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払雲花伝〈ある花人たちの物語〉【塵積版】  作者: 讀翁久乃
 越境画師・蒐【 秘密の匂わせ裏話1 】
68/194

◍ 動く描写


『ある花人たちの物語』の、ちょこっと裏話(番外編)です。表のエピソードを違う視点(登場人物)で書き、秘密めいた部分に若干触れてみます。

よろしければ表と裏、併せてお楽しみください。










             翠霞漂う深い深い渓谷に、

           翼人や猿人の飛び交う影が見える。

        彼らは八雲の如き樹冠から、飛花を降らせている。

           

       


        

          ――――  額縁の中で  ――――







 世の中には、様々な蒐集家コレクターがいる。


 陶器、刀剣、宝石類。

 珍しい酒、玩具、昆虫、動植物。

 そして、絵画などの美術品。


 いずれも、蒐集家たちは自分だけの特別な空間――壺中天にそれを飾り、悦に入る。


 だが、ここに少し変わった蒐集家がいる。

 彼は世界各地を旅し、風景画を自ら描き集めている。

 それを画集や絵巻物、屏風に仕立て、芸閣うんかくの壁一面に設けた書架に溜め込んでいる。


 砂漠の向こうの緑地。

 断崖一面に流れる瀑布。

 見渡す限りの花筏はないかだと水中の神殿。

 白鷺しらさぎが群れる平原に散在する水鏡みなかがみ

 そして、暁光に染まる雲海から突き出す厳かな山頂――。


 いずれも観賞するためではない。すべて、ある目的のために描き上げた。


 風景の蒐集家。彼の画は




   “越境画” と呼ばれている―――。






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