ひたすら書け。
ということで長編に向けてもやっぱり書いていかなければならないわけですが。
前回の『キャラを動かす』ことが出来るようになった人は、ここで大きく二つに分かれるんじゃないでしょうか。
簡単に言えば、プロットを作る人と作らない人。
これは、特にweb小説だと論争の種になるくらい言われることでして、正直正解はないんじゃないかな~と思います。
ただ、書籍化した後とかその前後ですと、プロットを書けるようになっておく方がいい、もしくは練習をしておくといいかも知れません。
と言いますのも、続刊の内容を考えておいてください、プロットがあったら見せてくださいとか編集さんからほいっと言われたりするんですよ。
そんな時に、「いや、プロットは書かない主義なんで!」と言ったらどうなるか。
……実はこれも編集さん次第なところがあるっぽく、私の場合は「プロット書かないのならそれでもいいんですけど」みたいなことを言われましたので、なしでもオッケーっぽいです。
私はプロット書く派なので、書いて出しましたけども。
多分編集さんの方でも、プロット書かない派の人もいることは把握されてるんでしょうね、対応とか見てると。
ただまあ、あちらからすると大体こんな流れになる、というのは事前にわかっておきたいところでしょうし、全体通した軽い粗筋、程度のものを提示するくらいは出来た方がお互いwin-winじゃないかな~と思う次第です。
事前にわかっていたら、早い段階で『ここはもうちょっとこうしてもらった方が』とか『ここにもう一つ山場が欲しいです』とかあちらもリクエスト出来ますしね。
で、先程書いたように私はプロットを書く派でしたから、まずプロットを準備しました。
なお、大学時代から長編を書いて『小説家になろう』に投稿するまで、随分と間があります。
就職を機に、しばらく創作から離れていたんですね。
色々あって投稿することにしたのですが……十年以上延々長編のプロットを練っていたとかそんなことはないですので、そこは誤解なさいませんよう。
ともあれ、長編の作品を書き始めました。
それが、小説家になろうに投稿した『暗殺少女は魔力人形の夢を見るか』という長編でございます。
これがまあ、見事に売れ筋から外れておりまして。
ジャンルこそハイファンタジーとメジャーなジャンルだったのですが。
・ハイファンタジーで女性主人公
・百合
・チートで活躍するタイプではない
・ハーレムでもない
・百合
・基本的にはダークめ、重めの世界観
・便利なストレージなどはなく、お手軽感がない
・百合
などなど……流行のタイプとは真逆までは言いませんが、かなり外れていたと思います。
いや、私の中では百合はメジャージャンルなんですが! むしろ覇権なんですが!!
こんな世界間違ってる!!!
……と主観では思いつつ、客観的にはやはりまだまだメジャーとは言えないジャンルではあるかなと。
今年は百合アニメも増えて、いい一年でしたが……投稿した五年前はまだまだ、という状況。
そんな中で投稿した本作、一日目のPVは88。
初投稿としてはそんなものかな、むしろ多いかも、なくらい。
そこからじわじわPV突破が増えて、五日後には800PVといきなり増えます。
多分一瞬だけランクインした時かな~と思うのですが。
それから数百程度のPVが続き……一か月経とうかというところで、いきなり2800 PVに。
そこからまた下がって、1000PVを越えたくらいで推移。
今思えば、書籍化する勢いのある作品のPVではないかと思います。
ただ、じわじわブックマークとポイントは伸びていきました。
多分、最初の三か月ほどは毎日更新していた、というのがあるかと思います。
それ以降も、二日に一度更新していましたし。
定期的に更新していると、やはり知らなかった人の目にも時々触れていくという効果は期待できます。
だから、ひたすらに書く、というのは効果があるんじゃないかと思うのです。
例え、直接的に書籍化へと繋がらなくても。
ちなみに、他にも読まれるための努力をしていました。
例えば、後書き。
この『暗殺少女は魔力人形の夢を見るか』、第一話の後書きはこうです。
『少女を出迎えたのは、悪党だった。
人を人とも思わない死の商人と、自分を人と思わない少女は何を思うのか。
次回:「ゴースト」と呼ばれる少女
暗殺少女は、夢を見ない。』
おわかりいただけますでしょうか。
後書きで次回予告をしたんですね。
これ、PVの動きを見ていると、どうも一話で切られることが結構あるな、途中で読まれなくなることがあるな、ということに気付きまして。
どうするか、と考えて出した対策でした。
結果として一話切りは減ったように感じましたし、ちょっとPVが増えた実感はありました。
また、これにはもう一つ副次的な効果も出まして。
この次回予告を、そのままTwitterでの宣伝で使ったのですね。
Twitter、今はXですが、やってらっしゃる方はちょっと思い出していただきたいのですが……小説系アカウントの方をフォローしていると、小説の宣伝・告知のポストがよく流れてきませんか?
そして、それを見て、読みたいと思ったこと、どれくらいあります?
私は、告知を見ても、どうもピンとくることがなかったのですね。
雰囲気がわからない。読みたい内容かわからない。
そうなると、読みたいと思う気持ちが中々湧いてこない。
いわゆるなろう系が長文タイトルになるのも、雰囲気や内容を伝えるためとはよく言われます。
これが短文のタイトルで、ついてる文章が『読んでください!』だけだと、私は読む気になれなかったのですね。
当然それは、他の人も同じように思う人もいるはずで。
なので私は、先程の次回予告を付けて告知・宣伝をするようにしました。
『なんだこれは?』と思ってもらえたら儲けものと思って。
既に一度考えた次回予告ですから、Twitterに載せるのも大した手間ではありません。
140字以内に収まらない時にちょっと改変するだけですから。
結果、「Twitterの宣伝文が気になったので読みに来ました」と言っていただけたことが数回ほど。
わざわざ言ってくださる方が数人もいらっしゃったなら、実際に読んでくださった方は十人くらいはいるはず。ポジティブに考えて、ですが。
他にも、『RTした人の小説を読みに行く』タグに参加したり、Vtuberさんの読書実況に応募したり……読まれる努力は色々したように思います。
ただそれも、読むものがないと意味はありません。
なので、書きました。
ひたすら書きました。
途中でもう一本連載を始めて、それと交互に二日に一回。
実質毎日更新してたような感じですね。
章の終わりやお盆、正月にはお休みをいただいたり、一時期スランプに陥って書けなくなったりもありましたけども。
ともかく、ひたすら書いて、なんとか走り抜けました。
一年半近くの連載期間で文字数にして72万字。
完結時にはブーストもかかり、確か総合評価で6,000ポイントを超えるとこまでいったと思います。
初投稿、売れ筋から大きく離れたタイプ、でこの数字は頑張ったんじゃないでしょうか。
2023年12月9日現在で、ブックマーク2,530、総合評価8,732。
私に書ける色々なものを詰め込んだこの作品、私の代表作と胸を張って言えます。
ただ、書籍化はしませんでした。
厳然たる事実としてそれはあります。
では一年半近くかけたことは無駄だったのか。
そうは思いません。
この連載を通じて得たものは、確実にその次、さらに次へと繋がっていったと思うからです。
これが前回言った、書籍化してないからといって無駄にはなっていない、ということでして。
単に得がたい経験を得た、というのもありますが。
それ以上に、目に見える形として得られたものがありました。
次回はその辺りに少し触れたいと思います。