色々変なおじさんの書籍化
私、普段ペンネーム鰯づくしで書いておりますが、この度男女もの用ペンネーム『鯵御膳』名義にて商業書籍化デビューいたしました。
それも、47歳というおっさんもおっさんな年齢で。
いやもう、ほんとありがたいことでございます。
とはいえ、50歳で漫画連載デビューしました、なんてポストをX(旧Twitter)で拝見したりもしておりますので、47歳くらいでそれがどうした、と言われればそうなのですが。
まあでも、若いうちじゃないとデビュー出来ない! と言われることも多いわけですが、そういうわけでもないよ、という反例の一つにはなれたんじゃないかと思います。
あくまでも一つであって、全体的な傾向としては『やはり若いうちに』というのはあるのかも知れませんけれども。
それでも、『絶対に』でもない、とは言えるんじゃないかと思います。
また、年齢が年齢だけに、仕事をしながら合間を見て書いてのデビューとなりますので、『書く事に全てを捧げなければいけない!』なんてこともない、とは言えましょう。
これに関しては、善し悪しと向き不向きはあるんじゃないかなと思います。
私は明らかに、全てを捨てて小説のことだけ考えてたら書けないタイプでしたし。
むしろそうなったら書けなくなる、まであるんじゃないかと。
というのが、時間に余裕があると逆に頭が動かない、やる気が出ないんですね。
頭から緊張感がなくなるというか。
そんな状態で、集中力が出るわけもなく。
それから、なんというか心の栄養が足りない状態になるな~とも思っています。
よくインプットが大事と言いますが、私の場合それは、小説の知識やネタを入れるといういみだけでなく、心の栄養、エネルギー源を入れる役割があるのかも知れないなと。
だからか、ジャンルに全く関係ないアニメや映画を見ると、急に創作意欲が湧いてくることが多いんですよね。
なので、私は仕事のために外に出たり、執筆の時間を多少削ってもアニメを見たり漫画読んだりのインプットが必要な人間かなと思っています。
多分、小説を書くだけの日々を送り、止まりがちな指を無理矢理動かしてても、どんどん身も心も細っていくばかりだったんじゃないかなとも。
実際一時期ありましたしね。書きたいっていう気持ちばかり先走って、文章が全く浮かんでこないから指は動かない、みたいな時期が。
その頃書いた文章は、我ながら荒れていたというか無理矢理出してた感があるというか。
……まあ、そういう文章の方が読者の方からはスムーズに読めたと言われたりするのが不思議なものですが。
こんな感じで、ちょっと変なタイプの書き手かも知れない私ですが、もう一つ変わったことがありまして。
今回のデビュー作、実は二作連続で出していただけました。
なんのこっちゃ? と思われるでしょうが、同時期に別々の出版社様からお声がけをいただきまして、書籍化作業も同じようなペースで進み、十一月と十二月の二ヶ月連続で刊行していただくことに。
なので私の中では、この二作がデビュー作その一その二だったりするわけです。
いえ、それ自体は多分、前例がないわけではないと思うのですが。
三本立て続けに出してた方とかいらしたような……?
何が変わっているかと言いますと、その中身。
その一、「人質姫が、消息を絶った」
・主人公は男性で、戦争の武勲で子爵まで昇進した騎士
・ヒロインは敗戦国の王女で、人質同然に送られてきた
・政略的な意味合いで結婚することになったが、段々二人の距離は近づいていく
こんな感じでございます。
その二「肉と酒を好む英雄は、娶らされた姫に触れられない」
・主人公は男性で、戦争の武勲で子爵まで昇進した騎士
・ヒロインは敗戦国の王女で、人質同然に送られてきた
・政略的な意味合いで結婚することになったが、段々二人の距離は近づいていく
こんな感じでございます。
……おわかりいただけましたでしょうか。
めっちゃ被ってます。むしろ被りまくりです。
というのも、この二作品を書いたきっかけが、某先生の某作品。
私の中ではかなり好きなお話でして。
それをアイディアの元にして最初に書いたのが人質姫の短編版。
その次に書いたのが「肉と酒を~」なわけです。そりゃ被りもしようというもの。
この話には一つ教訓があります。
・一人の作者が
・同じ時期に
・同じテンプレで
という条件があっても、二つの作品は全く別の話になり、異なる出版社様からお声が掛かって書籍化されました。
つまり、一つのネタから生まれたものでも、そう簡単には同じにならない。
少なくとも私はそうでした。
実際、web版も読んでくださっていた方が、「あとがき読んで初めて気付いた」とおっしゃってるくらいですから、全くの別物になったと言っていいのではないかと思います。
であれば、他の誰かとアイディア被ったところで同じ作品になる可能性は極めて低い。つまり書籍化に大した影響はないのです。多分。
だから、『斬新なアイディアを考えつかないといけない!』というわけでもないんじゃないかと。もちろん、斬新なアイディアで目を引けたらより良いことは確かですけども。
とまあこんな感じで、巷で言われる『書籍化するにはこうじゃないといけない!』みたいなあれこれからは結構外れた人間と作品が書籍化したケースになっております。
もちろん『書籍化するにはこの方がいい』みたいなことはあると思いますので、参考にするのは十分ありだとも思います。
ただ、『これは自分に向いてないな』と思うのは無理に合わせなくてもいいんじゃないかと。
守らなくたって、『だから自分は書籍化出来ないんだ』なんてことはそうそうないはず。
私がそういうセオリー的なものから外れても書籍化出来たんです、あなたに出来ないはずはない! 多分!
とか無責任な応援入れたりしつつ。
もしもあなたが書籍化したいならば、そういう『こうじゃないといけない』『こうするべき』に縛られるよりも、こうした方がいいんじゃないかな、と私が個人的に思うことをお伝えしましょう。
まず、作品投稿後24時間以内に200~300ポイント獲得します。
……え? まず、で言う内容じゃない?
でも、私が書籍化出来たことの要因って、半分はこれだと思ってるんですけども。
いや、半分は言い過ぎかも? 一割くらいかも知れません。
そして次に、祈ります。伸びろとひたすら祈ります。
これが残り半分、もしかしたら九割くらいです。
解説しますと、200~300ポイント獲得出来ましたら、総合日間ランキング100位付近に入ることが出来ることが多いかと思います。
すると、人目に付きます。
後は目に留めてくださった読者様の好みに合うこととポイントを入れてくれることをを祈ります。
こうすれば、ポイントが伸びることもあります。
特にジャンル:異世界恋愛ではこの効果が大きいことが多いです。
はい、全部不確定です。伸びないことももちろんあります。
なお、特に効果が高いと思われるのが異世界恋愛の短編ですが、それをご存じの方もおられるでしょうし、『それで書籍化出来るのか!?』というご意見もあるでしょう。
そこは大丈夫です。
書籍化した私の二作品、両方とも最初は短編でした。
短編の時点でお声がけいただいたり、短編が好評だったから連載化したらお声がけいただいたりと経緯の違いはありましたけれども。
また、こうして伸びたことでコミカライズアンソロジーにお声がけいただいたりもありましたので、書籍化へのステップとして短編は決してバカに出来たものではない、かも知れません。
ちょっと話がずれましたが。
24時間以内、正確には投稿後24時間以内に行われる最後の集計までの20時間くらいでしょうか、その間に300ポイント取れるようになれば、書籍化の確率はぐっと上がるんじゃないかと経験則的に考えております。
後単純に、モチベーションも上がりますし。
じゃあ、どうやって300ポイント取るのか。
そのためにはこうした方がいいんじゃないか、こういうのが役に立ったんじゃないか、という経験則とその考察を連載形式でつらつらと書いていこうと思っておりますので、もし興味を持っていただけましたら、お付き合いいただければと思います。