第3話 出会い
<独房?>
「お…………い…………」
「お……い……」
「「おーーーーい!!」」
「びゃっ!?」
声がしたと思い少しづつ目を開けていったら急に大声がするもんでビックリした
「やっと起きたーー!」
目の前には可愛らしい黒髪ショートヘアの女……?がいた
「起きて早々悪いが何故俺は見ず知らずの女子と一緒に独房にぶち込まれてる?」
当たり前の疑問だ
まずはそれを解明しなければ何も始まらない
彼女からはその答えが真っ先に聞けると思ったが――
予想外の返事が帰ってきたようだ
「男だけど」
「は?」
「だから僕、男。アイアム男」
「は?」
「…………」
「えぇえええぇえええぇぇぇぇえぇえ!?!?」
割と一瞬思考が停止しかけた。
***
「で、話を整理すると俺が突然担架で運ばれてきて突然看守に一緒に暮らせと? 」
「そうそう」
そういえば肝心な事を聞いてなかった
ここはどこだろう?
「ていうかここはどこだ? 」
「あぁ、まだ言ってなかったね」
「ここは監獄アスカロン。マラヤ王国の敷地内だよ」
「マラヤ王国?聞いた事ないな」
「まあ、そりゃそうだよね」
聞く話によるとマラヤ王国は知名度がかなり低く、その知名度の低さと戦略の未知数さを利用し奇襲戦法を取っている国なのだという。
「そういえば俺が倒れた時に黒い花火を見た気がするんだけど何か知ってる?」
「あーそれね。随分前に看守から聞いたんだけどあれは撤退のサイン」
「まあ、サインは国によって違うだろうけどあれがマラヤ王国のやつだと思ってくれれば! 」
国によって違うからそういうものだと捉えるのが早い
しかし覚えていてもしょうがないから記憶の片隅にでも放置しておこう。
しばらく話しているとフライパンを持ったくるくるしたヒゲをした太った大男が現れてフライパンをカンカンカンカンと叩く
「喜べ豚ども! 飯の時間だ、メシ!」
次第にそれぞれの牢の看守が鍵を開け囚人たちを外に解放する。
「……新入りか。ついてこい」
看守に手錠をつけられどこか(おそらく食堂?)に誘導される
***
<マラヤ暗殺隊 隊長室>
デスクで何やら書類を書いている
青髪のロングヘアの男、サンクシン。
あの時は仮面をつけていたが、彼は間違いなくアレンにカレンを殺させた張本人だ
彼が書類を書き連ねていると静粛な彼のマイルームにコンコンと誰かが扉をノックする音が響く
「……入れ」
「失礼しまーーす!!」
その人物が隊長室に入るとサンクシンはバツの悪そうな顔をしてその人物に問いかける。
「ノックのしてこなかったお前がノックをして入ってきたのは褒めてやる」
「しかし、二回ノックはトイレノックだ。弁解はあるか?ミヤ」
「いえ、生憎弁解なんてもんは捨ててきました」
「潔く認めて次気をつけますわ」