、調査隊を派遣。
これからしばらくは洞窟付近をギルドが観察するとの結論に至った。
この日の出来事は後に、生首オーク怪奇事件として迷宮入り。
でも人的被害がなくて、ほんとに良かったわ。
謎の新種の魔物は実は神様の御使いだったのかもね!
たまには神様にお祈りでもしようかしら。
読んでいただきありがとうございます。
次話からはまた主人公視点です。お楽しみに―!




