VS豪塚武(ボス戦だよ)
天気は晴れ絶好の休日になりそうな日に更に浮かれている男が1人。
その名は痛翔オレだ。
「やった!やった!天使に連絡入れたら今日一緒に過ごしてくれるってさ、これはデートだ」
「浮かれる気持ちも分かりますがデートの場所は昨日あれ程文句を言っていた皇太子殿下が視察に来る所ですよ」
「何を言っているナイトールよ!皇太子素晴らしいじゃないか日本の事を考えて下さる素敵なお方ではないか、そして俺と天使をくっつけてくれる恋のキューピットでもあるのだから」
「うわ~昨日と言っている事真逆ですねまさに手のひら返し」
ナイトールは呆れてため息をついた・・・・・・・・そりゃあそうだ私だってこんな奴を相手にしているとため息をつきたくなるこんなんがヒーローで大丈夫なのか?。
「任せろ大丈夫だ!大舟に乗った気でいてくれ」
う~わこっちに話振って来た。
こりゃ完璧に調子乗っているな~本当に大丈夫なのか?。
「はい私も心配です」
「ん!銀行が開くまでまだ時間があるな、よ~し余裕を持って準備に勤しむとしよう」
「勤しむって!」
勤しむって!。
普段使わない様な言葉も使って完全に調子乗ってるなー。
まあこっちは大丈夫みたいだ問題は奴だ。
すまねえナイトール!ちょっと野暮用を思い出したから痛翔の事は任せた。
「野暮用ですか・・・・・・・・わかりました。どうぞその野暮用を済ませて下さい」
よ~し必殺神パワー「神ワープ」・・・・・説明しよう神ワープとは瞬時に誰かの場所に行きその者(敵味方関係なく)の語り部として活躍する事が出来るのだ。名前を呼ぶのが初めてなだけで毎回かなりやっている必殺技です。
場所豪塚の隠れ家。
さてと豪塚は・・・・・・・むむむ豪塚が何処にもいないきっともう銀行に行ったんだくそーいやまだ間に合う間に合いすぎる。
よ~し必殺神パワー2「神タイムスリップ」・・・・・説明しよう神タイムスリップとは何と時空を遡る事が出来その時代時間で語り部が出来るのだ。痛翔の過去を話した時に既に使った必殺技。
5時間前!。
「う~昨日は飲み過ぎた・・・・・うん?もうこんな時間じゃねえかよヤバい早く銀行に行かねえと」
豪塚は昨日飲みまくりベッドでは無くソファーで寝ておりそこから飛び起き大急ぎで準備を始める。
昨夜のご飯の片付けは後回しにし必要な物を鞄の中に入れ昨日買っておいたコンビニおにぎりを片手を使い食らう。
約1時間後すべての準備が出来て、車に荷物を積みエンジンを掛け車に乗り込む。
その時豪塚は思った、結構1人でも出来るものだなと。
ブロロと車を発車させ目的地に向かう。
途中皇太子護衛の為の多数のパトカーが横切ったが豪塚はそれを気にしない、むしろ沢山向こうに行ってくれるならと心の中で安堵した。
目的地到着。(銀行から1メートル程離れた駐車場)
「よし見る限りまだ銀行に来ている従業員は大した数じゃ無い準備をするなら早くした方がいいな」
豪塚は銀行の裏手に回りキーボードが持っていた予備のノートパソコンを銀行とケーブルで接続し作業を開始する。
カチカチとパソコンのキーボードを叩き順調に準備が進められていく、それもそのはず今豪塚が行っている作業はもしもの事があった時の為に予めキーボードが用意していたものを手順通りに豪塚が打っているだけなのだから。
キーボードを打ちながら豪塚は言う。
「ほんとあいつ戦い以外は完璧なんだけどな・・・・・・・肝心の戦いがな・・・・・」
キーボードを打ち続け、その手が止まった。
「よーしこれでこの銀行のシステムは全部ハッキング出来たはずだ。後は営業開始時間まで車の中で待機&準備だな」
そう言い豪塚はノートパソコンを銀行と繋がったケーブルを外しさっさと片付け自分の車へと戻って行った。
神ワープ&神タイムスリップ。
そして豪塚が車に入る約3時間前、の警察署内。
「そっちは大丈夫か!」
わーわーわー。(人が大勢慌ただしくしている)
「かなり手間取っています」
わーわーわー。(人が大勢慌ただしくしている)
「もう時間が無いこのまま行きましょう」
わーわーわー。(人が大勢慌ただしくしている)
「ねえ皇太子って結構イケメンよねえ声かけられないかしら」
わーわーわー。(人が大勢慌ただしくしている)
「こら遊び半分で行くんじゃない」
署内は今回の皇太子護衛の任務で大忙しだ、皆準備に手間取ったり予定を確認したり女性は化粧直しをしたりと慌ただしく行動している。
そんな慌ただしい署内にポツンと空気が違う静寂に満ちた場所が1か所。
その場所は以前鈴木巡査が後輩の正義と缶コーヒーを飲んでいたロビーの隅の休憩所だ。
休憩所には勿論のこと鈴木巡査が座っているが、その他にも何人か座っている皆暗く一言も喋らない。
それもそのはずここにいるのは今日の皇太子護衛の任務から外された者達だからだ。
外された理由は色々あるがほとんどが普段から訳ありだとか問題を起こしている人達だ。
だからここにいるだけで問題のある者と認知されるじゃんけんに負けてここにいる者もいるのに・・・・・・。
「ちくしょうもうお終いだーーーー」
「あーーー終わった俺の人生終了のお知らせ・・・・・・・・」
「何であそこでグーを出さなかったんだ俺!」
そう言った阿鼻叫喚が聞こえてくるが、鈴木巡査は気にしない。
腕時計を見て時が過ぎるのを待つ。
そこに鈴木巡査に近づいてくる人物が、警視総監だ。
「うん、横ちょっといいかね?」
「じじいが横に雰囲気がどんよりと暗くなるから嫌でーす」
「「「「「!」」」」」
その返事を聞いて先程まで阿鼻叫喚知ていた面々だけでは無く忙しく行動していた者達も足を止め2人を凝視した。
「はっはっはっは君くらいのもんだよ私をじじい呼ばわりする者も私を厄介払いしようとする者も君と正義君ぐらいしか私は知らない」
「はいはい分かったからその臭い口を閉じろ!」
またも鈴木巡が警視総監に向かって暴言を吐いた為周りがざわざわし始めた。
「おいいいいいいあいつ何言ってんの相手は署長じゃ無いぞ警視総監だぞ」
「それは私ならばいいという事かね?」
「しょしょ署長!」
「だが気持ちは分かる。あそこまでの態度を一番偉い警視総監に向かって出せるのは彼くらいのものだろう、将来彼はとんでもない化け物に変わると私は予測する」
「とんでもない化け物・・・・・・」
そんな2人を尻目に鈴木巡査と警視総監の話は続く。
「分かった君の横に座るのは諦めよう。そういえばこの間の事情聴取は上手く聞き出せたのか?」
「あっはい、それについては満足行く答えが聞き出せました」
「そうかね一体何を聞いたのかね?」
「それは・・・・・・・・」
鈴木巡査は黙り考えた、ここで全て話す訳には・・・・・・・・いや何も話す訳にいかない。
もしここで今日起こり得る事件を話たら、絶対に何人か応援を寄こし手柄が無くなってしまうだろう。それは何としても避けたい。それにもしあの少年の事が他の者にばれたら利用する云々の話じゃなくなるそれも避けたい。
そしてこのピンチを打開する為鈴木巡査が取った行動は。
「プライバシーの侵害だぞくそじじい!」
悪態を付く事だった。
「はっはっはっはプライバシーの侵害かこれは愉快確かにそうじゃのうプライバシーの侵害じゃのう。はっはっはっは・・・・・・・と笑うのはここまでにしてここから真剣な話じゃ」
突然声のトーンが低くなりちょっと驚く鈴木巡査。
「何だよ改まってちょっと急ぎの用があるから早くしてくれよ」
鈴木巡査は腕時計を見ながら言った。
「君の後輩正義君の話じゃ」
「はあ!正義!正義がどうかしたか」
「率直に言おう彼は危険だ。これまでの彼の逮捕記録を見た事あるかね」
「まあ少しは・・・・・・・」
「酷いものじゃろう、いくら相手が凶悪犯とはいえあそこまでしなくていいものを中には瀕死の状態の者もおった。こう言ってはなんだが彼は極端だ彼にとって人間は悪と正義に分類されるだけで他の感情は持ち合わせてないように見える。結論を言うと彼は正義を履き違えてる、そこで鈴木君何とか正義君を間違った正義の道に行かない様に君に案内役をして欲しい」
「案内役ねえ何で俺に?」
「君は彼に一番距離が近い存在だ。そして君からは本物の正義が宿っている様な気がする。まあ正義君の事も君の事もどちらも私の長年の刑事の感なんだけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
鈴木巡査は表情に出さない様に1人考える。
(何が刑事の勘だよ早速大外れじゃねえかよ。後輩の正義の事に関しちゃあ、あながち外れでもねえかもしんねえけど俺が本物の正義?はっ冗談は寝て言えよ俺はたった今から手柄を取られたく無いから事件が起こる可能性を内緒にして更に民間人である少年をその事件に巻き込もうとしているんだぜそんな奴がヒーロー名乗れるかってんだ。むしろ俺の見立てではあの2人こそヒーローだと思うがな。まあ言わねえけど)
会話が終わり鈴木巡査が何度も腕時計を見てそこで警視総監は「正義君の事を頼んだぞ」と言いその場を後にした。
「・・・・・・・・・・・・って事があったんだ」
「ふう~ん」
場所は変わり何故か鈴木巡査と痛翔が並んで歩いている、ちなみにナイトールは2人の後ろをついて行っていいる。
話は少しだけ遡る。
あれから痛翔達は準備を済ませテレビのニュースなどで時間を潰し、昨日ゲゲゲから預かったポメラニアンのゴン蔵に餌をやり家を出た。
ちなみにゴン蔵の餌は昨日の帰りに買って他の必要な物一式を今日買うつもりである。
とにかく家を出た痛翔達が銀行へと足を運ばせていたら途中で鈴木巡査に会い今の状態に至るのだ。
そして鈴木巡査が何故皇太子護衛の任務に行って無いのか不思議に思い痛翔が話を聞いた所さっきの話を話せる所だけ話し今一緒に歩いている。
「ところで鈴木!お前も銀行に用があるとは一体何があるんだ?」
「別に大した事無えよ。皆が皇太子護衛の任務に就いている中、他の所が手薄になるからの見回りだ」
「ふ~んそっか」
痛翔はそれだけ言い、鈴木巡査との会話を終了した。
「ああ何て言いますか?やはり護衛対象と鈴木殿はあんまり仲がよろしくないようですね」
「ロボット君そんな当たり前な事を言ってもらっても困るよこいつの所為で俺は警察仲間から変人扱いされているんだからな」
「てめえまたナイトールの事をロボット君なんて呼び方しやがって、こっちこそてめえと仲良くなるなんて願い下げだ」
2人は険悪なムードに包まれながら目的地の銀行に着いた。
「おいこれは一体どうなってるんだ?」
「さあ私にもわかりかねます」
着いた銀行を見ると入り口は防火シャッターが閉まっており、銀行の周りには人だかりが出来ていてそして何やら火薬の様な匂いも銀行の中からする。
その銀行の様子を見てナイトールと痛翔は何が起きているのか分からず困っており、逆に鈴木巡査はこの光景を見て不気味に1人「にやり」と笑うのだった。
神ワープ&神タイムスリップ。
約2時間前。
「ん?そろそろ銀行が開く時間か」
車の中で銀行が開く時間まで待っていた豪塚が1人呟く。
ちなみに豪塚はゲームをして時間を潰していたよ。
「タイミングが大事だからなーもうちょっと待つか」
そう言い豪塚はまた1人ゲームに没頭する。
ん?何故豪塚は今すぐに銀行に突撃しないのかって、それは先程豪塚も言った様にタイミングの問題だ。
今すぐ行っても銀行内には職員しかおらず人質となる者の数も質も今は大して無い為、豪塚は人質の数と質が良くなる時を狙っている。
そして30分後。
豪塚は黒い鞄にキーボードの予備のノートパソコンを入れ更に自前のサイのマスクを入れ、銃は能力で出せる為所持せず車のエンジンを切りキーを抜き準備を完了させた。
後はサイのマスクを被り銀行に突入するだけ・・・・・・・。
神ワープ&神タイムスリップ。
黒猫のブレイブは朝からそわそわしていた、何故かそれはご主人のあやちゃんと一緒に出かける事になっているからもちろん両親も一緒だ。
「ねえ早く行こうよ~あや待ちどうしい」
「はっはっはっそんなに慌てるなよあや、先ずは銀行でお金を下ろさなきゃねえママ!」
「もうパパったらだから昨日の内に下ろしておけばよかったでしょう?」
「ん~でもねえ昨日は疲れていたから下ろせなかったんだごめん」
あやの両親はどうやらお金を下ろしてから何処かに出かける様だ、豪塚が今まさに狙っている銀行に行く様だ。
朝ご飯を食べ服を着替え、行く準備を済ましブレイブをかごに入れ車へと乗り込む。
車は発進し無事に目的地の銀行に着いた途中パトカーがたくさん通り過ぎてそれを見てあやちゃんがはしゃいだがそれ以外何も問題は無かった。
銀行の中に入り番号札を取り待合室で待つあやちゃん達・・・・・・・・ん~~何だか呼びにくいな良し!ここであやちゃん達の名字を発表しようズバリ名字は・・・・・橋本です・・・・・・・何?そんな溜めてまでの名字じゃないってまあいいじゃないか。
兎にも角にも橋本一家は順番を待っていた、その時だったあの悪夢が再来したのは・・・・・・・・・。
バン!。
突然入口の方から銃声が聞こえ、その方向に皆が一斉に振り向くそこには橋本一家には見覚えのあるサイのマスクを被った男が銃を上に向けて立っていた。
「おいてめえ等全員そこを動くな痛い目みたくなかったら俺の言う事を聞け」
豪塚はそう言うと持っていた鞄の中からノートパソコンを出し何やらカチカチ操作をしている。
皆は何をしているのか分からずただボーっと見ていた。
しかし銀行の職員は冷静にマニュアル通りに隠してある警察に通報するボタンを押していたが不思議な事に反応しないこれには全銀行職員も驚いた。
職員あちらこちらにあるボタンを押したが全部反応しないのだ。
{ふっふっふやっぱりキーボードの奴捕まるには惜しい駒だったな・・・・・・・
・きっと奴も能力が目覚めれば今頃隣にいたんだろうな、うん残念!}
操作が終わりエンターキーを押し作業は終了した。
「良し俺でも分かる簡単な作業だったぞありがとうなキーボード。さてこの状況を見てここにいる奴らはどんな反応をするかな~」
その直後全ての出入り口の防火シャッターが閉まっていく、それを見ていた客達はパニックを起こし一斉にに逃げようとした。
もちろんそれは橋本一家も同じだがその歩みは一瞬にして全て止まった・・・・そう豪塚が能力「無限銃器」を発動させこの銀行内にいる全ての人間の目の前に銃が突き付けられた。
皆恐怖で動けない中、橋本あやだけが動きサイのマスクを被った豪塚に近づいた。
「ああ!やっぱりあの時の嘘つきの悪いおっちゃんだ!」
「ん?てめえはあの時のガキ・・・・・・とそこに入っているのはあの時のくそ猫か」
豪塚はあやちゃんの持っているかごの中に猫がいるのを見てそう言い放った。
「俺はなあお前らに会ってからイライラが日々増してんだよ。あの時が唯一の俺の強盗失敗記念日だ。まったくあんなペットショップ何か狙うんじゃなかった」
豪塚はサイのマスクを脱ぎながらそう言った。
直後、豪塚の前にあやの父親が立ち塞がる。
「それはこっちのセリフですよ。あなた達が来なければ私達は平和に暮らせたんだそれをお前は・・・・・なあ、あやの気持ちが分かるか大切な家族の一員になろうとしていたこの猫をブレイブを失った時のあやの気持ちが」
「分からねえし分かりたくもねえ」
「あやはあの日から無理に元気に過ごし私達に笑顔を見せてくれたいつかブレイブと再会できる日を夢見て、そして再会したと思ったらこれだ!いらない奴とも再会が来るとはなあ」
「さっきから好き勝手に話しやがって動くなって言ったのが聞こえなかったのか?」
パチンと豪塚が指を鳴らしたと思ったら先程までずーっと父親の顔の目の前に会った銃が消え代わりに足元に見た事も無い形状のかくかくした銃が現れ勝手に引きがねを引く。
キュイーン。
その様な音が鳴り父親の足を狙い撃つが足からは血が一滴も落ちていない。
「ぐあああああああああああ」
「あなた!」
「パパ!」
「どうだ最近作れる様になったショック銃という代物でなあ、外傷は無いがダメージを与えられる警察が使っている銃だ。ここ最近警察との対決が多くてな、何とか俺の能力で再現出来ないかと模索した所難無く出来たよこれは俺の能力が進化しているという事だな(嬉)」
自慢げに話す豪塚、あやの父親は足を抑えながらその事を聞いており質問した。
「はあー・・・・はあ・・・・能力・・・・なんだそれは」
「あなた無理に喋らない方がいいわ」
「パパ死なないで(泣)」
涙を流し父親を心配する妻と娘に対し父親は「大丈夫パパは死なないよ」と気を使った返事をする。
「あん?お前この時代に何言ってんだ能力者なんて山ほどいるだろうが?」
そう豪塚の言う通りこの世界のこの時代には人ならざる力を持った者達が多数存在する。それはどれもほとんどが奇跡の原石エレニウムが原因で人知を超えた力を手にする。その大半はエレニウムを使って出来た物を扱う者やエレニウムによって何らかの現象が起き体に変化をもたらした者だが豪塚や痛翔はそのどちらでも無くエレニウムと関係無い力を手にした。狂乱病など訳の分からない病気でその後遺症が能力となって現れたものだ。
そうこう私が話をしている内に銀行内にいる豪塚を除く人間に突き付けられていた銃がいつの間にか全てショック銃になっていた。
「!」
「こっちの方が気兼ねなく打てるからなあ・・・・・・さあ分かったら全員大人しくしているんだ」
かごの中でブレイブが慌てだしかごを自力で開きかごの外に出て威嚇する。
「フシャー」(こいつもう許さねえ)
「おっ!何だくそ猫やろうってのか俺はてめえに受けたこの傷がまだ疼いてしょうがねえんだよ」
そう言うと豪塚は近くにいたあやをあの時みたいに人質にした。
「にゃー(怒)」(卑怯だぞ、またもご主人を人質に取って)
「あやーーくそ何であやばかりこんな目に遭うこの世に神はいないのか?」
父親がそんな事を言い落胆した。
その時だった突然裏の防火シャッターがドアの形に切られてそこから人影が・・・・・・・。
はい!神ワープ&神タイムスリップ
約10分程前、銀行周辺。
「キュイーン」と銀行内で発射されたショック銃の音が外にも響き、その音を聞いた者達はざわざわし始めた。
「何だ?今の音?」
ざわざわ。
「この銀行の中で音がしたぞ!」
ざわざわ。
「一体中で何が起きているんだ?」
ざわざわ。
「うえ~んお母さん!」
「大変だこの子の母親が中にいるんだって」
ざわざわ。
「この銃声は俺の持っているショック銃と同じ物だな。いよいよ始まったかー」
鈴木巡査は突然そんな事を口走り、にやにや笑いながら銀行の方を見た。
「おい鈴木!何にやついてやがるそれに何だこの状況はとにかく警察に連絡しろよ」
痛翔がスマホを取り出し警察にかけようとしたのを鈴木巡査はそれを片手で止めそしてざわざわしている民衆に大声で言い放つ。
「皆様落ち着いて下さい私は見ての通り警察です。今仲間に連絡を入れましたなのでもう通報はよろしいのでどうぞ電話を仕舞って下さい。ただ今日は警察も忙しいので多少時間はかかると思われますのでご了承ください。」
その鈴木巡査の言葉を聞き安堵する者や逆に不安になる者などそれぞれいた。
そんな事はいず知らず鈴木巡査は痛翔とナイトールを連れて銀行の裏口へと移動した。
痛翔は突然何でこんな所に連れてこられたのか分からないが質問をする。
「おい鈴木、さっきの話本当かちゃんと連絡したのか俺はお前のそんな素振りさっきから一度も見てねえぞお前本当に・・・・・・・・」
「なわけねえだろそんな事したら俺の手柄になんねえじゃねえか」
「うわ、清々しい程の悪党ぷっりだな」
「ええ清々しいですね」
痛翔の言う事にナイトールも同意だった。
「先程までちゃんと仕事用の一人称の私を使っていた方とは思えませんねえ」
「それよりもどうすんだ、いくら手柄欲しいからって中が異常な事が起きているのは明白。お前1人じゃあどうにもなんねえだろう?」
痛翔は鈴木巡査がこの言葉でやはり仲間を呼ぶ為にここを離れる事を願った。そうすれば鈴木巡査がいない間に自分が中に入り帰って来る前に解決しようと考えているからだ。
しかし鈴木巡査の答えは痛翔の願いとは違い予想外のものだった。
「そこでお前らの出番だ」
「「!」」
「今中にいるのは恐らく「ガンズ」と呼ばれている男だ。ほら今巷で有名な強盗団のリーダーだよ」
「ガンズ?豪塚の野郎そんな名前で呼ばれていたのかー」
「ほほう、流石だなもうガンズの本名まで分かっているのか・・・・・豪塚って言うんだな」
「それで何故一般人である私達の出番なんですか?」
ナイトールは少し怒っている様な口調でそう告げると。
「くくくく・・・・おいもう嘘は無しにしようぜ!こっちは全て分かってんだよ。お前ら只者じゃねえって事くらい」
「何?」
「やはりそうでしたか昨日の事、全てご覧になってたんですね」
「まじか!」
ナイトールはやはりと納得し痛翔はえっ?本気で分かんなかったわっていう程驚いた。
「それよりも前からお前らの事はずーっと何かあるなと思っていたんだそして昨日の事で確信を得た。お前らはただの高校生とロボットじゃねえって確信をな!」
「やはりあなた要注意人物でしたね」
鈴木巡査の言葉にナイトールは悔しさすらうかがえる声で呟くと鈴木巡査は今度は痛翔の方を勢いよく向き話す。
「お~~~~い痛翔!」
「なななな何だよ?(汗)」
痛翔は今まで1回も鈴木巡査に名前呼びされていないのに今回突然名前呼びされ戸惑った。
「お前、俺の出世の為にちょっと豪塚を倒して来てくんねえかな」
「はっ?」
「ピクッ(ナイトール)」
「だからお前が特攻して来て事件を解決そしてそれを俺が1人でやったと報告すればお前が目立つ事も無いどうだお前は人を救える俺は手柄を得る正にウインウインではないか」
痛翔は考えた。
{確かに鈴木の考えは一理ある俺の性格をよく分かっている。俺は天使が何より1番に考えるが他の人も救ってしまう。例え天使と知らない人2人共ピンチの時俺は迷わず天使を助けるだろうしかしそのついでに見知らぬ人も完璧に助けてしまうそういう性格だそれはレジェンド5のメンバーになったあの日から変わらない他の奴らもきっとそう・・・・・だから今回のこの提案はとても魅力的だ魅力的だが・・}
痛翔は鈴木巡査に向かって言う。
「お前のその心と態度が気に食わん!」
痛翔の言葉に「なっ!」と驚く鈴木巡査とうんうんと頷くナイトール。
しかし鈴木巡査はまたも不気味ににやりと口角を上げすかさず痛翔へ発言する。
「いいのかそんな事言ってお前に拒否権何て無いんだぞ。俺がお前の事をばらしたら警察はどう動くだろうな!・・・・・・まず隔離だな」
「うっ!・・・・・・」
「カチン(ナイトール)」
痛翔はバツが悪そうに唾を飲む。
「俺が言えばお前の自由な生活なんて直ぐ終わりだ」
「うるせえよ(ボソッ)」
「残念だったな既に勝負は決しているんだよ」
「だまれ(ボソッ)」
「つまりお前は俺の言いなりになるしかねえって事」
先程から黙って一言も喋らなかった痛翔も遂に堪忍袋の緒が切れ言い放つ。
「うるせーーてめえ・・・」
「うるせえんだよ黙りやがれこのぴーーーーー✖✖✖✖✖✖✖警察が!」
「「!」」
鈴木巡査はもちろんの事、痛翔も驚いた。かくいう私も驚いた。
だってあのナイトールがいつも敬語よりも丁寧に言うナイトールが放送禁止用語を言い怒りを露わにするのだから。
呆然している2人を尻目に更にナイトールの言葉は続く。
「こいつは・・・・馬鹿でスケベで変態でアホで俺の言う事全然聞かないけど・・・俺はこいつこそ人々をいや世界を救ってくれる立派なヒーローだと思うだからお前の脅しなんて無くてもなこいつは行くんだよ救いに!」
「おいナイトールお前喋り方変じゃねえか?」
「ああ護衛対象、俺は怒りが高ぶると口調が変わるんだ!まあ一種の2重人格とでも理解してもらえればいいや・・・・おい鈴木!」
「はいーーーーー」
鈴木巡査はその場で敬礼しさっきまでの自信と悪党面何処に行ったのやら。
「お前の提案は取り敢えず保留だ!これから行動は全て護衛対象に任せるこった」
「はい!分かりました!」
「良し・・・・・・・護衛対象!」
「何だ?」
「お前はお前の信じるもので戦え」
「ああ」
そして痛翔達はいよいよ銀行に突入・・・・・・・の前に。
「あっやっべー今日って休日じゃん制服着てねえよこのままじゃ蜂の巣だ」
「へっ、大丈夫だこんな事もあろうかと制服を用意しといたぜ護衛対象!」
「ありがとう・・・・・・・・・なあお前今日はこのままのキャラで行くのか?」
「ああ、一度こうなったらしばらくはこのままだからな~」
「そうか・・・・・・・・はあ疲れる」
痛翔が制服に着替え終え、中に入ろうとするがそれをナイトールは止めた。
ちなみに鈴木巡査は先程から敬礼の体制を崩さずにじっとしている。
「護衛対象、こいつはハッキングされてやがるその扉に触れたら警報が鳴るぜ」
「ハッキング!」
「でも安心しろ俺にかかれば・・・・・・・・ほら出来たぜ」
「おお警報も鳴らずに扉を開く事が出来た」
そこから2人は中に入り進んで行く。警報などの装置はナイトールが全て鳴らないようにしている。
進んで行くと何やら話声が聞こえる防火シャッターの前まで来た。
「ふむここをどうするか・・・・・・・・・・」
「そんなの決まってる!ささ出番ですよ先生!」
ナイトールは痛翔のネックレス型の治療器具を指差し煽る。
「俺やっぱお前のそのキャラ苦手」
「そんな事言ってないで日頃の練習の成果ですよ先生」
痛翔はため息を吐くと治療器具を刀モードに変形させ防火シャッターをドアの形に切り中へと入る。
お待たせしました遂に対決です。
中に入るとその光景は異様だった。
そこにいる人達全員の体のどこかにショック銃が突き付けられているそれもショック銃は空中で静止し動かずにいる。
銀行内には職員を入れて50人近くいる。
つまり普通ならば決して1人で強盗出来ないこの人数を相手にこの豪塚という男は何の不自由も無くここにいる全ての人々の自由を奪う事に成功したのだ。
「成程これが前にナイトールが言っていた第1症状ってやつか・・・・・・って事はこれが豪塚の能力!」
「ああその通りだ護衛対象!」
そう2人は話しながら豪塚の方へと歩いて行く。
だが豪塚もそれを黙って見過ごさなさい。
「止まれ!」
豪塚のその言葉に2人は言う通りに止まった。
「ああ待ってたぜお前が来るのを」
一方あやの父親は何が起きているのか全く分からなかった。
それはあやの母親もブレイブもそして人質になっている他の人々も同じだった。
しかしあやちゃんだけはそんな事、関係無く豪塚の片腕に抱かれながらじっと痛翔の方を見ていたその顔は少し赤みがかかっていたがその事に周りの人はおろか本人も気づいていない。
皆突然現れた人物とロボットに一抹の不安を抱きながら2人を豪塚の次に怪しんだ。
果たして彼等は私達の味方なのだろうか?それが気になって皆自分に突き付けられているショック銃など忘れるかのように考えた。
すると豪塚が話す。
「お前に捕まった俺の駒達の仇を取ってやる為にもお前をぶちのめす」
「駒?仲間じゃないのか?」
「ああ、あれは惜しかったもう少しで俺みたいなレベルまで上がり俺みたいな超人になれたのに・・・・・あいつ等は惜しかったがレベルが足りないから仲間では無く駒だな」
「自分が特別だと思っているのか?そしてあいつ等はお前の仲間じゃ無いと言うのか?」
「ああ、その通りだ」
痛翔は思い出した。仲間の事を大切に考えまるで家族の様に考えていたゲゲゲの事を。
「ふざけんなよ!こんな奴の為にあいつ等は・・・・・いや例え真実を知ってもあいつ等はお前の事を仲間と思う事に変わりは無いだろうだからこそ腹が立つ」
「ああ俺も胸くそ悪いぜ護衛対象!」
2人は豪塚に対し激しい怒りを露わにした。
豪塚の強盗団のメンバーをより近くで見ている2人だから分かる、確かに強盗団に入っている時点で悪い奴らだしかし仲間思いで言ったら魅力的な奴らだった。
一方客側は、客の1人がボソッと言った。
「もしかしてあの少年は警察関係者!(ボソッ)」
「(コソコソ)話の内容から彼が強盗犯の仲間を捕まえたと言っていたが彼はどう見ても学生だ!制服を着ているから分かる」
「(コソコソ)えっ!じゃあ彼は学生なのに強盗犯の仲間を捕まえたって事?」
「(コソコソ)結局彼は我々の味方なのかね?」
「(コソコソ)話の内容から彼はあの強盗犯に敵対しているのは分かったが我々の味方かどうかは・・・・・」
そのコソコソ話をもちろん聞いていた痛翔とナイトール。
「どうする護衛対象!奴ら完璧に護衛対象の事疑っているぜ」
「どうするたってお前、確かに俺は鈴木に言われてここに結果来たがその事を自分で言うのは違うと思う」
「じゃあどうするんだよ」
2人の会話を聞いていた豪塚はため息を吐き痛翔に語りかける。
「おいお前確か警察の知り合いがいたよな!そいつに言われて来たのか?」
「はあ、まあ結果そうだがだが勘違いするな俺は俺の意思で今ここにいるそれだけは覚えとけ!」
「はいはい」
すると今度は客達が痛翔達にもはっきり聞こえる声で話した。
「今警察の知り合いがいるって言ってなかったか?」
「ああ俺も聞いた」
「私も」
「てことは彼は我々の味方?」
いよいよ活気を取り戻そうとしている客達に豪塚は更なる希望的情報を渡した。
「かーーーーー大変だなヒーローってのもまあレジェンド5のメンバーであるお前にとってはもう慣れた事か」
その言葉を聞き客達は盛り上がりを見せた。
「レジェンド5ってあのレジェンド5?」
「あの伝説の!」
「あの大火災の!」
「すげえ都市伝説かと思ってた」
「やったーーーあのレジェンド5のメンバーが彼なのか、なら俺達は助かるかも」
その様子を見て痛翔は豪塚に尋ねる。
「おいどういうつもりだ?人質に希望持たせたら不利なのはそっちじゃねえか」
「別に大した理由じゃ無いさ、あいつ等まだ自分の立場ってものを理解していないらしい。あいつ等には終始ショック銃が突き付けられているんだこの状況を何とかしないと奴らに安息はねえ、それを何も出来なずでいる自称ヒーローさんを見てあいつ等はどんな顔をするだろうなって考えただけさ」
「お前本当にいい性格しているよ」
本当にいい性格をしているしかし彼は知らない一度も痛翔のバトルを見ていない彼は痛翔がどんなに自分以外がピンチになろうとそれを全てひっくり返す事の出来る能力を持っている事を豪塚は知らない。
そんな事を知らない豪塚は客達に絶望を味あわせようと客達の方を向き言い放つ。
「おいお前ら盛り上がるのは勝手だが忘れちゃいねえだろうな今お前らの体にはショック銃が突き付けられて」
「今だ、標的指定!標的はオレだろ」
そう痛翔が叫んだと同時にその場にいた痛翔とナイトールと豪塚以外の人々に突き付けられていたショック銃が全部銃口が痛翔の方に向いた。
「なななな何だとーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
豪塚はとても驚いたがすぐさま銃口を元に戻そうとしたが何回挑戦しても無理だった。
その隙も痛翔は逃さなかった。急いでナイトールに指示を出す。
「ナイトール!今のうちに入口の防火シャッターを開けてくれないか」
「任されたぜ護衛対象!」
ナイトールがそう言った瞬間入口の防火シャッターが「ガガ」と音を立てて開いた。
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
その事に気がついた客達は一斉に入口の方を見た。
そしてそのタイミングで痛翔は客達に向かって言う。
「ほらこれで逃げれるだろう。その代わりと言ったらなんだが1つ俺と約束してくれねえか、ここであった事は他言無用で頼むよろしくな」
客達はそれぞれ「わかった」などと返事をし一目散に銀行の入口へと駆けて行った。
「とは言ったもののあいつ等も人間だ・・・・・・何人約束を守ってくれるだろうか・・・・・・おいナイトール」
「もうやってるぜ」
ナイトールが何をしたかと言うとこれは初お披露目だが実はナイトールには痛翔の記憶のみ消せる事が出来るのだ。
サプリ博士はこんな事もあろうかと世界にあるコードを埋め込みそれをナイトールが自由に操作出来る様にした。
そのコードこそが痛翔の記憶のみを消す使用になっているのだ。
痛翔の事が世間にばれない様にする為の博士の粋な計らいだったのかもしれない。
学校でのバトルの時も実は皆が皆黙っているという訳では無く一部話そうとしたのであの時はコードを使いそういう人達にはあのバトルでの記憶を失って貰っていた。
そうやって無事客達が避難を終えるとその場にはまだ避難していない職員と豪塚とその豪塚の人質になっている橋本あやとそのあやの両親と飼い猫のブレイブと痛翔とナイトールだけになった、
だけになったという割にはまだたくさんいますね。
しばらく続く沈黙の中その沈黙を破ったのが豪塚だった。
「おいてめえ等、一体何しやがった。俺の銃を操っただけでなく入口も開けやがってお前ら一体何者なんだ!」
「何者と言われてもなそれはお前がよく知っているんじゃないのか、なあ能力者さんよ」
「ああ護衛対象の言う通りだ。俺達にもお前みたいな変わった事が出来るとだけ言っておこう」
「ふふふふふふざけやがって(怒)」
豪塚は怒り心頭、誰から見ても怒っている様子が分かる。
相変わらず痛翔に向いているこの場にある全てのショック銃を見て豪塚は笑みを零す。
「おいお前の能力が人質共に向いていた俺の銃を一気に自分に引き受ける事だってのは分かった」
「ほうそこに気がつくとは中々冴えてるじゃねえか」
「でもよう俺は気付いちまったんだまだ銃は動かせるってな・・・・つまりお前の能力は俺の銃を操る能力じゃ無いって事だ。だから今ここで一斉射撃を撃ったら果たしてどうなるかな?(ニヤニヤ)」
「ほう」
またも沈黙が訪れる・・・・・・・・・・先に動き出したのは豪塚だ。
豪塚は痛翔に目標は定まっているからショック銃にそれぞれ撃つ様に命令を頭でした。
その間全ての銃に命令する為若干の時間が出来る、その間に痛翔も動いた。
動いたと言ってもその場を動き逃げた訳では無い。
痛翔は自分の首にかかっている治療器具(ネックレス型)に手をかけネックレスをある者に変形させている。
その間ナイトールただじーっと痛翔を見ている。
痛翔があるもの治療器具を変形させている途中で豪塚の準備が整い一斉に四方八方からショック銃の電撃が発砲された。
煙幕で痛翔の姿は見えないがショック銃の音は聞こえる、あちこちから聞こえる「キュイーン」の音がその場にいるナイトールと豪塚以外の者達を不安にさせる。
銃撃が止み豪塚が高らかに笑う。
「がっはははははははこれだけ食らったら流石に生きてねえんじゃねえのやっべーーー俺殺しちゃった☆人を殺さない様に今までやって来たんだけどな」
その様子を見て職員達は口々に。
「嘘、相手はまだ子供でしょう」
「何て事をしやがるんだ」
「俺達も殺される!」
「っていうか何であのロボットはさっきからご主人様が大変な時に見ているだけなんだ?」
その様子を窺っていたあやの父親も頭の中で。
{まずい!このままじゃあやの命も危ない相手は子供でも容赦なく殺す奴だ何としても早くあやを助け出さないと!}
豪塚は機嫌がいいのかまた上機嫌に喋る。
「よしこれであいつ等の仇は取ったな、さあこいつみたいになりたくなかったら大人しく・・・・」
そこで豪塚の声は止まった何故かと言うと煙が晴れ痛翔の様子が見える様になっていた。
そこには両手にそれぞれトンファーを持ちかっこよくポーズを取っている痛翔の姿が。
それを見た豪塚は絶句、ナイトールは腕を胸の前で組み1回頷く。
職員達からは歓声が、あやの父親はそれを見て確信する娘を救うにはこの人の力が必要だと。
その光景を見た豪塚はもちろん焦った。
「ななな何でだよ(困惑)どうして生きているんだよそれにそんな物何処に仕舞ってやがった」
その質問に対し痛翔は余裕を持って答えた。
「何でと言われても、俺はこのトンファーでいなしただけだけど?」
「そんな馬鹿なあの数を全部いなしたって言うのか!」
「いや全部じゃない何か所か当たったしな」
「じゃあ何で・・・・・・・はっ!」
「そう、いや~俺学生で良かったわ~」
つまり痛翔は四方八方から来る電撃をトンファーで出来るだけいなし、他は数か所は食らったがエレニウム製の制服のお陰でそんな大したダメージにはなら無かったと言う。
いや~それにしてもあの数の電撃をいなしたんだから40はあったな~・・・・・・もう化け物だな。
そして痛翔は豪塚がショックを受けている内に距離を詰めあやの父親の横に移動する。
あやの父親は横に来た痛翔コソコソと話かける。
「(コソコソ)君、ちょっといいかな」
「(コソコソ)ん?何ですか?」
「(コソコソ)私は今あいつに人質にされている女の子の父親だ」
「(コソコソ)あ~だから危険を冒してもこの場所でずっと留まっていたんですね納得です」
痛翔はやっとこの人が何故危険な豪塚の近くにいるのかという謎が分かりスッキリした。
「(コソコソ)でっ!あの・・・・・・・顔がちょっと赤い?女の子のご両親なんですね」
「(コソコソ)そうそう顔が赤い?・・・・・・本当だちょっと赤い!まあ何で赤いのかは分かりませんが娘を助けるのに力を貸していただけませんか?」
「貸すも何も俺に任せてあなたは逃げて下さい」
「そのお気持ちだけで結構です。ですがやはり自分の娘私にも何か出来る事があれば何でもい言って下さい」
痛翔は困った、この人の目は絶対に我が子を救うと目で語っているから断れないのだ。
そして皆さんは分かっていると思いますが最後の方の会話では2人共コソコソ話して無いのです。
2人共熱意が強くて言葉が大きくなったのでしょう。
更に痛翔の横にナイトールがやって来て話す。
「俺はその男の覚悟無駄にしちゃいけないと思うぜ」
「ナイトール・・・・・分かったじゃあこの3人であの女の子を助けよう」
「ちょっ、いつの間に俺も数に入れられているんだ護衛対象!」
「何だ違うのか力を貸してくれるからこんなに近くに来たんじゃ無いのか?」
「はあ・・・・分かったよ手伝う手伝えばいいんだろう」
「よしこの人数で何とか・・・・・・・・ん?」
何か視線を感じ足元に目をやるとそこには黒猫がこっちを見ていた。
あやの父親からその猫は「あの女の子の飼っている猫です」と聞き痛翔は再び黒猫の顔を見る。
「にゃーにゃーにゃー」(だんな自分もお手伝いさせて下さいあいつには借りがあ
るのとご主人様を自分も助けたい)
痛翔はもちろん猫の言葉など分からないただ単に「にゃーにゃー」鳴いているだけにしか聞こえないがその言わんとしている事は目を見て理解した。
「分かったご主人様を助けたいんだなお前も」
「にゃー」(その通りです)
「おい!さっきから何ごちゃごちゃ言ってんだてめえ等!」
「あ!(威圧)てめえをどうやってミンチにするか皆で話し合ってたんんだよ」
「なにーーーー(怒)てめえ等こっちには人質がいるんだぞ」
「はっ!(挑発)その状態の何処が人質だ」
見ると左腕でがっちり人質の橋本あやを抱えているが右手のさっきまであやの頭に突き付けていた銃が痛翔の方に向いている。
「なにーーーーどうなっていやがる?」
相変わらずあやちゃんは顔を赤くしてボーっとしている。
「・・・・・・・・そうか!お前の能力は相手の意思関係無くお前に矛先が向く様になっているんだな。たく、化け物染みた能力だな」
「そういうお前の能力ははっきり言ってしょぼいな。だって銃出すだけだろ!誰でも思いつく能力じゃねえか、武器がたくさんあれば最強って思っているガキの考え方じゃねえか」
「てめえは本当に腹立つガキだよなあ。で、お前ら3人とそこのくそ猫が俺の相手をするのか?笑わせるぜ(笑)」
「その笑いが何時まで続くかな?」
作戦はナイトールを解しテレパシーで伝わる・・・・・・本当、ナイトール万能すぎるな。
作戦はこうだ。先に先行しナイトールと痛翔が豪塚の注意を引き付けるその隙にあやの父さんとブレイブがあやちゃんを奪取、一見シンプルな作戦でテレパシーを使う程でも無いと思われるがこの作戦は相手に気づかれては駄目なのだ!シンプルだからこそ1つでもミスをすればそれはたちまち大きくなる。その事を分かっているからこそテレパシーという相手には絶対ばれない方法を取った。あと猫にも伝わるからね!。
その事を頭に入れ3人と1匹は行動に移った。
先ず痛翔が能力発動しつつ豪塚に近づき注意を逸らす。
次にナイトールがそれに続き痛翔とは反対方向にナイトールが動く、その隙にあやの父親が豪塚の左腕に抱かれているあやちゃんの方に近づく、幸いナイトールと痛翔の活躍のお陰で豪塚は父親の存在に気付いていない。
いや、気付かされない様に痛翔達にさせられている。
痛翔達は豪塚が手に持ったショック銃を乱射しそれをかわしているのだが何かおかしい。
豪塚のショック銃が当たらないのだ。そんなにかわしていないのに痛翔達に当たらないのだ、それにいくらこっちに気を取られているとは言えあやの父親は気付けばもうあやちゃんとの距離が手を伸ばせば届く距離にいるのに全く気付いていないこれはどうした事かと痛翔達は不思議がった。
「う~~~頭痛え~~~昨日飲み過ぎたなこれはマジ何で俺あんなに飲んだんだろう?」
ふっふっふっふっふはーーはっはっはっはっはーどうだ神の裁きを食らったか!私のこの語り部という力でこいつにたらふく昨日夜は酒を飲ませてやったわーどうだ。
「へーやるじゃねえかお前見直したぜ」
「護衛対象の言う通りほんとにありがたいぜ」
そして豪塚の腕に飛び付くあやの父親。
「うわ!てめえいつの間にくそ頭が痛くて思う様に動けねえ何でだ。だっておかしいだろうさっきまで平気だったのにまるで辻褄を合わせたかの様に今この大事な時に痛くなりやがるんだから」
ふっそれも私の能力の1つその名も「神再生」これは起こり得る現象を私の好きなタイミングにする事が出来るのだ。
「いやいやお前ちょっとずるくないか?流石に豪塚にこれは同情だわ」
・・・・・・・・・さて、あやの父親は豪塚の腕に必死にしがみ付きそして豪塚の服の袖を捲り上げた。
「おーい・・・・・・・無視か」
そこには以前ブレイブによって付けられた傷がありそこに向かって背を低くし迫っていた黒猫のブレイブが爪を出し高くジャンプし傷のある場所を引っかいた。
「ぎゃああああああああああああああああああああああこのくそ猫!2度もやりやがったな」
豪塚が叫ぶと同時に傷口から大量の血が噴出した。
うわ~痛そうナイトールと痛翔も私と同じ感想だろう2人共「痛そう」と言う表情をしていた。(ナイトールは雰囲気だった)しかしそれでも豪塚は痛みに耐え人質のあやちゃんを離さない。
懸命に引きはがそうとするあやの父親だがそれに答える様に何処にそんな力があるんだと言う力で応戦する豪塚。
そこで痛翔は渾身の拳を豪塚の腹目掛けて放った。
するとどうだろう豪塚は、くの字に曲がりあやちゃんを遂に離しその場で疼くまり口を必死に押さえている。
あやの父親は我が娘を抱き抱えすぐさま豪塚と距離を取りあやの母親の元へ走って行った。
一部始終を見ていたあやの母親はあやちゃんが近くに来るとすぐさまその手で抱き涙を流し喜んだ。
一方、豪塚はゴミ箱を見つけるとその場所に走りその中に嘔吐した・・・・・・・・・嘔吐したーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
「ん?どうした嘔吐したのが不味いのか?」
まじいに決まってんだろ!二日酔いで気分が悪くなったら吐く、そしてその後必ずスッキリする。しかもお前が放った一撃は相当なものだきっと全部吐いちまうぞ。
「いや~それほどでも~(照)」
褒めてんじゃねえどこぞの嵐を呼ぶ5歳児みたいな反応してんじゃんねえ、ほら来るぞ。
「あ~~~~~スッキリした人質もいなくなったし、俺が捕まるのも時間の問題だな・・・・・・・せめてそこにいるくそ猫とレジェンド5のガキをぶっ殺さなきゃ気が済まねえな」
「ん?猫?」
見るとまだブレイブは痛翔の近くにおりどうやら豪塚の相手を一緒にしてくれるみたいだ。
「にゃあにゃあにゃー」(ご主人様助けて頂きありがとうございました。その恩返
しとしまして自分もこいつを倒すのを手伝います)
「・・・・・・・・やべえ全然分かんねえ(汗)」
私は分かる~~~~~。
「腹立つなー(怒)けど・・・・・・・・おい猫!言っている意味は分からねえが言わんとする事は理解した。
どうせお前、俺と一緒に戦おうとしているんだろう・・・・見くびるなよ猫!あんな奴俺1人で十分だ寧ろお前
は俺の足手まといになる。だからお前は飼い主の所に行きその元気な姿を見せ安心させそして守ってこい」
「にゃー」(分かりました)
一鳴きしブレイブは痛翔の下を離れあやちゃん一家が待つ場所へと駆けて行った。
そして残った痛翔と豪塚は睨み合っていた。
「はっ!良く逃げずにいたなお前褒めてやる。だがそんな何処に隠していたか分からんがトンファーで何が出来
る」
「ふっ、お前こそまだ分からないのか?このトンファーがただのトンファーじゃ無い事にな」
そう言い両手に持っているトンファーを合わせると皆様にはお馴染みの痛翔の刀になった。
「なななな何だと!お前の能力は確か攻撃を自分に引き寄せるだけだったはずなのに何だその力は!」
「それについては俺が話そう。護衛対象が持っているのは治療器具と言ってお前みたいな狂乱病患者を治す為の
道具だ、そしてその道具にはある特殊な能力が備わっているそれがさっきのやつだ」
「何だよそれ!ずりいじゃねえかそんなの」
「じゃあお前もこっち側に来るかもっとも護衛対象が許すかどうか・・・・・・」
「俺は罪を償ってくれれば別に文句は無えが」
「ふざけるな誰がそんな事するかーーーーー」
痛翔は「そうか」と一言、そして刀を持ち戦闘態勢に入る。
その様子を橋本一家は見ていた。
あやちゃんはようやくその口を開き両親に話をする。
「ねえパパママ、あやねえあのお兄ちゃんの事最後まで見たいんだけどいいかな?」
「何を言っているんだあや、ここは危険なんだ早く外に避難した方がいい!」
すると今度は母親が父親に話す。
「ねえあなた、私はずっと見ていただけで発言権無いのだけれどあやの言う通りもう少し離れた安全な場所で見
る事は出来ないかしら」
「ママまでどうしたんだ?」
「だってあの赤い髪の子私達の為特にあやの為に頑張って頂いたのよ!もちろんこれから私達に出来る事は何
も無いわでも最後までこの戦いを見届ける事は出来るのじゃないかしら。それにあやもどうやらあの赤い髪の子
の事気に入ったみたいだしね」
母親は同じ女としてあやの変化に気付き感づいたのだ。
そうあやちゃんは痛翔に一目惚れしたのだ、先程からあやちゃんの顔が赤いのは病気でも興奮しているのが原
因では無く、単に痛翔に見惚れていたのだ・・・・・・・・・・・・・・全く罪作りな男だねこのこの。
当の本人は、豪塚と睨み合って全く聞いていないが。
そして母親の言葉を聞き父親は顔を真っ青にしてあやに尋ねる。
「あや・・・・・・・・・本当にあのお兄ちゃんの事そのすすすす好きなのか?(震えながら)」
「あやねえ・・・うんお兄ちゃんの事好きみたい(顔を赤らめて)」
そう言った瞬間父親は気絶した。
そして父親を担ぎ母親が今より離れた安全圏に移動し、あやとブレイブも後について行く。
痛翔と豪塚は相変わらず睨み合っているが、ついに動いた先に動いたのは豪塚だった。
この静かな時間が余程嫌だったんだろう豪塚は「うがー」と叫び両手に能力で出したマシンガンを装備し痛翔
の元に迫ってくる。
痛翔は例えマシンガンを撃たれても蜂の巣になる事は無い何故なら痛翔は今制服を着ているから前にも説明
したがこの制服はエレニウムが使われており戦車でもびくともしない代物だ。例え顔に弾が当たってもエアロス
キンで守られているから無傷だ、ただ傷は無くとも衝撃もいくらか吸収されるが100%では無いその為全ての攻撃
に当たる戦法はいくらこの服を着ていたしてもお勧めはしない。
それも痛翔は分かっているので先に豪塚の懐に入り込みマシンガンを立った斬る。
マシンガンは音を立てて砕け散り地面へと落ちたがそこで痛翔は手を止めずにすかさず刀を峰の方を相手に
向けそして叫ぶ。
『峰打ちの連鎖』
そうこれが痛翔の数ある内の必殺技の1つ『峰打ちの連鎖』。その技の全容はと言うと簡単に言えば相手を刀
の峰打ちでしばきまくる事だ。しかしこれはそこまで単純な技では無い、相手をしばく為に右へ左へ上へ股の間
を通り下へと縦横無尽に駆け回り相手の急所となる場所あるいはツボに当てていくのだから余程の体力と集中
力が必要で痛翔位しかできない必殺技なのである。
痛翔は先の説明でもした様に豪塚の周りを物凄い速さで右へ左へ上へ下へと駆けて行きその都度豪塚にダメ
ージを与えていくそれは周りからは速すぎて丸いボールに見える様になっている。
「くそーちょこまかとゲホ動きやがって」
「まだ余裕があるな効いてないって事は無いみたいだけど・・・・・よし次で決めるか」
そして痛翔は渾身の力を籠め豪塚の腹に一撃を叩き込んだ。
「ぐわーーー」と叫びながら壁に叩きつけられる豪塚。
その様子を見ていたあやちゃん達は(父親は未だに気絶中)大いに喜んだ。
「やったーママお兄ちゃんが勝ったよ~」
「あらほんとねえあの攻撃を食らったらあの強盗さんももう立てないじゃないかしら」
「いや油断は禁物だと思いますがね俺は」
「「・・・・・・!」」
突然の知らない人の声にあやちゃんも母親も(父親は気絶中)びっくりし声のした方を向くとそこには鈴木巡査がいた。
鈴木巡査は今だ固まっている2人に対し優しく声をかけた。
「これはこれは突然失礼いたしました。本官は鈴木と言います今あそこで戦っている彼ね実は本官の知り合いでして本官は彼に協力を依頼したんですよ」
そこで固まっていた母親が我に返り鈴木巡査の言葉に答える。
「協力ですか?」
「はい、年端もいかない少年にこんな事をさせているのは心痛いものですがこれは彼が進んでしている事ですし最近ごく一部の警察で決めた事なのです。何らかの特異な力を有している者を護衛として付ける事になっているのです」
「なるほど!だから先程からあのロボットさんはあの赤髪の少年の事を護衛何々護衛何々と言っているのですね」
「ロボット?・・・・・・・(チラ)」
鈴木巡査は先にいる痛翔の近くを見る。
{ああナイトールか確かにあいつ痛翔の事「護衛対象」って言ってたな俺も何でそう呼んでいるか分からんが、まさに怪我の功名って奴だ上手くこの母親は勘違いしている。問いただされるのも面倒だしこのまま話を合わせるとするか~}
そう考えを纏めて鈴木巡査は母親に向けて再び笑顔で答える。
「そうなんですよいや~あのロボット君にも参ったですね~トップシークレットなのに」
「う~~ん?」
「どうしたのあや?」
話を聞いていたあやちゃんが何やら不思議そうに鈴木巡査を見ている。
「う~~んとね、ねえおじちゃん何だか嘘ついて無~い?」
「(ギク)何の事かな?お嬢ちゃん、それにおじちゃんじゃ無くてお兄さんだよ」
「そうよあや!失礼な事言わないの(めっ)あのそれであやの言う通り嘘とかついてませんよね?」
{はーー何このおばはんも訳分からねえ事言ってんだ普通子供のあんな戯言を鵜呑みにするか?}
鈴木巡査は気味が悪くなりこの親子との会話を切り上げる事にした。
「ではそろそろ相方のあいつの元に行かないと幸い強盗犯も動かないようですし・・・・・・・」
「ほらまたおじちゃん嘘ついた!」
「うるせえーガキこの俺様が嘘ついたかどうか何て分かるはずもねえくせに粋がってんじゃねえ・・・・・あっやば」
そう言った時に恐る恐る母親の方を見たら予想通り怒り顔だった。
「突然なんですか娘をガキ呼ばわり、それがあなたの本性だったのですね(怒)」
「うがーうるせんだよババア!俺の勝手だろうが。ああもう止めた営業モードはもう終わりだ素で行く」
我慢できなくなって遂に本性を現した鈴木巡査、元々鈴木巡査は接客などの客相手は全般的に駄目で痛翔達に振り回されて変人扱いされているが彼自身この事が原因で変人扱いされている事を彼はまだ気づいていない。
もちろんこの性格だ嘘をつくのも嫌なのだろう今も「あ~~」「う~~」と頭を抱え唸っている。
こちらは主人公サイド何やら後ろでやあやあ言い争いが起こっている事を気にする痛翔。
「何だ?鈴木の野郎突然現れたと思ったら何人質になってた女の子の母親と言い争い何てしてんだ?」
「確かにそっちも気になるが今は豪塚の事じゃないのか護衛対象!」
そう言いナイトールは豪塚が突っ込んだ壁の方を指を指す。
豪塚が壁に激突した瞬間に煙が立ち周りの状況が見えない。
「多分気絶してんじゃね?ほらあの父親の様に」
痛翔が見ている方を見ると鈴木巡査と言い争いをしている母親の足元で何故だか気絶しているあやちゃんの父親がいた。
「いや念には念を入れた方が良いぜ大体なあ護衛対象、さっきからフラグ立ててないか?」
「そんな事は無いぜだからそんな疑いの目で見るな大体なあお前・・・・・・・」
その瞬間突如、痛翔に向かって何かが豪塚の倒れていると思わしき煙の中から物凄いスピードでぶつかって来た。
その痛翔にぶつかって来た物体の正体は豪塚の撃ったロケットランチャーのロケットだ。
そう豪塚は痛翔の必殺技を受けてもなお意識があり、わざと煙をスモークガン(この世界に存在する煙を出す銃の事)で出し相手から見えなくしてこのタイミングで攻撃に移ったのだ。
何という姑息な奴なんだ。
そして大きい一撃を食らった痛翔は咄嗟の事で頭が回っておらずガードも出来ずに今度は痛翔が豪塚の反対側の壁に激突する形となった。
「お兄ちゃん!」
突然の事に鈴木巡査もあやちゃんの母親も唖然と見ているしかなかったがあやちゃんは痛翔が飛んで行くのをずっと見ていて痛翔の元へ駆け寄ろうとしたが気を戻した母親に止められた。
「ダメよあや!」
「離してお兄ちゃんがお兄ちゃんが」
「今あなたが行ってもあやが危険になるだけよ。ママねえそれだけは絶対に許さないからね(怒)」
「ママ?」
言っている意味はまだあやちゃんには分からなかったがあやちゃんは痛翔の元に行くのを止めた。
何故なら母親が大粒の涙を流してあやを見ているからである。
あやちゃんは意味は分からなくてもママを泣かせるのが嫌だから行くのを止めたのだ。
そして母親があやちゃんを抱きしめると今度は鈴木巡査の方を見て言った。
「あなた!警察なんでしょう。事情はよく分からないけれどあの強盗犯に直接手が出せなくても今壁に激突して私達の為に戦って頂いているあの少年に声をかけたりする位は出来るのじゃないかしら」
「な!何で市民のあなたにそんな事をいちいち言われなきゃならねえんだ俺の勝手だろう」
「あなたそれでも市民を守る警察官ですか?自分は蚊帳の外で高みの見物を決め込めて頑張っているのはあの少年じゃないですか、いいから行って来て下さい(怒)」
母親に背中を押されそのまま痛翔の倒れている壁に押し出された。
「ちくしょう、これじゃ俺の計画が狂ってくるじゃねえかあのババア」
鈴木巡査はぶつくさ文句を言いながら痛翔が倒れている元に向かい声をかけた。
「おい、いつまで寝てんだ役立たずお前が寝ている間になあ俺はあの奥さんに小言を言われてイライラしてんだ。いい加減立ち上がってさっさと俺の為にあの豪塚っていう強盗犯倒してこいそれとも、もうくたばっちまったか悪い悪い何だ墓場は・・・・・・・そうだなアイスの当たり棒辺りでいいか?良しそうと決まったら早速アイスを食いまくって当たり棒を探さなきゃいけねえな待ってろ俺の腹下されようと必ず見つけて見せるからなう~ん何て俺って優しいんだ後それから・・・・・・・」
「長いわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
鈴木巡査は突然の声に少しビクッと体を揺らしたが直ぐに人を見下した様な目に変わり痛翔に返答する。
「おや、遅いお目覚めで眠り姫様!」
「誰が眠り姫じゃ!ちくしょう黙って聞いていりゃ好き勝手言いやがって役立たずだあ(怒)だったら手前が戦えや、くたばっただあ(怒)人を勝手に殺すな!そして何より許せねえのは死んだ人間を弔う方法がカブトムシ程度じゃねえか、何当たり棒が出るまで腹を下してでも探してやるだ、格好悪い事格好つけて言ってんじゃねえ後これだけは最後に言っておく俺はお前の為に戦ってんじゃねえからなあ!」
そう言い終えると「見とけあっという間にけりつけてやるからな」と言い豪塚の元に向かった。
鈴木巡査も先程から痛翔と豪塚の戦いを見ていた定位置に戻るとそこにどかっと胡坐を掻き座り込むふと先程小言というか文句を言って来た母親の「うふふ」と言う笑い声が聞こえてくる。
「何だ今度は気色悪いなあ」
「あらやっぱり口は悪いのねでも、あなたあの男の子と上手くいってないかと思ったけどさっきの会話を聞いていれば・・・・・・・・どうやら私の勘違いだったみたいね」
「はあ?お前大丈夫か頭!あの会話を聞いて何処が俺とあいつの仲が良いと思ったんだ?全く持って意味分からん」
「うん、お兄ちゃんとおじちゃんとても仲良しに見えたよ」
そう言われると鈴木巡査はプイと横を向いた。
きっと照れ隠しだろうあいつ。(ニヤニヤ)
一方鈴木巡査から元気?を貰った痛翔は元の場所に戻り前を見た、そこには腹を押さえ片手でロケットランチャーを担いでる豪塚の姿があった。
「はあ~何だよ全然元気じゃねえかやっぱり学生ってのはずりいなあ。何が子供を守る為の処置だよ、そのおかげでこんな化け物が出来ちまったじゃねえか」
「へーーその化け物が犯罪者をぶっ倒す事になるとは中々上手く世の中出来てんじゃねえか」
「てめえ・・・・・・まあ何だてめえはさっき必殺技で俺に一撃食らわした。そりゅあ考えるよなこんな特殊な力を持っちまったら必殺技の1つくらい考えるよな普通、頭はいつまで鼻垂れ小僧だって事だお前も俺も!」
その瞬間豪塚の背後から拳銃を初めロケットランチャー・マシンガン・ミサイルランチャー・スナイパーライフル・ガトリングなどなど数々の兵器が現れ全て痛翔に狙いを定めている。
「ターゲットロックオン・全弾発射フルオート粉々になれ「リトルウォー(小さな戦争)」」
キュイーン・ダダダダダダダ・ズガガガガガガ・ヒューーーーーードカンと音だけが激しく聞こえ痛翔の周りは着弾した弾で作られた煙で全く様子が窺えない今度は豪塚と痛翔の立場が逆になった。
その攻撃はしばらく続き痛翔の安否が気になる所、な~に私は信じてますよこれくらいの攻撃じゃ我らがヒーローはびくともしない事を。
ガトリングが回転を止めようやく静かになった現場煙も晴れて来て豪塚が満足そうに痛翔の立ってた場所の方を見る。
「さてと、あいつはどうなったかな頼むからこんな昼間っからグロ画像を見せてくれるなよ子供もいるんだから」
そして煙が完全に晴れ痛翔の姿が露わに、その姿は傷は負ってないが全身ボロボロだった。
うん私の予想見事に外れたね。
制服は薄茶色に黒焦げ制服の至る所に破れが生じている、無事で傷1つ無いのは持っている治療器具だけだ。
「ちえーー何だよ格好がボロボロになっただけかよ、相変わらず渋てえなあ」
「いやいや謙遜する事はないんじゃないのかあんなにお偉い方自信満々に作って出来たこの制服をここまでボロボロにするんだもん誇っていいと思うぞ。ただ必殺技のクオリティーはいまいちだったな(笑)」
「へっそうやって調子に乗れるのも今のうち・・・・・・今度の技を食らってもそんな軽口を叩けるかな?」
そう言うと今度はさっき出した・・・・え~っと「リトルウォー」だっけ、ぷっ(笑)!に使った武器を消し今度は沢山のスナイパーライフルが豪塚の背後から出て来た。
「さーて今度のは大丈夫かなどうだろうなヒーロー」
その掛け声と共に全てのスナイパーライフルから赤いポインターが痛翔の腹部辺りを狙っているそして。
「さあ狙い撃ちやがれ「ピンポイントシューター」」
「馬鹿か狙いが分かってたら防ぐに決まってんだろ」
そうして痛翔は腹部に当っている赤いポインターの前に刀を構え防御に移る。
しかし事態は予想外の動きを見せる。
スナイパーライフルから放たれた弾丸が明らかに痛翔の体に当たっているポインターとは違う右胸に向かっている。
「しまった!これは囮か」
「はっ、今頃気づいても遅せえよ。そんなポインター何て分かりやすいもん俺がわざわざ当てると思うか?」
確かにあんなどうぞそこに当てますよなんて言っているみたいな事こいつがする訳が無い。でもポインターは元々目標を定めるものそれなのにそれ無しで目標に当てる事など出来るのか・・・・・・・いや出来る。痛翔がいい例だ、痛翔は最初の方で空を飛ぶ無数の鳥を見事核のみを撃ち抜いているそう言った事は普通じゃまずありえない!彼がこの物語の主人公だから?それもあるが彼は狂乱病に少しかかっている体なのだ狂乱病にかかると厄介な事も多いが利点もあるのだ。特殊な能力もそうだが身体能力も底上げされる様になっている、だから痛翔は人間ではあり得ない事が色々と出来る。そして同じく・・・・・・いや痛翔よりも狂乱病に深くかかっている豪塚はそれ以上の身体能力を持っている、ただ彼の攻撃方法に合わないから今までお披露目する機会が無かったがようやく今の攻撃で初お披露目となった。
話を戻します。
痛翔はすぐさま反応したが銃弾の方が早く彼の右胸付近に弾丸が1つまた1つとその弾丸の後ろに縦一列で電車の様に繋がりそのまま痛翔の右胸に当たった。
「ぐっは!」
痛翔は制服のお陰で傷は出来ていないものその衝撃は凄まじいものだった、まさに心臓が止まるかと思った。
「くそーこれでも駄目か渋てえな~」
「生憎それも俺の長所の1つだからな。それをよりも見つけたぜお前の弱点!」
「弱点だあ?」
「ああ今からそれを証明する」
そう言うと痛翔は豪塚目掛けてダッシュし、距離を詰め刀を構える。
「速い!(驚)」
豪塚はあまりの速さに目を疑った、「まだこんな体力があるのか!」と。
「ほらどうした攻撃しろよ」
豪塚は慌てて小型銃を出し痛翔に向けようとするも近くに来た痛翔にそれを刀を持っていない方の手で弾かれる。
「くう(汗)」
「思った通りだお前は接近戦向いてねえだろう」
そう痛翔の言っていた弱点とはこれの事だった。
「いくら俺よりも身体能力が上だからと言って人には向き不向きがある!お前の性格とその体系後お前の必殺技で確信が取れた。お前の性格上楽して勝ちたいだろうしそのガタイでしなやかな動きが出来ないだろうし何より必殺技が2つ共俺から距離を取らなければならないものだったそれで気がついたんだお前は近接戦闘が苦手だとな」
豪塚は黙って下を向いていた、だが突如笑い出し痛翔に向かって喋り出しその手は足元にある鞄の中をごそごそ漁っていた。
「くくくくくあっはっはっはーーーー」
「何がおかしい?」
「いや~見事な推理だったよだがなそれも俺の狙い通りだったらどうする?」
「何?」
すると素早く鞄の中からガスマスクを出し頭に被った豪塚を見てやばいと悟った痛翔はその場を離れようとしたがそれを豪塚の片手が痛翔の片手を掴み離さない事で阻止された。
険しい顔になる痛翔、顔は見えないがガスマスクの中から笑っている豪塚、2人は睨み合い・・・・・不意に痛翔が後ろを向きナイトールに向かって叫ぶ。
「ナイトール!たぶん奴は毒ガスを出すつもりだ。後ろにいる勇敢な職員さん達と好奇心旺盛な家族と役に立たねえ警察官はお前に任した」
「護衛対象は!」
「俺の事は気にすんな、な~~に軽くやってやるよ」
「その強がりも何時まで続くかな?」
豪塚は痛翔の片手を握っている反対の手で鞄からスプレー缶を出し痛翔の顔の前に突き出す。
「おいおい冷や汗が出てるぜ・・・・・・・・それじゃあ行くとしますか」
豪塚がスプレー缶のトリガーを引き中からガスがブシューと放出される。
流石のエレニウム製の制服でもガスマスク機能は付いていない。危うし我らがヒーロー、果たして痛翔の安否は?。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!。
静寂の中、ガスが何故だか急速に引いていき豪塚が見た光景は。
何とそこには何事も無かった様に顔色1つ変えずに立っている痛翔の姿が。
「ばばばばばば馬鹿な!何でお前は無事なんだ。まさか毒が偽物だって言うのか」
豪塚は頭巡らせた。
{いやそんな筈は無い現にこれは闇市で購入した物、まさか偽物の筈が無い。それに俺は見た!少し遠くで毒に耐え切れなかった蠅の体が破裂したのを、それぐらいの威力だ全く効いて無いって事は無い筈だ}
豪塚が考え込んでいる内に痛翔は何やら後ろを向いて親指を立てサムズアップしている。
その相手はナイトール、豪塚がナイトールの方を見ると更に驚いた。ナイトールの体中が通気口の様になりガスを少しも逃さず全て吸引している。そうガスが何故急に引いて行ったかの理由はこれが原因だったのだ。
ナイトールは全てのガスを吸引した後それを浄化し今度は綺麗な空気にして外へ放出した。
「いや~護衛対象何とか後ろの皆様が被害を被る事を阻止しましたよ」
「ありがとうナイトールお前すげえなやっぱり!・・・・・・・・ん?お前いつの間にか口調戻ってるぞ!」
「そういえば・・・・・・・きっともう全て出し切りまして落ち着いたのでしょう」
「うん、俺はやっぱりこっちの方がいいや」
そう言って2人は向かい合って笑いあった。
ホント仲いいなこの2人、正に相棒だな。
「おい(怒)笑ってんじゃねえよこっちとら全くもって訳分かんねえ状態なんだよ。ガスが引いた理由は分かったそこにいるロボットが綺麗に浄化したんだろう、じゃあこいつが毒で死ななかったのも何かそこのロボットがやったからなんじゃねえのか?」
「先ずガスマスク外して喋れよ!後何?ナイトールが俺に何かして俺は効かなかったかって?」
豪塚はまだ諦めていなかった痛翔に毒が効かなかったのは何かトリックがあると睨んだ豪塚はそのトリックを聞き出し今度はそれに気を付け次こそ毒ガスで痛翔を仕留めようと考えていたがその質問の答えは結果的に豪塚を恐怖に突き落とす。
痛翔の代わりにナイトールが説明する。
「私は別に何もしていませんよ。護衛対象は簡単に言いますと・・・・・・・・・・・ある1つの事でしか死なない体質なんですよ」
「はっ?」
読者の皆様には言っておきますが体質とは少し違います。最初の方で話していたのを思い出して頂きたい、狂乱病には症状に段階があります。そしてその段階は第0~第4まであります、症状の説明はもうしたので省きます。で、我らがヒーロー痛翔は第1症状が発症し能力「標的指定」が使えるのはご存知かと思いますが、実はそれだけでは無く痛翔は第2・第3を飛ばして何故か神の力を得る第4症状も常に発動しているのです。これが何故発動しているのかは分かりませんし、何故?第2・第3を飛ばしたのかも不明である。そしてそのまだ全ての力は把握されていないが今分かっている時点での第4症状の現状を教えよう。
痛翔オレ 第4症状 神的現象「たった1つの事でしか死なない体」
痛翔の注目の欲の力が神的現象を引き起こした結果。注目の欲が死因をたった1つに注目した結果、自然死の老衰以外では1つのこと以外ではどんな事があろうと死なない。また人間離れした現象だが怪我もするし病気にもなり普通の人間の様に振舞えるあくまで自分の死に直結する事が起きた場合発動し生活には何の違和感も無い。更に普通人間はちょっと汚い話になるが死ぬと筋力が弱まり排泄物が出てしまうと言われているが痛翔の場合その1つの事で死んでも心臓が止まるだけで体の機能は働いているという疑似死体状態になる。そして何時でも生き返る事が出来る・・・・・・・ん?それではまるで死んでも生き返る事が出来るではないかだってその通り痛翔が死ぬ唯一の方法は生き返る事も出来るその方法とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
これで私が今伝えられる情報は全て話した・・・・・・何?肝心の死ぬ方法を話して無いだってそれは私にもまだ分からない情報がこれしか入って来なかったから仕方無い。
ナイトールが狂乱病の事を伏せて今私が説明した事を豪塚に話した。
えっ?何で狂乱病の事を伏せたかって、だってもしほぼ不死身の理由が狂乱病関連だって奴が知ったらそれは奴にとって恐怖では無く希望に変わるからだ。もし言ってしまったら自分も狂乱病に罹っているから自分も神になれると知りどんな事をしてもこの場を逃げ切る気持ちになるだろう。しかし現実はナイトールがそこまで見越して狂乱病の事は伏せたので今奴には恐怖しか無い。そんな豪塚は先程の態度とは一変し・・・・・・・。
「ななななななな何だよそれ、本物の化け物じゃねえか!」
豪塚は1歩また1歩と痛翔と距離を取り今にも逃げ出しそうだが体が恐怖で震えて言う事を聞かない。
そして今豪塚の目には痛翔が悪魔の様に見えその目はまるで狂乱病患者の様に真っ赤に光り今にも襲い掛かって来そうだ。
まあ現実の痛翔は目が光って無ければ、近づいているには近づいているが顔は「どうした?」って聞いてそうな間抜けな顔をしていた。
「ひいっ、来るな来るな来るな!」
痛翔が近づくたんびにその様な弱弱しいセリフを吐く、結局豪塚は最初から弱かったのだずーっと自分を強く見せようと振舞っていただけの中身は子供だった、真の強者では無かった。だから自分よりも強い者・不気味な者が現れると恐怖が勝ち途端に弱気になってしまった。
豪塚を見て痛翔は哀れに思い一気に豪塚の背後に回り首トンをし気絶させその内に豪塚の核を刀で壊し戦いは終了となった。
何だか地味な決着だがこうなってしまったんだから仕方無い、いや~人生って何が起こるか分かりませんねえ。
「これで終わりっと後はロープか何か有ったらいいんだけど・・・・・」
その時後ろから物凄い勢いで倒れている豪塚に向かって来る影が・・・・・・・・・・・鈴木巡査だ。
「ガンズこと本名「豪塚武」現行犯で逮捕!」
と言い気絶している豪塚の手に手錠をかける。
シーンとその場には何とも言えない空気が流れる
いや~流石性悪警察官、最後に美味しい所だけ持っていってその場の人間を凍らせるなんて中々出来る事じゃないよ。
「ああ俺もそう思う」
「同じくです」
痛翔達は怒りを通り越して呆れに変わっていた。
どうも三毛塚三可男ですいや~遂にこの話のボス的キャラとの決着が着きましたねー。最後はあっさりしていましたけど。しかし皆様も感じていると思われますがまだ少し続きますのでもう少しで1つ話が終わりますねもしラノベにするとしたら1巻の内容なので今2巻の内容も執筆中です。近い内にこの話が完結するように最後の話も早く上げたいと思っています。