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ナイトールの事情

怒涛の夜が明け朝が来た。

痛翔はまだ寝ている。

ナイトールは痛翔を起こさないように起動し、音を立てないようにゆっくり1階へと飛んでいるが階段を降りていく今の時間は4時、普通の学生ならまだ寝ている時間だ。

ナイトールは家の電話の前に行き一言放った。

「今日もかかってくる可能性は無いのですが期待してしまう私がいますねー」

 そうどこか寂しそうに言った。

なぜナイトールがこのような事を言うのかは話を昨日の朝まで戻さなければならない。

昨日の朝それはプロローグで話したあの一斉襲撃。

これからお話しする事はあの一斉襲撃は何故起こったのかの一部始終です。


舞台はプロローグの時間帯よりも前の朝4時から始まった。

ナイトールはその日何故だか分からないがいつもより早く起動する。

ナイトールはいつもなら痛翔と同じ6時辺りで起き顔を洗い、朝食の準備をし、そして食べ、歯を磨いて学校に痛翔と一緒に登校するのだが今日は違うまるで何か見えない力により目を覚まし送り届けられるように家の電話の前まで来た。

ナイトールも起動したばかりなのでボーっとしている。

「あれ?私は何故電話の前にいるんでしょうか?」

 とその時電話が鳴った。

 プルプルプルプルー・プルプルプルプルー。

 ナイトールは電話に出る。

「はいもしもしどなたでしょうか?」

「おーその声はナイトールか久しぶりに聞いたなー」

「はい確かに私はナイトールですが」

「うんうんナイトール久しぶりだな~」

 しかしナイトールにはこの電話相手の事など全く心辺りが無い差し詰めいたずら電話か何かと思ったナイトールは相手がぼろを出した所で電話を切ろうと考えた。

「お久しぶりと言う事ですが私はあなたがどなたか存じ上げないのですが?」

「お~そう言えばまだ名乗っていなかったなー。ではこういえば分かるかなナイトールいや(コードX7VG)」

「その呼び方はもしかして博士?」

「よ~やく分かったか電話の相手が誰かを」

「本当に博士ですか」

「そうだと言っている」

「本当に博士ですか」

「くどいな博士だと言っているだろうが」

「本当に・・・本当に・・・」

「だから言って」

「今まで・・・・・」

「ん何だって」

「今まで何処にいたんですかーーー」

 ナイトールは痛翔が下手をしたらご近所全部が起きる声で言葉を放った。

「うるさいなーご近所の迷惑になるだろ何でそんなに怒ってんだよ」

「当然ですよ何年もほっといて今更の電話ですよそれはいくら私でも怒りますよ」

「そんなにか」

「当然です博士は私にとって人間で言う親みたいなものですから」

 そうこの博士はもう分かるようにナイトールを製造したまさに生みの親であった。

 この博士についての詳しい説明はまた後に話そう。

 それよりも博士とナイトールの電話はまだ続いているのでそちらを聞こう。

「時にナイトールよあの子供はどうだ」

「護衛対象の事ですか?」

「お前まだその呼び方なのか、いい加減治せと言っただろうが」

「いえ護衛対象は護衛対象そこは譲れません。それに治せとも言ってません、メールで送ってきたのです。声を聞いたのも今日が久しぶりです」

「お前はまるで俺の彼女か?」

「彼女?気持ちの悪い事言わないでください。私の性別の設定は男性ですよそんな腐女子という者達がお喜びなるような発言は撤回して頂きたいと申し上げます」

「悪かった。おほん、話を本題に戻そう」

 あ~何やら話が脱線して変な会話になったなー。

 まあこれから話はシリアスになるみたいだし続きを見てみるか~。

「お前が護衛対象と呼んでいるあの子供なんだが順調に育っているか?」

「はい我が護衛対象はそれはもう伸び伸びと育っています」

「そうか具体的にどのように伸び伸び育っているんだ」

 博士は期待に胸を膨らませナイトールの答えを待った。

「そうですねーまず好きな女の子を天使と呼びその他の女性は草の根っこにしか見えないと楽しそうに語ってました」

「ん?」

「更にその女性を堂々と盗撮していました」

「お・・おい」

「そして昨日なんてドローンでその女性の入浴を撮影しようとしたので私が警察に通報し現行犯逮捕して頂きました(怒)」

「な!犯罪に手出してんじゃねえか。それに心なしかナイトールお前怒ってねえ?」

「え?怒ってなんていませんよ。あんなクズ野郎の事なんてこれっぽっちも考えてねえから」

「え、えーーお前口調ていうかキャラ変わってねえ。それにあんなに護衛対象って呼び方は譲らないって言ってたのによりにもよってクズ野郎!」

 博士はいきなりのナイトールの豹変に唖然となり黙ってしまった。

 その時も博士の耳にはナイトールの口調が変わった愚痴が微かに聞こえた。

 何分か経ってようやくナイトールの声がはっきり博士の耳に聞こえた。

「おや博士どうなさったんですか、いきなり黙ってしまって」

 ナイトールの口調がいつの間にか治っていた。

「お前こそどうしたさっきの喋り方は!」

「何の事でしょうかそれにしても言いたい事をたっぷりと発言したら気が楽になりましたね」

 まるでさっきの事が無かったかのように会話を続けるナイトール。

 てか本当にさっきの何だったんだ。

「いやさっき口調が変わったろ」

「何の事でしょうか」

「いやだから口調が・・・」

「何の事でしょうか」

「いや口調・・・」

「何の事でしょうか」

「いや何でも無い」

多分ですけど博士はこれ以上追究するのは危険だと感じ取ったのだろう。

それにしてもいつシリアスになるのだろうか・・・・。

「時にナイトールよあの子供は順調に狂乱病患者を治療しているのだろうか?」

「第0症状の患者を出てきては治療をしている現状です」

「まあ第0症状より上はそんなに簡単に出る者じゃあ無いからな」

「ええそれに1度だけ治療が失敗してしまった時もありましたし・・・」

「ああお前から報告を貰ったあの事件か・・・」

 何やらいきなりお通夜みたいな状態になってしまったがあの事件ならば仕方がない。おっとあの事件についての説明はまた別の機会に、ヒントだけ言うと別に死者はいないとだけ言っておこう。

「まあここで本題なんだが今日の朝、狂乱病患者をたくさんけしかける様にしといたから」

「え?いきなり何ですかそれ」

「今のあの子供の実力がどの様なものか見たくてなー。ずっと前に今日の朝狂乱病患者が一斉に襲い掛かって来るようにしといたからな」

「今まで狂乱病患者があまり数出てこなかったのは今日のその実験みたいな事の為だとでも言うのですか」

 ナイトールは、博士のまるで実験動物のように痛翔を使おうとしている言動に少し腹を立てながら返事をした。

「随分とその子供と仲良くなっているみたいだなナイトールよ。しかし悪いが私はあの子供をお前と同じ様に思う事は出来ない言い方は悪いがお前の言う通り実験動物として扱っているのかもしれないな」

「本気で言っているですか?」

「ああ本気だ」

「でしたら私にも考えがあります。我が護衛対象がもしも今日ピンチに陥った場合、私は迷わず隠している力を開放し我が護衛対象を見事に守って見せましょう」

「ああその為のお前だ。しかし私の計算では今日お前の出番は無く見事あの子供は狂乱病患者を撃退しすべて楽勝に治療すると、お前の隠された力もまだ使う時では無いと出ている」

「実験の次は計算ですか、私は博士あなたと言う人間を少し見損ないました。でもあなたのおっしゃる通り今日私の出番は無いです。あなたは計算でのその結果を導き出しましたが私は今までの我が護衛対象の人生や経験を信じて今日の襲撃を華麗にクリアすると私は考えます」

 計算を頼りにナイトールの出番はいらないと言う博士と痛翔を信じるからこそ自分の出番はいらないと言うナイトールどちらも結論は同じなのにどうしてこう意味は全く違うのか。

「ま、と言う事だ後の事はお前に任せる」

「な、ちょっと待ってください任せるって・・・・」

「そのままの意味だ私は場面をセッティングしてやる事しか今は出来ないが近い内にまた連絡を入れるそれではな」

ガッチャ・プー・プー・プー。

「折角久しぶりにお話が出来たのですからもう少しお話したかったですね」

 とナイトールは1人ポツンと電話の前に立っていた。

「おっとこうしている場合ではありません早く護衛対象を起こさなくては」

 ナイトールは階段を上がりながら思いだした様に呟く。

「そう言えば今日は我が護衛対象に真美様が一緒に登校しようとおっしゃられた日でしたね。よりにもよって今日がその日だとはお気の毒としか言いようがありませんね」

 痛翔の部屋に着きナイトールは痛翔へと声を掛ける。

「護衛対象、朝ですよ今日は真美様と一緒に登校するのではなかったのですか?」

「ううう~ん・・・・・はっそうだ今日は麗しき我が天使と夢のような時間を過ごす予定だ!」

「本当に昨日入浴を盗撮しようとした方をよく次の日に一緒に登校に誘って頂けますね」

「それだけ俺と天使の絆は深いという事だなわっはっはっはっはっは」

「ちゃんと反省して下さいね」

「おう分かってる分かってる」

{あっ!またやりますねこれ}

 とナイトールは静かに思うのだった。

 因みに入浴の盗撮はドローンからの映像送られる前にナイトールが通報したので何とか未遂で終わった。未遂とはいえ人の家にカメラ付きドローンを飛ばしたので痛翔は当然逮捕された。

 その後ナイトールと痛翔は朝ご飯を食べ、歯を磨き、痛翔は着替えている間にナイトールは部屋の戸締り、電気を消して回ったり、アイエイチコンロの電源を消すなどしていた。

 そうして戸締りを済ませ、制服に着替えたルンルン気分の痛翔を見てナイトールは心が痛くなった、なぜなら今から痛翔が過ごす時間は嘘減真美との楽しい天国のような時間では無く大勢の狂乱病患者による地獄の特訓なのだから・・・。

 そんな事も知らずに痛翔は玄関で靴を履き出ようと扉に手を掛けた所でナイトールが不意に。

「あっちょま・・」

「うん、何だナイトール?」

「いえ何でもありません」

「ふ~ん」

 そして痛翔はナイトールの事は無視し扉を開く。

「う~んいい朝だ」

 痛翔は大きく伸びをして朝日を浴びた。

 ナイトールはその様子を黙って見ている。

「お!ご近所さんも起きているな、おはようございます」

 痛翔は起きてジョギングをしていたり、犬の散歩をしていたりしていた人達に挨拶をした。

「ん?」

 すると痛翔は気づいた、何かおかしいまず皆挨拶を返してくれないそして門の前にいる痛翔の目の前から1人として動こうとしない更に動物や鳥などは凶暴になったのか牙やくちばしを開けずっと威嚇をしている。人に至っては全員ナイフやスコップ、クワ、木刀など凶器になりえる物を持っている。そして何よりこれが一番おかしい全員目が赤く光っている。これらの事から連想される答えを痛翔は言葉にして言った。

「あれ・・・・もしかしてここにいるの全員狂乱病患者じゃね」

「そそそのようですねー」

「お前何か知ってんだろ」

「さあ何の事でしょうか」

明らかに何か知ってそうなでナイトールを痛翔は怪しんだ。

しかし証拠も無いのでそれ以上問い詰める事が出来ずにいて、ナイトールが一言言った。

「逃げましょう」

「お、おおう・・・」

 そこから先はプロローグでの話の通りに話が進み空き地の場面まで進みます。

 もうお気づきの方もいられますが{}このかっこはその人の心の中で思った事を表しています。それを理解した上でこの後を読んでいただけるようお願いします。

「よしここなら奴らの相手ができる」

{この場所も博士が設定した場所ですか・・・・}

「しかし我が護衛対象、見たところ私達が入ってきました入り口から向こうの反対側まで塀に囲まれて行き止まりですよ」

「はっ!自分でここに連れてきたくせに何を言う。どうせお前の考えだ、この場所を修行場とでも考えてんだろう」

「ばれていましたか」

{ええ博士が}

「それに、逃げる必要なんかねえよ。そこんとこ分かって全て仕組んだだろう」

「ばれていましたか」

{博士がですけどね}

すると空き地の入り口のほうから赤い目のモブたちが凶器片手に少年に襲いかかってきました。

しかし少年は焦りもせずただ一言放った


「標的はオレだろ」

そこからの戦いは見事というものだった。まず痛翔に飛びかかって来たのは高校3年位の髪の長い女性とお前何処にそんな力あるんだよという様なヨボヨボの爺さんが杖を振り回し襲ってきた。もちろん2人共目は赤く光っている。そして2人に対し痛翔はまず手に持っている鞄を足元に置き1人、全体が銀色で持ち手に赤い丸い宝石が埋め込まれた刀を構えて2人と対峙して・・・・・・。

ん?どこからそんな刀が出て来たって。

これは失礼先に説明しなければなるまい。痛翔が治療器具なる物を持っている事は覚えているだろうか?あの刀は簡単に言えばその治療器具が変形した物なのだ。


痛翔オレ 治療器具(ネックレス型)

普段はネックレスの形をしているが痛翔が使った事がある物または見た事がある物や資格を持っている物に形を変形する事が出来て、それだけではなくその変形した物の能力を使える事が出来る例えば銃ならば形だけでなく弾を発砲する事もできる。ただし誤って人を殺さないように威力は落ちる。拳銃ならば弾はゴム弾と言った様に威力は落ちる。また見た事の無い物や、資格も無い危険な物は変形出来ない、また変形した後は必ず治療石は残る。後変形は無機物のみで生き物には変形出来ない。刀など刃のあるものについては切る事も切らない事も本人の意思によって決められるが人や動物などは自動的に切れない様になっている。そして核のみ当たりその他は透ける様にもできる因みにこの力は全ての治療石に備わっている。2つ必要な物で例えばボクシンググローブなどは変化すると治療石も2つに増える事となる。


 では刀の謎が解けた所で戦いの実況の続きに戻ろう。

 2人と対峙した痛翔、まず爺さんが杖を痛翔の頭めがけて振り落としてきた。それを痛翔は見事持っている刀で受け止めた。しかし横から鞄を振り回し女子高生が近づいて来る、その事をいち早く察知した痛翔は受け止めている刀から手を片方離し刀を方手持ちへと変えた。離した方の片手を襲い掛かって来る女子高生に構えて待つ、女子高生は振り回している鞄を痛翔の脳天めがけて振り下ろすそれを首を曲げ体を反らしかわす痛翔。かわされた女子高生はその勢いでこけそうになったが何とか踏ん張るがそこに痛翔が女性だろうと容赦なく頭に拳を食らわす。拳を食らった女子高生は地面に倒れ気絶した。これで女子高生は片付いた、次の相手は爺さんだ。爺さんは相変わらず杖を刀に押し襲い掛かろうとしている、元々の力なのかそれとも狂乱病が原因なのか分からないが中々の力で気を抜くと押し返られそうな力だ。痛翔はその強力な力を逆に利用し爺さんの杖を押さえている刀を後ろに引きバランスを崩させるが今度は女子高生の時のように上手くいかず爺さんはすぐさま踏ん張り脳天へと拳を振り落とす前にかわす。そして体制を戻し再び痛翔へと杖を振るってきた。負けじと痛翔も刀を爺さんに向け杖と刀がぶつかり剣道のつば迫り合いの形になる。一瞬攻防の中痛翔は爺さんの後ろを見て一言言った。

「な!マジかよ」

 その時痛翔の目に映った光景は今まで黙って痛翔を見ていた他の狂乱病患者が一斉にこちらに向かっているのだ。

「ちっ、このままこの爺さんとずっと遊んでるわけにもいかなくなったな。早いとこ爺さんを片付けねえとな」

その様子をナイトールは黙って見ている。

「・・・・・・・」

 爺さんとのつば迫り合いを何とか抜ける為痛翔は力を一瞬抜きそして再び力を入れ爺さんを押す、爺さんが押されこけそうになった所を狙い狂乱病の核である丸く赤い物体をぶっだ斬る。すると爺さんは突然力が全身から抜けたのか杖を手からカランカランカランと落としその場に倒れる。同じやり方で気絶している女子高生の前に行き核をぶっだ斬る。これで本当に爺さんと女子高生は片付いた。

「よし次だ」

 次に相手をする相手は空を舞う鳥の軍団、すると痛翔は刀の形をしている治療器具を今度は拳銃の形へと変形させた。

「銃でまとめて片付けてやる」

 そうは言っても皆様も分かるだろう。銃で飛んで尚且つ動き回っている鳥類という的に当てるのがどれだけ困難で無謀な事か。

 普通の一般人ならばその様に考えるだろう、しかし痛翔は違う根性とか奇跡を信じてのものでは無い。彼には本当に実績があるのだ、小さい頃から傍にナイトールが存在し常に将来の事を考え戦いに役に立つ習い事は全て習ったからだ。

 ナイトールと痛翔の両親はかなり仲が良くそういった習い事もその場のノリで承諾を得た。

 幸いだったのがその事について痛翔自身も乗り気で習い事を楽しんでいたからだ。

 あの博士が目を掛けてただけあり習い事全てに置いて高成績を出しプロからスカウトまでくる始末だ。だがスカウトは断りまた次の習い事する事となる。

 その習い事との中に拳銃を扱うものがあり免許も持っている、その免許を取得したのが小学生の頃の話だ。

 おいおい待て待てだって小学生が拳銃なんて撃てる筈なんてないだろうだって、しかし今の時代でこの世界では撃てるんだなこれが、この世界で「エレニウム」が見つかった事によって世の中は大きく変わった。県が無くなり市がそれぞれ独自の文化や発明をしているこの時代、市によっては毎日リアリティーサバゲーが繰り広げられた市なども存在しそこでは何と幼稚園から銃の免許が取得できる市なのだ、そういう市が多数存在する世の中な為小学生が車を運転したりOLがカンフーを会得し竜のオーラを出したりとそいう世の中だからこそ痛翔は色々な習い事習えたとそういう理由だ。

 とにかく痛翔の狙撃スキルは並大抵でない事が分かる。

 それでは話を戦いに戻そう。

 痛翔はまず自分の真上を飛行する鳥に目をつけ、その鳥に狙いを定め銃口を向ける。

「ふう、ふーーーーっ」

 深く息を吐きながら大空を飛行する鳥の真ん中にある核を狙って撃つ。

(ドン)

 すると見事その鳥の核は粉々に砕け、鳥も正気を取り戻したみたいで目が赤くなくなり何処か遠くへと飛んで行ってしまった。

「よしこの調子で行くぞ」

 その後の光景を見たナイトールは唖然とした。

「なんと、いくら拳銃の講習を受けまして免許を所得しているからと言ってこの光景は見事しか言いようがありませんね」

 ナイトールが見た光景それは痛翔が襲い掛かって来る鳥達の核を見事一発で次々打ち抜いていき、更に横から他の狂乱病患者が攻撃してくるにも関わらずそれを避け銃で鳥の核を打ち抜いていく。

 その光景を見ているとヒッチ●ック作品の映画「鳥」にこの男が出るだけで安心できるそんな事も考えさせてくれる光景だった。

 その行動あってか鳥は一羽も残さずその場を去った。

「よしこれで空中の敵はいなくなった。後はさっきから横で鬱陶しく暴れ待っているこいつらか」

 痛翔が次に相手にするのは先程から横から襲ってくるモブ達と犬や猫といった陸上の獣達である。

 痛翔は先程の戦いから傷1つ付いて無いがスタミナは結構先程の戦いで取られている為あまり長く残りの戦いを引き延ばすのは得策で無いと考える。

 そこで痛翔は拳銃の形からハンマーの形へと治療器具を変える。このハンマーは柄が細くハンマーの部分と持ち手が離れていて全体的に細長いハンマーである。

 そのハンマーをまるでハンマー投げの要領で体を中心に回し敵を追い払う。そして敵が十分離れた所を見計らって少し遠くにいる5人に目を付けハンマーを引きずりながら5人を追い込んでいく、その5人は核が丁度同じ体の真ん中にあった事がすでに奇跡だと思いその5人を綺麗に横一列に並べる様に追い込んで引きずっていたハンマーを横に振り上げ体は透け核だけに当たるように治療器具を設定し、横から一気に5人の核を打ち砕く。

「うし、これで5人片付いた。後何人か分からんがこの調子でどんどん倒して行くぞ」

 その様子を見てナイトールは思った。

「我が護衛対象何だか楽しそうですね」

 これがいい事なのか悪い事なのかナイトールは分からなかったが少なくとも先程まで感じていた罪悪感が少し緩和されたような気がした。

 そんな事をナイトールが考えている時、痛翔は犬・猫と戦っていた。

 犬と猫は顔や腹目がけて飛んでくるのでそれを避けていきその間にハンマーに形を変えていた治療器具を今度はボクシンググローブへと変化させた。

 痛翔は犬と猫の攻撃をかわしつつ隙を見てジャブを食らわしていき地面に横たわっていた所に止めの一発を核のある場所に叩き込む。

 この方法を駆使し、犬・猫軍を何とかすべて倒した。

「あと何人かいるな」

 人間が残り数名残っている事を知った痛翔は治療器具を刀に戻し、残った人々も武装していたが峰内で全員倒した。

「よしこれで全員片付いた。後はナイトール任せた」

「は・・はははい分りました」

「おっとこの間に我が麗しき天使にメールで今日行けない事を報告せねばオレは天使に嫌われて死ぬ」

 痛翔はナイトールが正気に戻った人々を誘導している内にメールを天使事「噓減真美」に送る事にした。

「う~ん文面はどんなものがいいだろう、やっぱり残念感は出しておきたいな~」

 その間にもナイトールは着々と誘導を進めていく、途中あの痛翔がぶん殴って気絶した女子高生が「何で頭が痛いの?」と質問してきても適当な言い訳で何とかその場を抑えていた。

「よし決めた文面は(今日は用事ができて行けなくなりましたすみませんどうぞお先に学校に行っていてください。心よりお詫び申し上げます。図々しいかもしれないですがまた別の機会ありましたらまたお誘い下さい。

PS愛してます❤)よし完璧だこれを送ろう」

 その文面のメールを痛翔は送った・・送ったーーーまじかよあんな文面見たら女子はドン引きするぞ特に最後のやつ恋人でも無いのに送ったらあかんやろあれは。

 気になるから神である私の力を使い噓減さんの場面にしよう。


 はい神パワーーーーーー。


 よしこれで噓減さんの場面になったぞ、さて彼女はどんな顔をするかな。

 赤いポストの前で黒髪ショートカットの女の子が制服を着て鞄を両手で持ち立たずんでいる。そう彼女こそ痛翔が天使天使うるさく言っている女の子「噓減真美」だ。

 チャラチャラした格好では無く今時の若者に珍しい着崩してないちゃんとした制服だ。

 首元のリボンもきっちりしていて全体のバランスがいい立っているだけで絵になって、あいつが天使と言うのもこの光景を見れば納得がいく。

「オレ君まだかな~」

 先程から口を全く開かずに黙っていた彼女だったがここで要約口を開き始めた。

「もしかして何か事故や危険な事に巻き込まれてるんじゃないかな」

 何と察しがいい事か、それにしてもあんな男の心配をするなんてだってこの前の日の夜に彼女の風呂を盗撮し

ようとした奴だぞ、まあ未遂に終わって彼女本人もその事を知らないんだけど。

 事故にあったのではないかと心配になり彼女は急にそわそわし始めた。

「もし事故だったらどうしようやっぱり病院でも警察が先かな」

 考えれば考える程心配になりさっき以上に彼女はそわそわし始めた。

そうしていると彼女のスマホがメールを来た事を知らせる為に着信音が鳴った。

にゃーん。(着信音)

「あっメールが来てる・・・・オレ君からだーー」

 なんだ今のかか可愛い着信音は、おおっとそれよりも遂にあのドン引きメールが彼女の前に姿を現したか。

「えっ・・・・」

 そりゃそうなるよあんなに痛翔の事心配していたのに送って来たメールが酷いもんこれは呆れるか怒るかするな絶対。

「・・・・・・ぷっ」

ぷっ?。

「あはははは面白いなあオレ君はこんな面白くて素敵なメール貰ったら許すに決まってるよ」

 なななな何だと怒る所か笑ったよマジで天使じゃんこの子。

 そう思ったら心の中であいつが痛翔が親指立ててサムズアップして「だろ」と言っている気がして無償に腹が立った。

 さて私の考えとは真逆の結果になってしまいましたがあの痛いメールの決着が着いた所で場面を痛翔とナイトールの場面に戻しましょう。

 それでは先程と同じ様に私の神パワーで戻りましょう。

 うおーーーーー先程使ったからパワーを少し溜めなければいけません。 


 はい行きますよー神パワー。


 はい戻ってきました。お!丁度痛翔が噓減さんからのメールの返事を読んでいる所だ。

「えーっと何何(分かりました。ではまた改めてお誘いします)・・・・」

 お!また誘ってもらえるなんてどんだけ天使何だよあの子と私が感心していると痛翔の体がガタガタと震え始めた。

「お終いだ・・・・」

 は?。

「天使に嫌われたーーーーーもうお終いだーーーーーーーーー」

 はあーーーーー何でそうなるんだよ、また誘って貰えたじゃん何でそんなマイナス思考な考え方にたどり着くんだよ。

「天使のメール顔文字が1つも無かったしメールの内容もどことなく怒ってる感じがするしもうお終いだーー」

 だから何でそうなるんだよお前が送ったメールだって顔文字無かったし、メールの内容に至っては完全にお前の考え過ぎだ。

「ああ憂鬱だ。これから学校でどんな顔して天使と会えばいいんだ」

 会う気ではいるんだ。

 もうこいつの事はほっておこうそれよりもナイトールの様子を見よう。

 ナイトールはようやく狂乱病にかかった人達を誘導し終えた所だった。

「ふうそれにしても我が護衛対象の戦いぷりっは凄まじいものでしたね」

 ナイトールは先程の痛翔の戦いを思い出し、素直な感想を述べた。

「しかし本当に凄かったですね。最初は博士は一体何を考えているかと思いましたが、終わってみると結果良かったかもしれませんね。もしピンチになりでもしましたら私が助っ人として参戦しましたが博士の言う通り私は全くもっていりませんでしたね」

 ナイトールは早朝と打って変わっての意見を述べながら腕の中に入れていたスティック菓子を食べていた。

 ナイトールはロボットなので腕の中に何が入っていても不思議では無いのだ。

「しかし時間はかかってしまいました。今から行けば登校時間には間に合いますが、我が護衛対象と真美様との約束の時間には間に合いそうにありませんね」

 ナイトールは脳内の時計を見て痛翔の方を眺めながら申し訳なさそうにそう言った。

 そうしてナイトールと痛翔の騒がしい朝は幕を閉じたのだった。


えーーーまずは謝罪させて下さい。前に1週間を目安に更新していきたいと思いますと言っておきながら全然更新できていませんでした。本当に申し訳ございません。1週間は難しいかもしれませんがこれからはもっと早く更新していきたいと思います。

それでは気を取り直して今回の話についてですが、ついにバトルシーーンが来ましたよ。こんな感じのバトルですが楽しんで頂けましたでしょうか?更に治療器具も出ましたよ。武器とバトルこれは物語にはたまらないものだと私は考えています。後は能力ですね。今回の話はプロローグの真相と続きが書かれていました、今度のどういった話になるのか楽しみにされていたら嬉しいです。

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