教会
子供の頃、僕はカトリック系の幼稚園に通っていたのですが、そこで配られるカードを全部集めるのが夢でした。
お爺さんは笑顔でリンゴを2つ手に持ち、スキップでその場を立ち去った。
あとに残されたのはボロ布をまとった僕と、シスターさん。
シスターさんも立ち去ってくれてたら...無かったことにできないかな...よく考えると裸の男がリンゴを胸にしまったおじいさんと...
いや考えるのはよそう、「死にたくなってくる」
僕は頭を振って意識をふり飛ばした。そして、彼女に話しかける事にした。
「すみません、懺悔をしたいので教会につれていってください。」
僕の言葉を聞いたシスターさんは少し驚いた顔をすると、すぐ近くにある教会に連れていってくれた。
ステンドグラスが立派な少し小さい、趣のある教会に入ると僕はここが異世界なんだなぁと漠然と思った。
何故ならそこで出迎えてくれた神父さんは、とうの昔に死んでしまったお祖父ちゃんそっくりだったし、フードを外したシスターさんは高校の時のクラスのアイドルと瓜二つだったのだ。
もう何年も、何十年もあってない2人にあった僕は、ようやく、言葉をひねり出して言った。
「すみません、しばらく1人で考えさせてください。」