表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んだ暴君と殺された王様  作者: 虹色 七音
5/5

指輪

 その後しばらくは大騒ぎだった、というか、今も町ではお祭り騒ぎである。

 そして私は今、自室の窓の下に来ている。

 私の耳には足音が響き、それが何とも心地よかった。

 空を見上げると、綺麗な満月が浮かんでいた。


 私がこんなところに来たのは、探し物があったからである。

 その探し物は、月明かりのおかげで意外に早く見つかった。それは、指輪だ。

 

 その指輪を空に掲げ、考える。

 この先私はどうなるのだろうか、と。


 私が彼らに仲間にしてくれと言ったら、国民は皆喜んでくれていたが、私は人を殺しすぎてしまった。それが消える事はないだろう。

 私は、私が改心したのだからそれですべてが許されるなんて事を言うつもりはない。

 それでも、少しでも償うために生きていこうと思った。

 そして、国民と私との間で信実を築いていきたいと、そう思った。

 まずはこの指輪から始めよう。


 そう決意して、私は歩きだした。














 その四日後、ディオニスは革命によって命を落とした。

 ディオニスの死に顔は、まるでメロスがセリヌンティウスに殴られた時のような顔だったそうだ。

 

 それからの事についてはあまり言う事が出来ないが、一つだけ、言える事がある。



 今、ディオニスの墓前には、たくさんの花がある。


                             end

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ