10 初の狩り 前編
「ふぁあーあ。」
ちょっと寝すぎたかな。
この領地は年中春みたいな気候でとっても過ごしやすいから、ついつい寝すぎちゃうんだよね。今日はいい天気だし、外に出かけようかな。
最近のお気に入りは庭の大きな樹の下でのんびりゴロゴロすること。
実は剣術をほとんどマスターしたから、稽古が週に1回に減って暇なんだ。
もう少しで父さんにも勝てそうなんだけどなー。
ステータスは追い抜いたのにまだ勝てない。
やっぱり武功で貴族に成り上がっただけはあるね。
ある日、王都に巨大なドラゴンが襲来。王都の騎士たちでは退治できず防衛に専念していたが、前線も崩れだしいよいよヤバいってなった時に、Sランク冒険者だった父さんが依頼を終えて、たまたま王都に帰還。ドラゴンのことを知った父さんは、すぐさまパーティメンバーと一緒に駆けつけ応戦。最後は父さんがドラゴンの首を落としてなんとか討伐に成功。王都の危機を救ったのだった。
その武功を称えられ男爵となり、以前から恋仲だった母さんと結婚したそうだ。そのため父さんはドラゴンスレイヤーとも呼ばれているそうだ。
なんかかっこよすぎない? どこの物語の主人公ですか?
あの超絶美形な見た目で元Sランク冒険者のドラゴンスレイヤーだよ?
世の全ての女性たちの憧れの的だろうね。王都では父さんを主題とした劇もやっているらしい。
正直かなり羨ましい。
でも男爵になったところだけは羨ましくないね。だって貴族って大変そうだもん。父さんが田舎にいるのもできるだけ他の貴族に関わらなくていいようにするためらしいからね。僕は男爵の次男で爵位を継ぐ必要はないからよかった。どうせ偉くなるならお飾りの王様にでもなって遊び惚けたいよね。
まあ、そんな話はどうでもいいんだよ。今日は外で何するか考えていたんだけど、ある計画を思い出したからそれを遂行したいと思う。僕の生活環境改善計画だ。
第1弾は以前つくったお風呂だ。あれによって僕の理想環境に一歩近づいた。
ただ、あの量のお湯をためられるのが僕しかいないため、毎日やるのは面倒になってきた。
源泉かけ流しの温泉のようにできればいいんだけどな。そのうち魔道具について勉強してみよう。
そして今日は第2弾!!
「美味しいお肉を毎日食べたーい!! いぇーい!! 拍手!!」パチパチパチパチ
あ、レイラ姉さんに見られた。
やめてくれ! その哀れなものでも見るかのような目はやめてください!
癖になっちゃう!
さて、さっそく森にやってきました。
この森はペンドラゴン領地の西の端にあり、あまり凶暴な魔物は出ないため比較的安全だと聞いている。
マップで魔物を探す。そう、このマップには検索機能までついていた。チョー便利。
ゴブリンにオーク、ジャイアントボア、スライム、トレントなんかまでいる。ゲームとかでよく見る魔物がいっぱいだ。
【鑑定】のスキルもマップと組み合わせて使えるから、それぞれの魔物が食べられるかどうかまで判断できるんだ。
ゴブリン 不可。不潔すぎて毒。
オーク 可。なかなか美味。
ジャイアントボア 可。まあまあ。
スライム 可。まずい。
トレント 樹液のみ可。
なんだと? あのジャイアントボアがまあまあ? あれよりうまい肉があるってのか!!
この世界にはどれだけうまい肉があるんだよ!! これは早急に確認が必要だね!
おっといかん、よだれが。
今日はオーク狩りだな!
トレントの樹液っておいしいのかな? ちょっと気になる。
でも今日はお肉狩りの日って決めてるからね。また今度にしよう!
よし、オーク狩りに出発だー!




