昨日色の空を見て
「まだやりたいことがあるんだ。」 そう呟いた彼の目の光は一度だけ失われた。今は取り戻せているのかもしれない。 「生きたいんじゃない、守りたいんだ。」 その言葉は何度も言葉された。それでもめげずに言い続けた。 「死にたくないわけじゃない。」 何度か枯れたその声は三度目。もう枯れることは無いだろう。 「夢を見たかったの。」 その声は少ししか夢を見ていない、と言っているみたいだった。 悔いを残して死んだ者達がどんな辛い代償だったとしてもそれを乗り越え、辿り着いた場所で、行き違い、決別、そして和解していく。何があっても生きたかった者達の自己満足の為に繰り広げる物語。
零、神のいなくなった世界で、
2017/06/25 10:48