私とクロの物語
みなさん犬は好きですか?
私はとっても大好きなんです。
もちろん他の動物も好きですが…。
ここで皆さんに私ととある犬のの過去の物語をお話します。
〜私とクロの物語〜
私の叔母の家で私が生まれた頃よりももっと前から飼っていたクロという柴犬の犬がいました。
クロは私がまだ小さい頃からずっと一緒でした。
一緒にボールあそびをしたり、庭でお花を見たり、一緒にパンを食べたり、沢山のことをクロと一緒にしました。
時には私の家の庭まで叔母と散歩に来ることもありました。
お庭でワンワンと元気そうにこっちを見ているクロは今でもわすれられません。
私はいつでも元気で一緒に遊んでくれるクロがとても大好きでした。
けどクロには辛い過去があったんです。
クロは、近所の人が飼えなくなって貰ってきた犬でした。
それを叔母が引き取ったのですが…。
クロは黒柴なのですが、とてもクマのように真っ黒で、胸のところだけ三日月のような形の白い毛が生えていました。
そのせいで、沢山の人に「クマだ!」と言われ、石を投げられたり、何もしてないのに逃げられたりしていたそうです。
なのに人を恨んだりもせずにしっぽを振って近寄って来てくれたんです。
そして一緒に遊んでくれたんです。
私だったら人を嫌い、人に噛み付いていたかも知れません。
それなのに人にしっぽを振って来てくれたんです。
そんなに優しい心を持っているクロは凄いなぁ。と今になってとてもかんじています。
私はその時とても幼くて、その話は聞いたことがなかったのでその話を聞いた時とても驚きました
私はその話を知ってからクロがもっと好きになりました。
私が生まれる前からしばらく飼っていたクロはだんだんおじいちゃんになってきました。
私の家の前の階段がだんだん登れなくなってきてしまったのです。
それからというもの、私はほとんど毎日叔母の家に行ってクロのお散歩をしたり、クロと一緒にお庭で遊んだりお昼寝をしたりしました。
いつでもしっぽを振って出迎えてくれました。
そんなクロをみて、私はもっとクロと一緒にいたいな。と今までより思うようになりました。
ある日、お母さんからある知らせを聞きました。
「みー!みーはね、これからお姉ちゃんになるんだよ!」と…。
私はその時ひとりっ子で下の子が欲しいと願っていたのでとても嬉しかったのを覚えています。
その時以来、クロよりもお母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの事ばかりが気になるようになり、あまりクロのところに行くことがなくなってしまいました。
私が赤ちゃんのことを考えている間にもクロはどんどん歳をとっていってあの時よりも動けなくなっていきました。
そんなことを知らなかった私は、幼稚園から帰って来たらすぐにお腹の中の赤ちゃんにお話したり、お姉ちゃんちなるんだといいながら、自分でなんでも出来ると言い張って色々頑張っていました。
弟が生まれる少し前、クロの様子がおかしいということで叔母の家にいきました。
クロは全くと言っていいほど動けなくなっていたのです。
私はその時もっとクロと一緒にいれば良かったなぁ…。と、とても後悔しました。
でもその後悔はもう遅かったのです。
弟がその数日後に生まれました。
その数日後に弟とお母さんが叔母の家に帰ってきました。
弟の寝顔がとても可愛いな。と思う中、とてもクロの事が心配でした。
クロのことを見ているととても胸が苦しくなりました。
その日は叔母の家に泊まることになったのですが、クロの事が気になってなかなか寝つけませんでした。
その日、私はこんな夢を見ました。
クロがとても元気に虹が綺麗に出ている広い草原を駆け回っている夢でした。
夜遅くにクロが小屋をガリガリと引っ掻く音が聞こえました。
5回ほど小屋を引っ掻いたあと、その音は聞こえなくなりました。
その事は今でも鮮明に覚えています。
きっとクロは私たちに『ありがとう』と伝えたかったのだろう。
次の日、私が起きるとみんなが泣いていました。
慌ててクロの元へ行くと、クロはまるで眠っているのかと勘違いする様な感じで息を引き取っていました。
本当はもっとはやく亡くなってしまうかと思っていたのですが、弟が無事に生まれるのを見届けてから息を引き取ったのです。
私はとても大泣きしました。
クロの死がとても辛かったのを覚えています。
クロはもう居ないんだ。そう考えると胸が張り裂けそうでした。
クロが息を引き取ってから、弟はとてもスクスクと育ち、いつの間にか歩く様になっていました。
今でもまだ天国からクロが見守っているような気がします。
暖かな空の中私たちを見ている。そんなきがします。
クロがいてくれて良かった。
過去を振り返るとそんなことを思うのです。
どんな事があっても人を傷つけてはいけないよ!
そんなことをクロから教えて貰った気がします。