予感
sin:なん、だと…?
白雪:まぁ理由は単純です。1度にボスと対峙出来るのが3人までなのだそうですよ。
sin:…はぁ。今回も、そんなに面白く無さそうだな…
普段から2人でボス戦に挑む時臣と白雪には、3人目すらも必要無いことは想像に難くない。
むしろ彼らは元々ソロプレイヤーである。
実力的には拮抗した2人がパーティを組んだのは、ただの効率ゆえの話。
sin:まぁ、ファーストドロップでも拝みに行くか…
このゲームでは、どのボスも一番最初だけ特別なアイテムを落とす。
それは武器、防具から蘇生、回復アイテム、果ては名前変更用のアイテムまで多岐に渡り、売ってよし使ってよしのお宝である。
それゆえに争奪戦は苛烈で、もたもたしていては先を越されてしまう。
白雪:そうと決まれば、さっそく向かいましょう。今回も楽な戦いになるでしょうけれどね。
sin:あぁ、そうだな。まぁ一応油断はするな。
何か、嫌な予感がする。
白雪:分かりました。sinの予感はよくあたります。用心しておきましょう。
…こうして2人は、件の迷宮へと転移した。
sinの予感は、見事に当たってしまったのだけれど。