オレ・誕生(2)
「痛翔オレ」のまもなく両親となる男女がいます。
場所は医療市にある産婦人科のある病院で2人はそこにいる。
その病院の外観は至ってシンプルで皆様が頭の中で思い描いている一般的な病院で5階あるものを想像していただければ幸いです。
2人がその病院を選んだ理由もこの病院と同じでシンプルでただ住んでいるマンションから近いからという理由。
現在の痛翔が住んでいる家はこれより後に買った為、過去回想の痛翔の家となる所はこのマンションだ。
このマンションは外観は綺麗で中もそれなりに綺麗だ。
痛翔の親となる2人は大学時代、仲間と先生とあるサークルで偉業を成し遂げとんでもない金額のお金を手に入れたがそのお金は貯金し滅多な事が無い限り使うのを控えようと2人は考えた。
他の大学の仲間達はそれぞれ様々なお金の使い方をした、ある者は道場を立て直したり、ある者は実験の資金にしたり、ある者はある特別な学校を建てたりと色々な使い方をしているがその事が原因で破綻した者は1人もいない。
ともかく痛翔の後に両親となる2人の同じサークルに所属していた仲間達は全員家庭を持ち今も慌ただしいが幸せに暮らしている。
この詳しい話はいつか何処かで出来ればやります。
では話を無理やり戻しましょう。
先程の2人が今病院の何処にいるかと言うと、その病院の3階にある分娩室から声が聞こえる。
「あなた!私もう直ぐママになるね!」
と茶色いショートヘアーの女性が言い。
「ああもう直ぐママになるだぞおまえは!」
と赤い髪の眼鏡をかけた男性が言った。
「旦那さんも奥さんもそんなに興奮しないでもっと気楽にいきましょうね!」
そう2人に40代のベテランとも言える貫禄を持った看護婦の人が声をかけた。
「それに奥さんあなた、十分払えるのに出産の痛みを和らげる薬を使わなかったけど本当にいいの?」
「ええ極力主人とはいくらお金があっても滅多には使わないと決めていますので」
「ああそうなんですよ妻は陣痛も出産も痛みがあってこそ、その分我が子を愛せると言って薬を拒みましたからね!」
「そうだったのね。あなたもう立派なお母さんよ」
「はい別に痛みを和らげる薬を使ったからって我が子への愛情が弱まるとは考えていないし信じているわ。でも私はお腹を痛めて産んでこそより命を感じれてより多く我が子に愛情を注げると思うの」
「本当に立派なお母さんだ事本当に良かったわね~」
と言い看護婦さんは痛翔の母親となる女性の大きなお腹に向かって語り掛けた。
2人はそれを微笑ましく見ていた。
その母親のお腹の中で今まさにあり得ない事が起きていた。
後に痛翔オレとなるその赤ん坊は母親のお腹の中ではっきりと目覚めた。
普通はあり得ない事などだが意識がはっきりして自分が何者かでどういう状況かという事も分かりその事が一般的にあり得ない事だという事も分かった。
更にその赤ん坊の前に綺麗に黄色く光る丸い物体が近づいて来た。
蛍を想像してもらえばいいでしょうがその光は蛍よりも断然大きく、大きさが野球ボール程あった。
それがどんどん近づいて来てそして顔の前5㎝の所まで来ると止まった。
何故だか赤ん坊はその光が怖い者や敵だとは思わなかった。
寧ろ暖かさや心地よさなどを感じた。
するとその光る物体が赤ん坊の脳内に突然話かけて来た。
{どうもお初にお目にかかります私は分け合って今はこんな姿ですが本体は貴方の母親になるこの方のお腹の中の外で待機していますナイトールと申します}
赤ん坊は初めきょとんとしていたが同じくナイトールの脳内に話しかけた。
{あの・・・ナイトールさんと言いましたよね貴方にお聞きしたい事がたくさんあるのですがまず1つに・・・}
{はい何でしょうか?}
{何で俺普通に喋ってんだーーーー}
{はい?}
{いや脳内に直接語り掛けてるから普通じゃないか・・・・・そういう事じゃなくて、俺まだ生まれても無い赤ちゃんだよ目だって開けれて無いんだよていうかこれを自覚している時点でおかしいんだよ}
{お父様と同じで赤い髪がよく似合ってますよ!}
{質問に答えろーーーーーー(怒)}
怒りと殺意を僅か0歳でそれも母親のお腹の中で覚えた痛翔であった。
その怒りを感じとったナイトールがやれやれといった感じで仕方なく説明し始めた。
{では順を追って説明しますね。まず貴方が脳内で喋れたり出来ているのは私のお陰で、そもそも人間で赤ちゃんで超能力を使う赤ちゃんなんてせめてでも生まれたあとですよ}
{ん?待て赤ちゃんが超能力を持つ自体は普通じゃないのか?}
{ん~少し前ならあり得ない事でしたが今の外の時代では不思議じゃありませんね!}
{えっ?一体外はどんな世界何だ気になって仕方がない}
痛翔が食い気味にナイトールへと尋ねるとナイトールはもったいぶりながらこう言った。
{それは生まれてからご自分の目で確かめた方が楽しみが増えるのではないですか?}
その事を聞いて痛翔は確かにと納得した。
そしてナイトールはそう言えばと思い出したように話を続ける。
{そう言えば貴方の知識は2022年より前のものでしたね。道理で今の外の世界の情報が一切無いようですね}
{一体何の話をしているんだ?}
{そこも説明しなければなりませんね。まず私は何処から来て何者なのかを教えなければならないですね}
{ああ}
{それではまず私の正体ですが今の世界が出来るよりも前の人類が発明した最新鋭のロボットです}
{なっ!今自己紹介の合間にとんでもないこと言わなかったか!}
驚愕の事実を言われて頭が混乱する痛翔。
しかしナイトールの話は続く。
{そうですね自己紹介で私か何者なのかだけでなく何処から来たかも言ってしまいました。私は今、外の地球いえ宇宙いえ世界を創った研究者の1人の博士に発明されました、あ~貴方に知識を与えたのも博士です}
{おいおい勘弁してくれよそれっていうとあれかその研究者は神様だって言いたいのか}
{貴方や外の世界の人達にとってはそうでしょうが厳密には違います。厳密には今の外の世界を「新世界」と表しますそして博士は「旧世界」に生きた、ただの人間です}
{俺達と同じただの人間?}
{はい確かに科学力こそ雲泥の差程ありますがただの人間に変わりありません}
その科学力がどれ程なんだよと痛翔は思ったが黙ってナイトールの話を聞く。
{「旧世界」の世界は豊かで平和と聞いてました。しかし滅びの時は突然来たのです、どこかのいかれた研究者達が世界を自分の物にしたいと考え戦争を始めました、戦争は激しさを増しましたがリーダー格となる研究者を捕らえる事により一先ず戦争は収まりましたが研究者達や人々は不安が募りました、いつ今回みたいな事が起きるか分からないこの世界が滅びる前に何とかしなければと考えた結果自分達で戦争の無い世界を創りそこに移り住もうと考えた、世界だけではなくそこに新しい生き物や人間・物質・宇宙・星などを創るという一大プロジェクトを開始した}
{へ~なんか面白くなってきたな~}
痛翔はまるで、一大巨編の映画を見ている様にナイトールの話を聞いていた。
その後もナイトールの話はどんどんとエスカレートした。
{ある研究者は言いました}
そうナイトールが言うと痛翔の脳内にそのプロジェクトの会議映像が浮かんできた。
その映像は男女合わせて20人位の研究者が大きな白くて丸いテーブルに集まり会議をしている映像だった。
(「俺達旧世界の人間はさあ、死んだら平等にまた別のものに生き返るけどさ新世界の人間には悪い奴が死んでから行く場所といい奴が死んでから行く場所を分けねえか」
「いいねじゃあ悪い奴が死んだら地獄っていう所でいっぱい罰してもらって次生まれて来る時に悪さしない様にしようぜ」
「でも皆が皆死んだ後の事を覚えていたらパニックにならない?」
「それもそうだねじゃあ記憶が残るのは地獄に行ったもので滅多にいない事にしよう」
「あと科学の反対のものを創るってどうだ」
「科学の反対のもの?」
「そう例えば俺達もゲームでよくやる魔法とか」
「なっ魔法はフィクションだぞ!」
「だから創るんじゃないのかしら」
「あと死んだ者お迎えに来る奴も必要だよな~」
「よし死んだ者をお迎えする神だから死神ってどうだ」
「いいんじゃね」
「じゃあ人を蘇らせる死神も1人くらいいてもいいんじゃないかな~」
「いやそれはどうだろう」
「それは無いな」
「う~ん良いと思うだけどな~」)
映像が一時中断しナイトールが話す。
{などと色々意見は出るものの肝心の戦争を無くす方法がどうしても出て来ない悩んだ末要約1人の研究者がある画期的なアイデアを思いつくのです}
そこで痛翔は自信満々に答えました。
{わかったーその研究者がお前の言う博士何だろう!}
{いえ博士このプロジェクトには参加せず自分の研究をせっせとやっていましたのでこの話には今の所何の関係もありません}
{ダメ博士じゃん}
{え~それは認めますそれでは話の続きをします}
そう言うとまた映像が脳内に直接浮かび続きを見せ始める。
(「そうだよ戦争の兵器に一般人が勝てばいいんだよ」
「え~でもそれじゃあその勝った一般人がまた戦争を起こすかもしれないぞ」
「だからそうさせない為に戦争をする者には反応せずただの石になってしまう強力な原石を創ればいいんだよ」
「成程それは明暗だ」
「ただそれはある程度文明ができるまでは意味をなさなくてそれまでは争いや戦争が絶えず起こるだろう。だがこの方法で行けばいつか戦争は完全に無くなる勿論、悪は滅び無いが戦争は無くなるそして戦争が無くなった所を見計らって我々もこっそり移り住めばいい」
「そうなる様にこの旧世界と新世界の時間の流れを違わせればどうでしょう」
「おーそれはいいなこの旧世界にいたら新世界の、その時代まであっという間に流れるようにしよう」
「待つのは嫌ですもんね」
「その通り、さっ早速取り掛かる事にしよう奇跡の原石を「エレニウム」を作る作業に」)
そして映像が終わりまたナイトールが話し出す。
{そうして無事に奇跡の原石「エレニウム」は完成し今の外の時代に広く広まり今では戦争は研究者達の願いの通りこの世から消滅しましためでたしめでたし}
{つまり今このお腹の外の世界は戦争は無く平和でその「エレニウム」っていう凄い原石が存在しているって訳か!}
{はいその通り}
{マジかやっべこりゃ生まれるのが楽しみになってきたぜ}
こっちがマジかだわ今まで黙って聞いていたけど旧世界やら神様の正体やら世界創生の秘密やらなにより「エレニウム」の誕生の瞬間まで聞けてこっちが驚きだわ。
大丈夫ですか読者の皆さんついてこれてますか。
しかしと続けナイトールは話を続ける。
{戦争は無くなりましたが先程も話した様に悪は滅んで無く絶対の平和とは言えません}
{それどういう意味だよ}
{今から話す事こそ貴方に本当に話しておかなければならない事なのです。「エレニウム」ができて研究者達は大喜びしました、しかし喜んで無い者もいましたその者こそ戦争を起こした研究者の部下だった者です}
{成程恨みを持っていたという訳だな}
{はいその通りです。ところで私を開発した博士を覚えていますよね}
痛翔は勿論覚えていると言いしかし何故今頃その博士が関係するんだとも言いました。
{それは博士がエレニウムの開発プロジェクトにも参加せず研究していたものに関わっているのです。その研究とは、博士は未知のウイルスを排除する研究をしていたのです。戦争の次に何が恐ろしいか考え博士は未知のウイルスが脅威になると考えた、しかしこの研究を悪用する者が現れたのです}
{わかった今度こそ当ててやるぞさっきの部下だろう}
{はい今度は正解です}
痛翔は良しと心の中でガッツポーズをしナイトールの話を聞く。
{その部下が博士の研究していたものとは真逆の未知の病そのものを創ってしまったのです}
{成程お前の言う博士は未知のウイルスを根絶する研究、そして反対に部下はその研究を逆手に取って未知の病を開発したと、でも何で博士は気付かなかったんだ?}
その事を聞くとナイトールは先程と打って変わって怒りを露わにしながら言った。
{その部下はこともあろうにあの戦争起こした研究者が捕まった瞬間あろうことか博士の助手になったのです。最初は怪しんでいた博士でしたが研究を進めていく内2人で発明するのが楽しくなってきましていつしか友情が芽生え始めました。博士は周囲から変わり者だと言われ無視されてきましたからよっぽど嬉しかったでしょうなのにそれが全て嘘だったんですからね}
そう言ったナイトールは雰囲気が人でも殺しそうな雰囲気だった。
{そこまで怒りを露わにするんだその博士は一体お前にとってどういう人物なんだ}
{簡単に言えば親です。それも父親です}
{父親?博士は男だったのか!じゃあ母親は?}
{いません博士にはお付き合いしている女性の方はいませんでしたので・・・そうですよ博士の横に恋人がいたらあんな事にはならなかったんですよ}
ナイトールはまた怒りを露わにした。
{話を戻しますと博士が未知のウイルスを排除するプログラムを作っているその近くで彼は未知のウイルスそのものを作ったのです。そしてそのウイルスに感染し、なる病気が通称「狂乱病」というもので狂乱病は人の欲を増幅させ強大にする病、博士は新世界の人間には治療は不可能と断言した}
{やべーじゃねえかそれ!}
{はい更にその事がショックで博士はそれから他人を信じられなくなりました。そして他人を信じれなくなった博士しかし狂乱病は何とかしなければならない、そこで博士は思いついた他の者は信用出来ないなら助手を発明してしまおうとそして私ナイトールが開発されました}
{成程お前は博士の助手として開発されたんだな、しかしさっきから凄い話のオンパレードだがそれをただの赤ん坊であり、ましてやまだ生まれてもいない俺に話す内容か?}
痛翔は先程から感じていた疑問をナイトールへとぶつけた。
{はい確かにそうですねその理由はここから話ます寧ろここからとても重要なのです。博士と私は何とか狂乱病を治療する道具「治療石」を開発しました。この「治療石」は単体でも効きますが何か別の物と組み合わせる事によってその物に能力を持たせる事が出来るのです。しかし事件は翌日起こりました、治療石の開発に私と博士が専念していると何処からか爆発音が響いて来ました。音のする方へ行ってみるとそこには、博士を裏切り狂乱病を感染させるウイルスを作ったあの部下がボロボロの状態で転がってました。この男は博士が狂乱病に気づいた時に姿を消していたのですがまさかこんな形でお会いする事になるとは・・・}
{ふ~んでっ続きは?}
痛翔がまるで他人事のように話を催促したのでナイトールはではと次の様に言いました。
{この時の映像がありますのでそれを見てください}
とナイトールが言うとまた痛翔の脳内に映像が流れ始めた。
今度の場所は暗く周りのコンピューターの明かりでその部屋の状況が見える場所だ。
そこにナイトールと白衣を着て髪は茶髪の男これがナイトールの言っていた博士か・・・と例の部下が倒れているのを博士に抱き抱えられている。
部下の服装も白衣で博士とは違い汚れが目立つ先程の爆発のものとそれとは違う汚れがある事から余程熱心に研究や実験をしていた事が分かる。
その映像を見て痛翔が最初に放った一言が次の通りである。
{おーナイトールの姿ってこんな感じなんだ西洋の鎧って感じだな、ん?なんで下半身無くて浮いてるんだ}
{そこは博士の趣味です。なんかカッコいいらしいとの事です}
その返答を聞き痛翔は「へー」と答えナイトールは「そんな事どうでもいいので続きを見てください」と言った。
(映像が再び脳内に映り相変わらず博士があの部下を抱き抱えその傍にナイトールがいる、そしてその場にはもう1人いる。
ナイトールも博士も部下も前を向いてそのもう1人を見ている。
そのもう1人は巨大な試験管が沢山ありその内の1つが内側から割れておりガラスが飛び散り中に入っていた液体で下はビシャビシャだ。
その試験管の前に1人の女の子が立っていた、その女の子の背中には黒く大きい羽が生えていた。
女の子は濡れているが黒いドレスを着ていて髪はショートヘアで黒い色だった。
まだ小学年低学年位の子が背中から黒い羽を広げ黒いドレスが濡れ水滴がついておりその水滴が光を反射し光り、上の方をボーっと見ている姿は何とも幻想的で美しく芸術的だった。
しばらく呆然とその様子を見ていた一行だが、その時間は突然終わった。
何故なら女の子が博士達の方を向き話しかけて来たからだ。
「お前ら誰だ何でここにいる?」
女の子はその愛くるしい見た目から想像もつかないまるでやんちゃな男の子みたいな喋り方をしている。
その事に対し博士は返答する。
「私の名前はサプリ、気軽にサプリ博士と呼んでくれ」
「私はナイトール、博士に開発されたロボットです」
「因みに開発コードはコードX7VGだ」
「いやそんな事まで教えなくてもよろしいのでは・・・・・・」
「別にいいだろうこのコード中々言う場面無いんだから」
ナイトールは呆れながらも「あっそうですか」と話を流した。
「何でここにいるかだったな、私達が作業をしていた時にこの部屋の付近で大きな爆発音がしたから何事かと様子を見に来てみたらご覧の通りだ」
サプリ博士は両手を左右に大きく広げふざけたように返事をする。
それに対し女の子は静かな怒りを露わしながら言った。
「お前俺をバカにしているのか!」
「なっ俺っ子だとーー」
「ええーそこですか」
サプリ博士が的外れな所に突っ込んだ為ナイトールは驚きと呆れがでた。
するとサプリ博士はいい加減あの部下の男を抱き抱えるの止めボロボロのその男を叩き起こした。
「おい起きろこの状況を説明してもらうぞ」
「う~んんあ・・・・・はっ!」
サプリ博士が叩き起こした事により男は起きたどうやら大事に至ってない様だ。
「なっ私は一体・・・・そうだ私のウイルス達は!」
「ウイルス達だとーお前やっぱりさっきの爆発に心当たりがあるな」
「大人しく話しておいた方が身のためだと思いますよ」
サプリ博士は怒鳴り、ナイトールも厳しくそう言った。
すると今度は俺っ子の女の子が博士の元助手の男に向かってつまらそうに言い放った。
「何だお前生きてたのか!」
「お前とは何だ私にはライと言う立派な名前があるんだ、それに仮にもお前の生みの親だぞ私は!」
サプリ博士とナイトールは「へーこいつライっていう名前なんだ~」と頭の中で思い2人の会話に耳を向けている。
いやそれよりもライっていう名前よりも気になる所あるだろう2人共、生みの親って言ったんだぞ生みの親ってそこに食いつけよ確かに名前も気になるがまずはそこだろうが。
と言っていても何故だか私の声が聞こえるあの少年じゃ無いし、ナイトールも回想だから私に気づいていないみたいだ。
そうこう思っている内にまた女の子が喋り始める。
「俺はあんたを親だなんて思っちゃいねえそれに俺にもちゃんとした名前がある」
「馬鹿な私はつけて無いし、そういう考えに至る様にプログラムなんかしていないぞ」
すると女の子はまるで嘲笑うかの様に一言。
「自己進化だよ」
「自己進化だと!馬鹿なそんなプログラムも組んでいないぞ私は」
くすくすと笑い女の子が余裕を持っている所にナイトールが疑問を投げかけた。
「すいませんがではお名前は何と申されるのですか?」
「何だいきなりお前・・・確かナイトールとか言ったなー」
「はいナイトールで合っています。いえ少しなのですがやはり名前は聞いとかなければ後々困るのではないかと思いまして、例えその方が敵対する関係にありましても」
最後だけ怒気を入れてそうナイトールは言い放った。
その事を聞いて先程とは打って変わって楽しそうに女の子は言った。
「へーナイトールてめえは俺の事を敵と認識した様だな。中々良い着眼点じゃあねえか、何でそう思った」
「何でと申されましても全てと答える他無いですね」
「全て?」
「はい言葉使いから態度まで普通に私とは合わないと思いましたし、先程から私達の方をじっと睨んでますし、あと敵意が先程から感じられる事が理由として申し分ないのではないでしょうか」
淡々と喋るナイトールに対し女の子は少し間を開けてから言った。
「確かにその通り俺はお前らの敵になる者だ。何故ならお前らが治療するべき狂乱病のウイルスの集合体が私なんだからな、そしてナイトールてめえが聞きたかった俺の名前だが・・・あー「ライア」って言うんだ」
女の子の名前はその言葉使いからは似つかわしく無く、その姿からはとても似つかわしい名前だった。
「ライアもしかしてライアーですか日本語で嘘つきの意味を持つという」
「おっ、流石最先端のテクノロジーで開発された事はあるな~当たりだ」
ナイトールとライアが喋っていると話を聞いていたサプリ博士がライへと質問を投げかけた。
「おいライ、ライアの言っている事は本当か?」
「けっ、ああそうだよ。何だよ皆してあいつが自分でつけた名前呼びやがって・・・あいつ・・・ライアは確かに私がウイルスを集合させ形取った姿だ」
「何でわざわざそんな事をした」
「何でそんな事をしたか、ウイルスを私が全てそれもランダムに撒くという行為は狂乱病を蔓延させるにはいささか手間取ってしまう。そこで私は考えたウイルス自体に狂乱病になる素質がある者を探して貰えば効率良く狂乱病が蔓延しその者達を意のままに操る事が出来るはずだった・・・なのにあのウイルスの集合体は私の言う事も聞かずにあろうことか私の命まで奪おうとした」
「成程、あの爆発音はライお前を殺そうとした音だったんだな」
「その通りだよ間抜け」
サプリ博士の言葉に答えたのはライでは無くライアだった。
「だってよーそいつ狂乱病患者を兵士にしようと考えてるんだぜそれじゃあ面白くねえ。兵士なんて欲が一方的すぎるんだよ、もっと色々な欲を開放した方がもっと面白くなるとは思わねえか?」
「ふざけるな!私が開発したんだ私が使い道を決めるんだ!」
「まあ私達にとってはどちらも許せない事なのでここでどちらとも、けりをつけるべきなのでしょうね」
「その通りだナイトールよ。まずは近くにいるライから拘束するぞ!」
サプリ博士がその事を言った後ナイトールがエレキロープでグルグルに拘束した。
エレキロープとはその名の通り電気のロープだ、ナイトールには様々な機能やアイテムが隠されておりエレキロープもその1つである
エレキロープは電気を出てるロープなので拘束されたライは少しビリビリ痺れている。
次にナイトールはエレキロープを投げ縄の様な形にしてライア目掛けて投げた。
しかしライアはそれを背中の黒い羽を羽ばたかせ上へと避ける。
「あー惜しいもう少しだったのに」
サプリ博士も悔しそうに嘆く。
「そいつの事はてめえ等に任せた煮るなり焼くなり好きにしろ、俺はここをとんずらして早くも新世界って所に旅立つとするかー」
ライアはそう言うと高笑いしながらこの部屋の奥へと行こうとしたが、何かを思い出しナイトール達の方を向く。
「折角だ面倒なもん片付けてついでに俺の力を見せつけるとするか」
そう言うとライアは空中で大きく息を吸いある言葉を発した。
「お前らは俺の顔を覚えれない!」
そう言い放ち再び部屋の奥へと飛んでいった。
「何だったんだ一体?」
「さあ私にもわかりかねます」
ナイトールとサプリ博士は2人して何がライアはしたかったのか分からなくなった。
「うん!おいナイトール!あいつライアの顔思い出せるか?」
「何を言いますこの最高傑作であるこのナイトールに記憶の欠如など・・・・・・あれおかしいですね先程の方の顔が全く思い出せません」
これは不味いと思った2人はライを拘束したままその場に放置し、自分達はライアの後を追った。
そこには飛ぶのを止め部屋の行き止まりに立ち尽くすライアがいた。
ライアが2人に気づきこっちを向き話す。
「へーここまで追って来たんだ案外しぶといね!」
「それよりもどういう事だ、今もお前の顔だけが見えないくなっているんだが・・・お前なんかしたのか」
「その通りですよ。先程から貴方の顔の部分だけ黒く塗りつぶされて全く見えないんです」
2人は不思議そうにそう問いただす。
ライアはやれやれと仕方なく答える。
「それが俺の能力だ顔に関しては覚えられると後々厄介な事になりそうだからそうした」
「能力だとお前なんでそんなものがウイルスにあるんだ?」
「はっ、そんな事も知らねえのかよいいぜ折角だから教えてやるよ。そもそも狂乱病は欲を増幅させその欲を強大にするって所まではいくら何でも知っているよなー」
「ああそれだけでは無いのか」
「違えよバーカ。ヒント位教えてやる、まあとにかく適合した欲によってその欲にあう能力が手に入るって事だ。そして俺は特別でな普通は狂乱病に罹っている生き物でないと能力は発揮されないんだが、俺は俺自身がすでに完成された欲を持つウイルスだから能力があるんだ。まあそれ以外にも何段階に分けて症状があったりするんだがそこ等辺は自分らで調べてくれや」
サプリ博士は「何段階かある症状って何だ」と質問したがそれに対する答えは「それ位自分で調べろお前一応博士なんだろ」と軽く言い返された。
またも背中の羽を広げ逃げようとするライアに向かってナイトールが言う。
「ここは行き止まりです向こうの出入り口にも鍵をかけました。もう貴方の逃げれる場所は何処にも存在しないかと」
「おいおいおいおい、頼むぜ最高傑作のロボット。お前の頭の回路フル回転させれば分かる事だろう俺に逃げ道なんて必要の無い事ぐらい」
ナイトールは何を相手が何の事を言っているのか、分からずにいた。
「まさか本当に分からねえのか?かっーたっくもーそれでも最高傑作のロボットか、仕方ねえ教えてやるよ俺は嘘の欲を司る者だ。俺が言った嘘は全て本当になるだからお前らは俺の顔を覚えてねえんだ」
「なっ、それが本当だとしたら無敵ではないですか」
「いや別にそういう訳でも無い。俺と同じステージに上がって来た奴には俺の嘘も全く効力が無くなるからなー」
「ステージ何だそりゃ」
サプリ博士が質問するとライアは「だからそれ位自分で調べろ」と言った。
「あとさっきから録画している監視映像にも細工して顔だけは見えない様にしておいたぜ」
「なんでさっきから必要以上に顔を隠したがるんだ別に酷い顔じゃないだろう可愛い顔だぞ」
「なっ、気持ちの悪い事言うんじゃねえよ。そういう態度とられるのも顔を見えなくした理由の1つだ、後はさっきも言ったが後々厄介な事になるからしているだけだ」
今度こそライアは行き止まりの天井高く飛び上がり逃げようとする。
「さっ、だいぶヒントは出したんだこれでお前らと話す事も無くなった。精々俺を新世界で楽しませてくれよじゃあな」
「まっ待て」
「ここには新世界に繋がる道がある」
そうライアが宣言すると天井に丸い虹色のトンネルが瞬時に出来その中へと吸い込まれる様に入っていきライアが見えなくなる頃にはトンネルも跡形も無く消えていった。
映像はそこで途切れ終わった)
そして映像を見終え痛翔が納得した様に言った。
{成程ライアの顔が最初から黒く塗りつぶされていたのは、ライア自身がやったのか俺はてっきり映像のバグかと思ったぜ}
{はい映像のバグというのは先ず無いと思われ、旧世界の科学力は随一ですからね普通はあんな事は無いのですよ、あの事件自体特別だったのですから}
後の主な情報はナイトールにより痛翔へと伝えられた。
先ずライについては、あの後エレキロープにグルグルに拘束された状態で放置されライアにかなりボロボロにされた事から逃げる気力も体力も奪われ全く抵抗せずに旧世界の警察と似たような組織に引き渡され牢屋へと投獄された。
ライの犯した罪は重いが死刑という程では無い。
実際にまだ被害が出た訳では無いのでそこまで長く牢生活する訳でもないらしい。
それに旧世界の牢屋はその名に似つかわしくない綺麗で清潔にされている犯罪者にまで親切にしているからこんな事件や戦争を起こそうなんて考える奴が出て来るんだ。
ようはお人好し集団なのだ旧世界の人間は。
ナイトールは痛翔にこれからが話として一番重要だと言った。
{でっ一体どんな重要な話なんだ?今までの話や映像もビックリしたがこれ以上があるのか?}
{はいもちろんです}
ナイトールはその重要な事を順番に話した。
先ずライを警察と似た組織に引き渡した後、サプリ博士は「治療石」の最終調整をしている所で考えていた。
果たしてこの「治療石」のみであの化け物に勝てるだろうか?と考えながら調整を終わらせ「治療石」が完成した。
ナイトールにもその事を相談すると彼もその事を考えていたらしく2人で改めて考える事にした。
先ず最初に2人が出した案は第一案「治療石」量産する。
治療石は敵となるウイルスのデータがあればいくらでも作れる物なのでこの案は即採用となった。
次の案の第二案はナイトールを量産する。
しかしこの案にはナイトールがもう反対その理由は自分の活躍が減る・・・では無くてナイトールを量産するとなると膨大な金額が必要となりそれならばナイトールのスペックをアップした方が安くつき効率的だ、つまり量よりも質であるという訳でこの案は却下された。
そしてこの案こそが最高の案として上がったのが第三案あらかじめ狂乱病にさせた人間を戦士として1人用意する。
調べた末、狂乱病患者は第0から第4まで症状があり第1症状でその者が持つ欲に対する能力が出現する。
ならばこちらがあらかじめ設定した欲で能力を身に着ける事もできると考えた。
そこで出てくるのが第四案、狂乱病患者をその戦士の周辺のみに出現させる。
そしてその条件に一番適している良い欲が見つかった。
それは「注目の欲」ウイルス全てのみならず敵対するものすべての注目を一気に集める素晴らしい欲で能力だ。
この欲の力で狂乱病患者を終始その戦士に注目させ他の所には行かない様にさせる。
ならばとナイトールが2つの案を上げた。
1つ目は第五案ナイトールをその戦士の護衛としてつける。
そして2つ目第六案ナイトールにも治療石を持たせていざという時に使える様にする。
この2つの案にサプリ博士は大賛成だがナイトールがいなくなるのはちょっと寂しい様だ。
この採用する5つの案を実行するにあたってサプリ博士はやらなければならない事が1つあるそれは博士にとってはとても過酷なもの・・・・新世界を創っている者達に抗議しなければならないというもの。
人間不信になっていたサプリ博士は最初は嫌がっていたがナイトールの説得とライアがやろうとしている事を思えば自分がやらなければならないと気持ちを切り替えて抗議しに行った。
最初は新世界を創る人達は笑い事だったり困っていたりしていたがサプリ博士の必死の説明により何とか承諾えて1人位なら戦士を創っても良いと言われた。
サプリ博士はその事に感謝し作業へと移った。
先ず何時の時代に生まれるかを設定しその時代の乳児の1人に注目の欲となるウイルスをごく少量注入し準備をする。
狂乱病が蔓延するのは戦争が全く無くなった世界つまり「奇跡の原石」である「エレニウム」が発見された後であろう時代からほんの少し進んだ時代だ。
なぜその時代かと言うと戦争が無くなる事により人々から争いなどの欲が無くなり変わりに多種多様な欲が現れる時代となるからだ。
それをライアも狙っていると確信しサプリ博士はその時代に戦士を生まれさせる事を決定した。
そこまでナイトールの話を聞いて痛翔は嫌な予感がした。
{なんとなく分かっちまったんだがもしかしてその戦士って・・・・・・}
{ええ察しがよろしくて良いですねその通り貴方です}
{がーーーーーーやっぱりかーーーー話の流れからしてそうじゃないかと思っていたがやっぱりかーーーーー}
{おめでとうございます}
ショック受ける痛翔に対してナイトールは「おめでとう」と言った。
痛翔はその事に対して怒りの声上げナイトールへと放つ。
{何がおめでとうだ全然おめでたく無いわ。俺は生まれる前から人生めんどくせーコースまっしぐらって事が分かったんだぞ}
{しかしですね貴方は生まれながらにして普通の人には無い力が使えるのですよ男性ならばそういう事憧れるのではないでしょうか}
{そういうのはな、世に言う中二病という者達が喜ぶことであって俺みたいなまだ生まれてすらいない奴にとっては迷惑極まりないんだよ}
その後も痛翔は文句を言いナイトールはそれをなだめるのだった。
ふと痛翔がそれにと話を別方向に切り替えた。
{仮に俺が良いと言っても俺の親はどうするんだよ}
{ご両親方ですか?}
{そうだよ生まれて来る子がこんな訳の分からない人生が待っているって知ったら反対するに決まっている}
{ふむ、確かに普通のご家庭ではそういう事になりかねますね・・・・・}
{だろう、だから}
{しかしそれは普通のご家庭の場合です}
ナイトールは今は光る丸い球だが何だかその事を言った時にニヤリと笑った様な気がした。
{ままままさか俺の親にもなんか細工でもしたんじゃないんだろうな!}
{いえそんな事はありませんただ我々とは関係なく貴方のご両親方は既に普通では無い体験しているという事です}
{何だよその普通じゃない事って?}
{その事についてはプライバシーの侵害になり得るので割愛させて頂きます。それにもうお時間が来てしまったようですしね}
そう言うと光の球は徐々に後退していった。
{おいちょっと待て何だよ時間って何で俺から離れて行くんだよ}
{お時間と言うのは貴方が産まれて来る時が来たという事です。ですので私は先に外の世界の体に戻りますのでここで一端さよならですしかし安心してください産まれて来る時には貴方のご両親の近くにいるつもりですから}
そう言うと光の球は後退して徐々に見えなくなり跡形も無く消えた。
(えっ!嘘だろ本当に行っちまいやがった。人に散々あれこれ好きな事言ってまだ頭の整理もついていないのにあいつ行っちまいやがった)
もうナイトールがいないからテレパシーみたいな事はできず頭で思うしか出来なくなった。
痛翔が心の中で頭を抱えているとふと自分がいる空間つまりは母親のお腹の中が動いた気がした。
痛翔は悟った、きっとあいつが言っていた様にもう直ぐ自分はこの母親のお腹の中から産まれるんだと・・・。
所変わってこちらは母親のお腹の外の様子。
痛翔の母親は分娩室で今まさに出産しようとする瞬間だった。
「はい奥さん力んでリラックスしてひっひっふー」
「ひっひっふー」
「はいその調子ですよ頑張って」
「ああ痛いー」
その母親の手を父親が握る。
「がんばれ、おまえ僕も傍についているからな」
「ええ頑張るわあなたもずっと傍にいてね」
そんな痛翔の両親がいる分娩室の扉の前に見知らぬ上半身だけが浮いている西洋の騎士を彷彿とさせるロボットが音も無く分娩室の扉の窓からその様子を見ていた。
そうそのロボットこそが紛れもないナイトール。
「いよいよ誕生の瞬間ですね」
それから時間が立ち扉の前で腕組をしながら待っていたナイトールの耳に声が聞こえた。
「おぎゃーおぎゃー」
はっきりと産まれたての赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
泣き声は今もなお続いていて居ても立っても居られないナイトールは扉を開け中に入った。
話は少し戻り痛翔が産まれる瞬間。
何とか赤ちゃんが全部体が出ていき看護婦さんが取り出しタオルに包みへその緒を切って母親へと抱かせた。
その瞬間赤ちゃんが元気良く「おぎゃーおぎゃー」と泣いた。
「あなたやったわ、見て男の子よあなたに似てハンサムだわ」
「おっ本当だおまえに似てとっても可愛いぞ」
そう両親が言いあっている間も赤ちゃんは泣き続けている。
その時の赤ちゃんの頭の中はこうだ。
(ちゃんと泣いとかないと変に不自然がられるよな・・・・しょうがねぇなぁはーーーーーー)
その時分娩室の扉がバンと開かれた。
そこには痛翔の両親達は勿論の事、看護婦さんも全然知らない西洋の鎧風の上半身だけのロボットが背中に背負っている冷蔵庫みたいな物体が扉の上の方に当たらない様に少し高度を下げて浮いている状態だ。
最初はポカンとただ見ているだけの看護婦さんと両親だったが我に返って口々にそのロボットへ感想を出す。
「貴方一体何なんですか警察を呼びますよ。あっそれとも、もしかしてそちらのご夫婦の知り合いかなんかでしょうか?」
看護婦さんが未だにベッドで我が子を抱き抱えている母親とそれを横から見ている父親に確認を取ると。
「まあ見てあなたロボットよ何かのイベントかしらそれとも病院からのサプライズかしらうふふ」
「いや待て待て、もしかしたら我々の知らない技術で作られた古代のロボットかもしれないぞそして我々に何か重要なそれも世界の危機的な情報を知らせに来たのかもしれない」
2人はキャッキャッと楽しそうに話し、看護婦は電話を掛けようとしていた手を止め唖然とその様子を見てた。
その2人の様子を唖然と見ていたのは看護婦だけではなくもう1人、母親の腕に抱かれている赤ちゃん事後に痛翔オレと言う名前となる男の子だ。
赤ちゃんは唖然としながら頭の中で思う。
(えー何で母さんそんなに嬉しそうなの普通出産した直後に名も知らない上半身だけのロボットが部屋に入って来たら怖いでしょうが、そして父さんも何想像で正解出しちゃってくれてんの正しくその通りだよ)
相変わらず両親はキャッキャッと話をし看護婦さんは止まっている。
先程から話には出て来ないが看護婦さんは1人では無く数名います。
ですが先程か話に出ている看護婦さん以外の看護婦さんはロボットが部屋に入って来てから恐怖で固まっている為話の内容に入れなかった。
しばらくキャッキャッと話している両親以外沈黙していたがそこでロボットことナイトールが話し始めた。
「初めまして痛翔真美様、痛翔派座様、私はナイトールと申します」
その事を聞いて今までキャッキャッと喋っていた両親が口を閉じ真剣な眼差しでナイトールの方を見た
「どうも初めまして、何故だか分かりませんが私達の名前をご存知のようで」
父親の痛翔派座がナイトールを鋭く睨み応える。
「そんな怖い顔をしないで下さいと申した所で無理でしょうがね・・・とりあえず私の話を聞いてもらえますでしょうか?」
ナイトールは母親の腹の中で話した事を一字一句漏らさずに両親へと伝えた。
「・・・・という事なのでつまり私はその子の護衛兼世話係となります。要は執事みたいなものを想像していただければよろしいかと思います」
そんなナイトールの自己紹介へて看護婦さん達はまだ後ろで固まっていて、両親達は下を向いて黙ってしまった。
それを見た痛翔オレは思った。
(な!こいつ言いやがった一字一句逃さずに言いおった。あんな事信じるのとんでもねえバカしかいねえだろ)
そして父親が興奮気味に声を発する。
「という事は家の息子がそんな凄い使命を背負いそんな刺激的な人生を歩み更には能力まで持っているという事だよね」
(とんでもねえバカここにいたよ、しかも俺の親だったよー)
ナイトールの話に興奮しながら答える派座に対して母親である真美はこう答えた。
「失礼ですけどナイトールさん、私は先程の話でどうにも納得がいかない事があるのですけど」
と真美は少し不機嫌そうに言った。
その母親の言葉を聞いた痛翔オレは感心した。
(ふー流石母さん父さんとは違い言いたい事は言う全くもって素晴らしそれに比べて父さんは・・・はあ~~~母さん遠慮なくその自己中ロボット野郎に言ってしまえーーー)
真美はナイトールの方をしっかり向いて言いました。
「執事なんてそんなよそよそしい立場なんかじゃなくてこれから一緒に暮らすんですから私達の事を家族と思ってもらっていいんですよ」
(あんたも何言ってんの!絶対文句言う所そこじゃないよねしかも何もう一緒に住む事前提に話進めてんの)
ナイトールがそれぞれの主張を聞き話す。
「という事は私のお話を信じて頂いてご家庭に一緒に住まわせて頂けるという事でしょうか」
「ええ勿論よあなたはもう私達の家族なんですもの、ねえあなた」
「ああそうともさ君はすでにもう1人の私達の子供だ遠慮しなずにいつまでも我が子を一緒に守ってくれ」
その言葉を聞いたナイトールは感激した。
「ありがとうございます。私が責任を持って護衛対象の事はお守りしますので心配なさらないで下さい」
「頼もしいね。だけどその護衛対象という呼び方はなんなんだ?」
「本当面白い呼び方よね!」
「普通の呼び方では失礼だと思いまして、博士と相談して呼び方を考えていたのですがお気に召しませんのでしたら止めますが・・・」
「いや止める必要は無いよ。実を言うと私達はそういう変わった事が大好きなんだよ。私の名前もね(通称ファザー「父」)から来ているんだよ」
「私の名前も(通称マミー「母」)から来ているの」
話をしている3人を見て看護婦達はナイトールが流石に敵じゃ無いと気づき片付けをテキパキしている。
そしていよいよ赤ちゃんの名前が決まる時が来た。
「ところでお2人方そこにいらっしゃる護衛対象の名前は何と言うのでしょうか」
「ふふふふ実はもう決めてあるんだ」
「あらそうなの」
(ああ頼むから変な名前じゃありません様に・・・・)
「行くぞジャンジャカジャカジャカジャン命名「痛翔オレ」」
ドラムロールを言い終えた後高らかに用意していた紙を両端から引っ張りピンと張りながら皆に見せた。
そこには習字で達筆な字で「痛翔オレ」と書かれていた。
「いいだろうこの名前、男の子ならオレ、女の子ならワタシにしようと考えてたんだ」
(ふざけんなくそ親父、それじゃあ俺の一人称と被るじゃねえか俺がオレってもう訳分かんねえよ)
「いいですね斬新で」
「おっ分かってくれるかいナイトール君、特にこの一人称と被る感じが良いんだよね。あっでも一人称が僕とかだったらあまり意味ないかもね」
「その心配は無いかと私がお母上殿のお腹の中で護衛対象と会話していた時の一人称は確か俺でした」
「そうかそれなら問題無いな」
(あるわー問題ありまくりだわ、まず父さんやっぱり確信犯じゃないか!俺の思っていた事と全くもって同じ事言ったよ。そしてナイトーーーール何ばらしてくれちゃってんの上手く行けば俺の名前変わってたかもしれないじゃん)
そんな痛翔オレの心の中の叫びなど聞こえるはずも無く3人は痛翔オレという我が子の名前が気に入り話を続けている。
(ふざけんなよ勝手に話進めやがって俺だって言いたい事いっぱいあるんだぞ、あーくそせめて喋れればいいんだが・・・・待てよ泣く事はできたんだもしかしたら喋る事もできるかもしれない)
痛翔オレは早速喋る事をチャレンジし始めた。
「あ・・・あう・・」
すると赤ちゃんが声を出した事にいち早く赤ちゃんをこの手で抱いていた母親こと痛翔真美が気づいた。
「見てあなた、ナイトールさんオレちゃんが言葉を発したわ」
「おお本当だなこれはもしかして言葉を喋るかもしれないぞ」
「はははは護衛対象ならば可能かもしれませんね、果たしてどの様な事を初めにお喋りになるのでしょうか」
(てめえの罵詈雑言だよ)
そんな事を心に思っている事など知らない為3人は口々に喋る。
「きっとパパって言うに決まっているほらパパって何となく言いやすいだろ」
「それならママっていう方が言いやすいと思わない?」
2人が喋っているとすっかり蚊帳の外にいた出産立ち会っていた40代のベテランとも言える貫禄を持った看護婦さんが話に入って来た。
「2人共自分の主張を強く言っているんだけどねここで残念なお知らせよ。普通の赤ちゃんは産まれてすぐに声は出すんだけどねえまだ知識全然無いから言葉を発する事は出来ないのよ」
「へえそうなんですかそれは残念ですね」
「ええ楽しみでしたのに」
「いや護衛対象なら大丈夫だと思いますが・・・」
「あう・・・あお・・・あい」
必死に言葉を発しようとする痛翔オレだが思うように上手く言葉が出ず苦戦する。
(くそ、今すぐにでもこいつらの鼻っ柱を折ってやりたいのに言葉が出ねえ。何か「あう」とか「あい」しか出ねえ赤ちゃんってそう言うものなのか?)
痛翔オレが心の中で落胆しているがそんな事お構いなしに両親の話は続く。
「私ねナイトールさんがいてくれて本当に嬉しいわ」
唐突に痛翔真美はそう言った。
「ん?どうしたいきなり?」
「そうですよ一体いきなりどうなされたんですか?」
それに対し痛翔派座とナイトールが2人揃って疑問を投げかけた。
「だってね我が子にはもう兄弟みたいな存在がもうすぐ横にいるのよ本来あり得ない事なのにそれが今現実に起こっている奇跡、そして同時にその我が子を守る存在でもあるのよそれが嬉しくて」
「お母上殿・・・安心してください必ずしも私が2人の大事な我が子である護衛対象をお守り致します」
(ナイトール・・・・・・母さん・・・・・・)
痛翔オレが感傷に浸っている所それを突然ナイトールがぶち壊す。
「素晴らしい理由だと感じます・・・・っで本音は?」
「ナイトールさんが面倒を見てくれるから私達夫婦は心置きなくハネムーン・・・・・もとい仕事に専念できる様になるのよ」
(・・・・・・・・・・はっ?)
「そう言えばお2人のご職業は何か聞いていませんでした一体何のお仕事をなさっているのですか?」
ナイトールが2人に尋ねるとごほんとナイトールを一瞥して痛翔派座が答える。
「私達の職業はね、トレジャーハンターなんだ」
「トレジャーハンター!それはそれはまた変わった職業で、今の時代全てお宝などは見つかっているとおもっていましたが」
「そんな事無いよこの世にはまだまだ見つかっていない宝物や文明がまだまだあるんだそれを見つけるのが私達トレジャーハンターって訳さ」
「成程逆に今の時代だからこそトレジャーハンターって言う職業公式にできた訳ですね」
「その通り今より少し前、「奇跡の原石」が見つかっていない時代はトレジャーハンターって言う職業は存在したが国が全面的に後押ししてくれるものでは無かったんだ」
「けれどもね「エレニウム」が見つかってからというものそういったトレジャーハンターの様な表舞台にでない職業も国からいいえ世界からスポットを浴びる様になったのよ」
力説する2人、その様子を見てナイトールはこの2人はそこまでこの職業が好きなのだろうと2人は天職についたんだと確信した。
そんな中話を全く聞いていなかった痛翔オレはまだ自分の母親の言葉にショックを受けていた。
(母さん・・・・・本音ここでぶちまけなくてもいいじゃないか、あとナイトールやっぱりてめえは俺の敵だなまたいらない事を言いやがってこうなったら父さんに抗議してもらうしかない)
そう覚悟を決めると父親を期待の眼差しで見る。
するとそれが通じたのか父親が口を開く。
「それにしてもさっきの話はちょっと間違っているじゃないのか」
「なあにあなたさっきの話って?」
「ほらナイトール君がいてくれて嬉しい気持ちの本音の話」
「ああその事ね、もちろん私達が仕事に専念するのは我が子が立派に成長してからの話よ。それまではあの賞金を使って普通に暮らしましょう。あんなに大金があるんだから10年以上働かなくても贅沢な生活さえしなければ無くなる事は無いわ」
あの賞金とは前にも言った様に2人が大学時代に成し遂げたある偉業のお金の事だ。
2人は先程まで本当に賞金は滅多な事には使わないと考えていたがナイトールの出現によりその考えが180度変わる。元々2人は子供が出来たらトレジャーハンターを引退するつもりだった。その理由は単純に子供が心配だからというものでやはりどんな事があっても子供に寂しい思いをさせたくないと心に誓ったのだがそれを壊したのがナイトールの存在だった。初めは好奇心と警戒心だけだったが話していく内に段々とこのロボットになら家の息子を託せると確信したから考えを変えて諦めていた夢の職業を手放さくてよくなった。
もちろんそんな事も知らなくて無駄に知識が多い痛翔オレは沸々(ふつふつ)と怒りの炎を燃え上がらせていた。
(早く早く父さんその頭がイカれている母さんの目を覚まさせてやれ)
「いや真美さんそこじゃないんだ私が言っているのは」
「あらじゃあどこなの?」
母親は不思議そうに尋ねる。
(よしいいぞ言ってやれ父さん!)
「私が言いたいのはね・・・最初に仕事の事をハネムーンと言いかけたのに何故仕事と言い直したんだい?私達にとっては仕事もハネムーンも同じ意味なのに!」
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
痛翔オレ絶句。
「あなたごめんなさいそうよね私達にとってトレジャーハンターは仕事じゃなくてハネムーンよね」
「いやいいんだ愛してるよ真美さん」
「私もよあなた」
「いや~お2人共夫婦で仲が良くていいものですね」
「ほんとよおばちゃん感動しちゃった」
ナイトールと看護婦さんが感激しているが一方の痛翔オレは。
「な・・・な・・・」
「あらあなた私達の子が今にも何か喋りそうよ」
「おお本当だきっとパパって言うんだ」
「な・・な・・・・な・・・な」
「いえ先程から、「な」といっているので護衛対象は失礼ながら「パパ」とは言わず何か「な」のつく言葉を発する事でしょう」
その様子を見ていた看護婦さんはまるで未確認生物を見たような驚きで赤ちゃんを見ていた。
「そんなアホなこんな事ある訳が無いきっと何処かの看護婦が悪ふざけしてるんでしょう」
40代のベテランとも言える貫禄を持った看護婦さんが誰がこんな悪ふざけをしたのか他の看護婦に問い詰めようとした。
もちろんそんな事は無く痛翔オレ自ら言葉を発しているのだが看護婦さんはそんな事は信じなくまだ問い詰めようとしていた。
見かねたナイトールが看護婦に痛翔オレの現状を教え様としたがその前に赤ちゃんが喋りだした。
「なん・・・・なん」
「「なん」?一体どういう事だ」
「分からないわでも私達に何かを伝えたがっているんだわ」
「なん・・・・な・・・・で」
「頑張って下さい我が護衛対象」
「なんで・・・・」
「嘘よこんなのあり得ない看護婦生活30年こんな事一度も無かったわよ」
看護婦が絶叫を上げた時ふと赤ちゃんの声が止まった。
すると赤ちゃんは大きく息を吸って一言。
「なんでやねんーーーーーー」
それは今まで痛翔オレの溜まりに溜まった渾身のツッコミだった。
ツッコミが室内に響き渡り共に静寂が広まる。
そうして痛翔オレの産まれて初めて喋った言葉は産まれて初めてのツッコミだった。
時は戻り科学館にいる痛翔とナイトール、2人は話を終えた後互いに言葉を発する。
「いや~そんな事もあったな~ほんと史上最悪の出会いだったな~」
「そうでしょうか私はそうは思いませんよ」
ナイトールは話を終えた後と話始める前のテンションは全然違い今ではすかっり元気に。
「ナイトール!」
「はい?」
「お前が元気無かった理由当ててやろうか」
「はあ・・・」
「どうせお前の事だあの野郎、博士から連絡があったけどそれ以来連絡が来ないから寂しかったんだろう」
ナイトールは心底驚いた。
「なっなっ護衛対象あなたはエスパーか何かですか何故分かったんです」
「エスパーじゃなくて能力者だろ、それに何年お前と一緒にいると思っているんだお前の悩みなんて手に取る様に分かる」
「御見それ致しました流石我が護衛対象ですね」
ナイトールのその発言に少々照れ臭そうに笑い痛翔は尋ねた。
「なあナイトール一体何をあの野郎に吹き込まれたんだ」
痛翔がサプリ博士をあの野郎呼ばわりするには訳がある。詳しく今は話せないが痛翔が小さい頃ある事件が起こりその時に痛翔もナイトールと一緒にサプリ博士にコンタクトを取ったのだがその時に言われ事がショックで痛翔は博士の事をあまり良く思っていない為この様な呼び方になっている。
ナイトールが先程の質問の返事をする。
「そうですねいつか話そうかと思っていたのですが、実は・・・・・・」
そこでナイトールはつい先日に起こった朝からの狂乱病患者の襲撃の真実を事細かく話した。
するとナイトールが話を進めていく内にどんどん痛翔の顔が怖くなってきた。
それもそのはずその襲撃があった所為で天使こと嘘減さんとの2人きりのラブラブ(ナイトールはいるけど)がぶち壊しになってその犯人がまさかの博士だもの怒るのも当然である。
「俺はよ~ナイトールよ~あの襲撃はお前の仕業だと思い目を瞑っていたんだが、あの野郎が主犯ならもう許さん戦争でも吹っ掛けてやろうか(怒)」
「落ち着いて下さい護衛対象!」
その場で大声で叫ぶ痛翔に対しナイトールは大きく腕を振り上げその手を痛翔の頭上に落とす、そういわゆる拳骨である。
痛翔は痛えと言いナイトールに抗議したがナイトールは黙って今まで自分達が見ていたスクリーンではなくその反対を指差した。
そこには痛翔達がいるコーナーをじっと見てくる親子の姿があった。
母親と子供が手を繋ぎこちらを見てきて子供の方がこちらを指差し「ねえママあの人とあのロボット何しているの」と母親に尋ね母親は「しっ見ちゃダメ」とお決まりのセリフを吐いている
因みにナイトールにはばれていないがその親子が見ている端の方で痛翔達が話を始めた頃からずっと飛鷹と嘘減さんが聞き耳を立てている。
ナイトールにその事を諭された痛翔は反省しその親子に向かって笑顔で軽く会釈をする。
するとその親子の母親も何とか笑顔を作り会釈を返すという何だかぎこちない空気になった。
親子がその場を通り過ぎてから2人は話す。
「悪いナイトール取り乱したなお陰で変な奴らだとあの親子に認識されたな」
「ちょっとお待ち下さい何気に護衛対象、「奴ら」って申しましたね何ですか「ら」ってまるで私達2人が変な人に見られたみたいじゃないですか」
「はっ?・・・・・・てめえええ何自分は1人だけ関係無いですよっていう顔してんだあ~ん」
「事実を申し上げたまでです。護衛対象が勝手にハッスルしただけではございませんか」
売り言葉に買い言葉2人の喧嘩はあっという間に第1ラウンドが開催された。
その様子を見ていた飛鷹達、2人は大スクリーンで放映している赤ちゃんの映像をバックに言い争いをしている人間と下半身の無いロボットというカオスな状況に遭遇していたが、それは一般常識の事2人にとってはこの光景は日常茶飯事でいつも見ているもの。
2人はようやくナイトールが元気を取り戻した事を実感した。。
「いやあそれにしても凄い話だったな。まさかオレッちが世界にとってそんな重要な役割をしていたとは、それにエレニウム誕生の秘密をまさか科学館でしかも自分の友達から聞くとは思わなかったなまみっち!」
飛鷹がそう問いかけると嘘減さんは涙を流し鼻を啜りながら答えた。
「うんぞうだね、ほんどうにぶだりがもどにもどっでよがだ」
「うん?お~い大丈夫か、まみっち何だか聞き取り辛いぞ」
「ごべんなざい、ばだじごういうのよばぐで」
「涙腺緩すぎだろうまみっち、さっきの話の中にどうそこまで泣くような話があった?」
嘘減さんは鼻を持って来たポケットティッシュでかみ涙をこれまた持って来たウサギのハンカチで拭いて質問に答える。
「いやだってね2人は凄く長い間一緒にいて凄く深い絆で結ばれているのに今日なんか一体どうなってしまうのか心配で心配で・・・・だから元に戻って本当によがっだ」
「いやまみっちまた泣いているからほらこれで鼻かんで」
飛鷹が自分で持って来たポケットティッシュを嘘減さんに渡しそう言った。
「ばりがどう・・・・チーン・・・・それにしてもあの時の私との約束の遅れにはあんな訳があったなんて・・・・もっとオレ君には優しくしよう」
「今よりか!それはオレっち喜ぶぞ、ぜひそうしてやれ」
2人は笑いあった。
それを遠くで見ていた痛翔は一言
「む、飛鷹の野郎天使とイチャイチャしてるな後で殺す」
「どうかしたのですか護衛対象何やらそちらを見て・・・・・・あっ」
痛翔が執拗に飛鷹達の方を見て何やらぶつぶつ言っているのでナイトールはそちらの方を見るとこのコーナーの入口の方に隠れてこちらの様子を見ている見覚えのある2人を発見した。
その事にナイトールは少し頭脳を停止して考えやがて再起動し痛翔に尋ねた。
「ままままさか護衛対象あのお2人方に今まで私達のお話お聞かせになったのではないですよね・・・・」
「ああ何か聞きたいって言ってたからお前の状態もさっき悪かったし隠れてなら聞いていいよ的な事を確かに言ったな」
「何て事をしてくれたんですかこういう事は普通トップシークレットなのですよそれを他の人に知られになられるなんて言語道断・・・・・・・・あー・・・・・・まああのお2人方なら別にいいですかねえ・・・」
「いいのか俺が言うのもなんだけど結構こういうのは秘密にしなきゃならない事じゃないのか?」
「ええ普通そうなのですがでもあのお2人方なら別によろしいかと思いました」
「そっか(嬉)」
痛翔はいつの間にか自分以外も認めてくれたナイトールのその心を知れて嬉しくなり自然と笑顔になった。
「それでは私の為に時間を使ってくださったんですから折角の科学館ですこれから楽しみましょう」
「そうだなそれじゃあ天使と飛鷹にも声をかけてまた入口から見直すか!」
このコーナーの入口で今も笑いあっている2人に声をかけ痛翔達は入口の方面に歩いて行きそこから改めて展示物を外が暗くなるまで見て回った。
皆とても楽しそうだった。
いや~遂に痛翔とナイトール2人の誕生の秘密が分かりましたね~。さて話は変わりますが私、3月の初め頃に友達とユニバーサルスタジオジャパンに行ってきます。ユニバーサルクールジャパンと言うのが始まっていて名探偵コナンとルパン三世のアトラクションがあるそうです。私はコナンはどうでもいいのですが、ルパンは是非乗ってみたいと思っています。またいつかの更新で感想を言いたいと思います。