CHINBOTU 沈没
シーシェパード許すまじ。
『新種か変異か。パニッ魚ここに参上』邦衛教授、世紀の大発見。
「ジャーップ!」
鯨教シーシェパード本部。
シリアナ艦長が、見事に蓄えた口髭から葉巻を突き出して噴かせた。針金のような硬い腕毛と胸毛。岩のごとき顔を、大胆に斜めに走る切り傷の痕を骸骨のアイパッチでデコレート。男は、濁声を吐いてゆく。
「パニッギョーたぁ。我々の教祖であるサー・パニッシャーを侮辱した名前つけやがって、許せねー豚共だぜ」
「サー・シリアナ」
「なんだ?」
「ジャップ共が、懲りずに捕鯨しています!」
「何だと!」
部下の知らせを受けて、艦長が怒り任せに朝刊を引きちぎった。
「ゆけ! ゆけ、野郎共! 鯨様を食べる愚かなジャップ共を絶滅させて、この地球を我々の物にするのだ!」
「アイアイサー!」
一糸乱れぬ返事とともに、黒い海賊潜水艦グレートホエール号浮上!
水面を噴き上げ白い花を咲かせて、黒い巨体が姿を現した。その先には日本の調査捕鯨船が。
「ガーッハッハッハッハーッ! ジャップ共よ地獄に堕ちろ!」
ポチッとな。
魚雷発射。
一方、万能調査捕鯨船。
「文太船長、奴らのカチコミです!」
「糞メリケンが。血祭りにしてさらせ!」
五分刈りの船長が飛ばした指示の後に、突如発生した虹色の壁により、魚雷は手前で爆発。次は、船体の先が割れて、ワンダバマーチと共にドリルが出現。そして、轟天ミサイル発射。深い青い世界を真っ直ぐと突き抜けてゆき、やがて、敵の防御も物ともせずに本体に激突。
「おのれ、忌々しいジャップ共め。覚えてろ!―――鯨様、万歳!」
浸水してゆきつつ揺れる艦内、けたたましい警報の中、グレートホエール号は爆発した。
そして、海の平和は守られたのである。
漢(完)!!
最後まで、このような話を読んでいただき、ありがとうございました。
いい加減に長編を更新しないといけません。頑張りますので、長編もよろしくお願いいたします。