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零、神のいなくなった世界で、
「失せろ」
不意に神が言いました。
でも、そんな世界でも、
想っていたより綺麗で美しかったのです。
その言の葉が遠い記憶になった頃、
二度目の夜が明けました。
神はもう居ません。
何も言いません。
それでも失せる者が居ました。
どんなに不意だったとしても、
悔いはなかったけれど。
不意に消され、残した未練を、
そんな決意は叶わぬ夢。
目前、消され、苦しみ、叫び、
悲しみ、もがき、力を手にする。
こんな力、僕には要らない。
そんな言葉が響き渡り、
孤独に気付き、諦める。
その悲しい世界の天を貫く、
そんな言葉がまた響く。
これは一人の少年が言い出した、
無知なる友人をも巻き込んだ、
自己満足の物語。