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悪役お嬢な俺登場!  作者: 仮のかり
6/13

6:あほな人

「えっと…それで、なんだっけ

シュジンコウだっけ?」


戻ってきたエルメスは両手いっぱいのお菓子を抱えていた

…おトイレ行ったんじゃなかったっけ…?


「ぅん、ゲームの主人公

とりあえずゲームの他のキャラに会ったら何かしら情報があるんじゃないかなって…。」

「?」


礼儀作法も何もないお茶会時に起きた事故のせいかぎこちない会話が続く


「…ずっと思っていたんだけど、ゲームってどういうこと?」

「ん?」


「何?」じゃなくて「どういうこと?」なのか?


「…もしかしてここにも認識の差があるのかな」

「多分…で、どういうこと?」


改まって言うとなると中々言葉は出てこない

電気がエネルギーという概念すらなさそうな世界だ

説明するにも骨が折れそうだ

あれやこれやと考え全く話さなくなった俺の代わりにエルメス君が話し始める


「…一応、こっちの世界のゲームは試合って意味だよ

決闘って言った方が意味は伝わりやすいかな」


なるほど今で言うスポーツのゲームみたいなもんか

…決闘がスポーツってくくりにいれていいかは置いといて


「こっちでは…娯楽のために使われているんだけど…。

なんというか…その、そう!本だ!本

本のキャラでカッコいいとか優しいとか思うだろ?

あれをより身近に体験する遊びみたいなもの」


どうだ?割とわかりやすく説明したつもりなんだが


「…僕、アシクレア様以外興味ないからわかんないや」


せやった!

…ん?じゃあ


「じゃあ!アシクレア様みたいな人が本に出ていて、その人と恋愛する遊びだよ」


よし、これでアシクレア大好きっ子にはわかっただろ

したり顔を彼の方へ向けてみる

…なんか顔赤くない?


「な!?

あ、あなた、恋愛を、遊びって…!

ふ、ふしだらですっ!」

「ちがーう!

あくまで相手は現実にいない存在だから!

それに恋愛する遊び!

本気の結婚とか考える人はいないんだから…。」


ま、たまにガチの人はいるけど

それはそれこれはこれ

…というか顔がずっと真っ赤だな

割と恋愛に関しては初心なのか?


「な、なるほど…。

そういうことなのか」

「そう!そしてアレクシアちゃんがその遊びの主人公!

言っちゃえばヒロインだ」

「…アシクレア様じゃないの」


ブスッとした顔で返す


「そらまぁ…うん。」

「…あの人は性格いいし、話も聞いてて面白いのに」


彼女の傍で支えてきた彼としては納得いかないのだろう


「アシクレアはどっちかっていうと攻略される側だよ」

「こう…りゃく…?」

「あぁ、恋愛感情がマックスまできたらヒロインと結ばれるんだ

そして結婚できたら晴れて攻略完了ということ」

「…なんか遊びだったり戦で例えたりと恋愛感情を粗末に扱ったものだね」


さらにムスッとした顔になる

そりゃそうか

客観的に見たら乙女ゲーってなんだこれってなるもんな


でも


「俺は本気だったよ」


他のユーザーさんと一緒にまれっちのためにつぎ込んだお金と時間は手を抜いたりしていなかった


「好きなやついるんだけど、元の世界ではそいつのこと四六時中考えててさ

その時間は楽しかったしマジで好きだったのも確かだよ」

「…あなたにもそんな人いたんだ」

「っつってもゲームだしな

他の人からしたら阿呆らしいけどさ」

「…いいんじゃない?

僕はそういうアホな人は嫌いじゃないし好きだよ」


年下に慰められるってどんな状況だよ…。


「…何考えてるか大体予想付いてるから言うけど、僕は慰めてなんかいないよ


本気で言ってるから」


いつのまにか距離を詰められていたのか顔が真正面まで来ていた

本当に端正な顔立ち

男でもキュンときそうな見た目

でも


「そういうこと誰彼構わず言うんじゃないよ」


近づいていた顔にデコピンする

年相応にイテッと言って額を抑える


「例えこの場にまれっちがいなくても俺の心はいつもまれっちにあるから軽傷だったけど他の女の子だったら割とキュンときちゃうからな〜」


さて!アレクシアの所在を探りますか!と元気よく部屋を飛び出す




「…本気で思ってるから言ったに決まってるじゃん」


自分で呟いた言葉の意味も分からずただ漏れ出ていた


一人部屋に残された少年の言葉は誰に聞かれるでもなく消えていった

強いて言うなら自分自身にだろうか


何も知らないはずなのに飛び出した主人を追いかけるために彼は立ち上がった

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