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重たい執着男から逃げる方法  作者: 長野 雪
婚約お披露目編
58/75

11.ボンボン魔術師は諦めない

「マリー、君の考える魔術は僕と着眼点が随分異なるね」

「そうですか?」


 新しく魔術付与を施したエプロンを身につけたわたしは台所に立つ。

 わたしはいつも、新しく付与魔術を施した場合は必ずお師さまに見せるようにしている。弟子だから当たり前だし、新しく考案したものはやっぱり人に見せたくなるものだから、しょうがない。

 今回のエプロンは、個人的にはかなりの成功術式だった。

 超・撥水はっすい加工とでも言えば良いのか、胸元から腰のあたりにかけて、油や水をすべて弾くようになっている。裾の方は手をぬぐったりするため、その術式で覆ってはいない。術の効果範囲を限定するために、わざわざ途中で布を変えていたりする。


 キノコと鶏肉の包み焼きとハーブを練り込んだ平べったいパンを食卓に出すと、お師さまは苦笑しながら説明してくれる。


「随分と魔力を消費するんじゃないかな、そのエプロンは?」

「確かにちょっと、多いでしょうか? でも、頑固な油汚れとか本当に洗濯の時に苦労するのですよ」


「洗濯用に作り上げていた微細振動の術式ではダメなのかい?」


 最近、料理の下拵したごしらえにも使っている術を挙げられ、私は苦笑した。


「発想をちょっと変えてみたんです。汚れを取るにはどうしたらいいか、ではなくて、汚さないためにはどうしたらよいか、って」


 結果、常時起動だから魔力効率は悪くなっちゃいましたけどね。と笑えば、お師さまも「分かっているなら良いんだよ」と笑い返してくれる。


「それにしても、マリーにとっての魔術はあくまで便利な道具でしかないんだね」

「? 普通はそうなんじゃないですか?」

「うーん、何というか、世の中には便利な道具を、道具以上に考えてしまう輩が多いから。特に協会魔術師はその極みだよ」


 その時の私はお師さまの言わんとしていることが分からずに首を傾げた。

 でも、今なら分かる。名誉を得るために、自己顕示欲を満たすために、魔術の成果を得ようとする人間が確実にいるっていうことは。



 ◇  ◆  ◇



「この善き日、ここにいらっしゃる皆様方へ言祝ことほぎの光をお贈りいたしましょう」


 広間の中央で、シンプルな黒のローブを羽織ったアイクを従えて、朗々と声を張るのは銀糸の刺繍が施された黒地のローブを纏ったお師さまだった。お師さまはいつも少し寝癖のある髪を今日は綺麗に整えているし、アイクもアッシュブロンドの髪を後ろに流している。材料になるから髪を伸ばしてみたら、と提案してみたのに、やっぱり邪魔だったらしく短いままだ。まぁ、付与魔術より行使魔術特化だから、事情も変わるんだろうけど。


 天井から光の雨が降り注ぎ、輝きにせられた紳士淑女の手や肩、頭に当たっては弾けて消える。重みも感触もないけれど、その祝福の光輝に歓声が上がった。

 私はと言えば、隣の婚約者サマに腰を抱かれたまま、手のひらに落ちる光の粒を見つめ、何とか解析できないかと目を凝らすけれど、残念ながら、何をどうしているのかさっぱり分からずお手上げだった。


「マリー」

「はい」


 隣にいるクレスト様に呼ばれて顔を上げれば、やたらと不機嫌な顔つきだったので、慌てて解析を切り上げた。

 どうにも魔術のことを考えていると、クレスト様が不機嫌になってしまうようだ。クレスト様にとっては、それでも最大限譲歩してくれているようなのだけれど、私もついついのめりこんじゃうからなぁ。


「綺麗ですね」

「君の方が綺麗だ。マリーツィア。光の雨に打たれた君は神々しい女神のように見えて、この手に触れたら汚れてしまいそうなほどに美しい」


 って言いながら、人の頬を撫でないで欲しい。不意打ちなだけに、頬が熱を持ってしまう。

「……あまりに君が目映まばゆいから、虫が寄るのが腹立たしいな」


 険しくなったエメラルドの輝きに、その視線の先を追ってみれば、墨色のローブを身につけた若い男の姿があった。

 協会魔術師に知り合いはいないはずだけど、何故かその男性に見覚えがある。誰だっただろう、と記憶を掘り起こして―――


「あっ」


 私が声を漏らしてしまったので、隣の婚約者様が腰を抱く手に力がこもる。しかも「どうした」なんて耳に口を寄せて尋ねてくるものだから、令嬢方からの嫉妬ビームがグサグサと突き刺さってしまった。


「クレスト様、あそこにいるのって、デヴェンティオにクレスト様が連れて来た魔術師ですよね」


 人の苦労の結晶、人形『クリス』を横取りしようとした魔術師だと思い出す。


「そうだ。ディヴィエ・ルイス。二度と俺の前に顔を見せるなと言い置いたのに、厚顔な人間はこれだから……」


 ちょ、クレスト様、冷気が漏れてます。人の目があるんだから抑えてください。


 そんな気持ちを込めて、くいくい、っとクレスト様の袖口を引いてみれば、なぜかうっすらと笑みを浮かべて見下ろされる。夜会が始まってからずっとこんな感じなので、もう驚くことはない。騎士団の方々が集まっている辺りを睨んでいるのを止めたり、少しご不浄に抜けたいときに注意を引いたりしているだけなんだけど、なぜかクレスト様は私が袖を引くこの行為が嬉しいようだ。


「マリー?」


 どうした?と耳元で色気を含んだ声を流し込んでくるので、「喉が乾きました」と話題の転換を試みる。

 クレスト様は「それなら」と軽く手を挙げて給仕を呼んでくれた。私に渡されるのは軽く発泡した葡萄酒だ。バルトーヴ商会が売り出そうとしている新商品で、私も試飲させてもらったことがあるが、なかなかに美味である。


「余興が終わったから、また楽団が出張るだろう。そうしたら、また踊るか」

「……はぁ」


 クレスト様からのダンスのお誘いに、つい曖昧な返事をしてしまう。別にダンスが嫌いというわけじゃないけれど、どうにも視線を集めてしまうのが気になってしまうのだ。夜会の主役であるからこその好奇の視線は仕方がないと割り切れるが、やっかみや嫉妬の視線は刺々しくて首の後ろあたりがゾワゾワする。

 憂鬱だ、と思っていたからだろうか。反応が遅れてしまったのは。


バシャ


「あら、もうしわけありませ……ん?」


 手が滑ったご令嬢から、飲み物の洗礼を浴びてしまった。赤葡萄酒とはまたエグいチョイスだと思う。被ってしまったら染みが取れないもの。


「いいえ、被害はありませんので、お気になさらず」


 私はにっこりと笑みを浮かべて、困惑を顔に張り付けたご令嬢に声をかけた。

 今日のドレスは、修行時代に考案した超撥水加工の付与魔術を施しておりまーす。ついでにクレスト様のお召し物にも。だから葡萄酒も床に落ちて小さな水たまりを作るだけ。すぐに給仕の人が拭き取ってくれました。


 デビュタントに対するやっかみの洗礼として「飲み物をドレスにかける」「あらぬ噂を流す」「足をひっかける」「浮き名を流す男性に言い寄らせる」という嫌がらせがあるとエデルねえさまから聞いていたので、きちんと対策はしてあるんだ。まぁ、私が対策を担当しているのは最初の1つだけだけど。

 だって、「あらぬ噂」はカルルにいさまが防いでくださるそうだし、「浮き名を流す男性」はそもそもクレスト様が隣に居る時点で寄って来ないし、……「足をひっかける」対策は、うぅ、既に1度くらってしまったけれど、クレスト様の担当になっている。対処は簡単、引き寄せて転ばないように支えるだけ。私の羞恥心が犠牲になるので、あまり来ないで欲しい。


「クレスト・アルージェ中隊長。ようやく対外的にお披露目できたようですね」


 そそくさと離れた令嬢と入れ替わりで声を掛けて来たのは、灰銀の髪を後ろで一つにくくった男性だった。騎士団の礼装ではないけれど、体付きががっしりしているところを見ると、騎士団関係の方なのだろうか。クレスト様のことを中隊長って呼んだしね。

 それにしても、目を開けているのかどうかというぐらいの細い目つきの人だなぁ。穏和そうな人だし、本当に騎士団の人だろうか?


「……ラウシュニング大隊長。わざわざお越しいただいてありがとうございます」


 あれ、ラウシュニングさんて聞いたことがある。クレスト様の上司にあたる人だよね、確か……


「やぁ、こちらが君の女神様だね。初めてお目にかかります」


 まさかの上司からも「女神」認定ですか! カルルさん、どれだけ私のことを言い触らしているんだ!


「ラウシュニング様のことは、クレスト様だけでなく、カルルにいさまからもお伺いしておりますわ。お会いできて光栄です」


 心の中の『仕返しメモ』に書き留めながらも、にっこりと淑女たる笑みを浮かべて頭を下げる。


「わたしもクレストの愛しい婚約者殿にお目にかかれて光栄ですよ」

「大隊長、近いです」

「おや、相変わらず心が狭いですね。別に口説いているわけではないし、いいじゃありませんか」

「そうですよ、クレスト様。ラウシュニング様は愛妻家だって教えてくださったじゃないですか」

「おや、そんなことまで話しているんですね。ちなみに他には何を?」

「まぁ、……そうですわね、甘いものをお好きでいらっしゃることぐらいしか伺っておりませんわ」


 私が答えると、大隊長様はおやおやと元から細い目をいっそう細くして私を見つめた。いや、違う。この視線は……値踏みされてる?

 こちらの疑念に気づいたのか、大隊長様の目がきらり、と光った――ような気がした。


「クレストの話では、随分と儚げな女性のような印象でしたが、そうでもないようで何よりですね」

「大隊長、それは―――」

「まぁ、クレスト様。私のことをどのように? カルルにいさまだけかと思いましたら、クレスト様まで騎士団の方々に触れ回っていたなんて」


 儚げ、なんて印象を与えるなんてとんでもない。どうせ「俺が守る」発言でも繰り返していたんだろうけれど、カルルさんの「女神」発言と相まって、騎士団の中での私の評価はとんでもない誤解の上に成り立っているんじゃないかと不安だ。それも、かなり不安だ。


「ははは、これはどうやら心配なさそうだ」

「大隊長?」

「ラウシュニング様?」


 突然、笑いだした大隊長様はしばらく口を大きく開けて笑っていたけれど、しばらくして持ち直して私の手を取った。


「マリーツィア嬢。貴女はクレストに囲い込まれているのかと思っていましたが、どうやらカルルに目を付けられた、という方が近いようだ。誤解をしてしまい、申し訳ありませんね」


 そう言って手の甲に軽く口づけする。私の隣の男が放つ冷気などものともしない様子だ。


「今後とも、クレストのことをよろしく頼みますよ。―――クレスト・アルージェ。そう怖い顔をするものではありませんよ。誤解していた非礼のお詫びに、あの辺りに騎士団の若いのを向かわせますから」

「大隊長……」


 それでは、と去っていく彼の揺れる灰銀の髪を見送ったクレスト様の口から「あの方には敵う気がしない……」という呟きが漏れたのは聞かなかったことにしておこう。

 騎士団の正装をした男性が群れている場所へと戻った大隊長は、そこで何人かの若手騎士に声をかけていた。私たちとの話の内容でも話しているんだろうと動向を眺めていたら、隣のクレスト様に視線を遮られた。


「他の男を見つめるな」

「いえ、ラウシュニング様の最後の言葉が気になりまして……」


 あの辺りに騎士を向かわせる、と言ったのは仕事の話ではなく、この場の話だと思ったのだけれど、違ったのだろうか。


「さっきから鬱陶うっとうしい視線を向ける女どもへの牽制をする、ということだ」


 クレスト様が目線だけで示した先には、私たちが顔を寄せて話すたびに睨んで来るご令嬢の一団の姿がある。そこまで確認して、ようやく納得がいった。


「えぇと、後でお礼をお送りした方がよいのでしょうか?」

「非礼の詫びと言っていただろう。気にするな」


 そういうものなんだろうか、と小首を傾げれば、クレスト様の胸元のチーフに何か赤っぽい汚れがあるのが目についた。さきほどの赤葡萄酒でもはねてしまったんだろうか?


「クレスト様、少し、失礼します」


 そういえば、チーフなど小物までは撥水の術式に組み込んでいなかった。これは完全な手落ちだ。

 指でチーフの端をつまんで魔力をこめると、術式の作用範囲を延長させる。ついでに襟元にも同じように延長を。 なんだか周囲の視線を感じる。チクチク刺さるものもあれば、これはネットリと……?


「マリー?」

「はい、もう大丈夫です」


 と、見上げたクレスト様が、何故か手で口元を覆っていた。あれ、襟元いじっている時にくすぐったかったのかな。言ってくれればいいのに。


「主役のお二方が仲睦なかむつまじいようで何よりです」


 私たちに声をかけて来たのは、揃って黒ローブを纏った師弟二人。一人は先ほど余興で場を盛り上げてくれた黒髪の青年、お師さま。もう一人はその弟子であるアイクだ。 私は「お師さま!」と抱きつきたくなる衝動をぐっと堪え、令嬢らしく淑やかな微笑みをもって迎える。


「ありがとうございます、導師様」

「クレスト様もマリーツィア様も、この度はご婚約おめでとうございます。先ほどの余興も楽しんでいただけましたか?」

「はい、とても綺麗で見惚れてしまいました」


 お師さまと私の関係は公にするべきでない、というのがお義父さま含む子爵家の統一見解だ。どこの馬の骨とも知れない私は、列席の皆様方から好奇の視線を集めている。素性を思わせる交友関係はさらさないようにしないといけない。……もちろん、その辺りの事情は事前にお師さまにもアイクにも伝えてある。


「甲斐甲斐しくチーフや襟元の乱れを直して差し上げるなど、クレスト様も善き婚約者とご縁に恵まれたようで何よりです」


 お師さまの言葉に、なるほど、傍目はためにはそう見えたのかと納得する。道理でイヤな視線を感じたわけだ。

「祝福していただけたようで、何よりだ」


 クレスト様は、これでもかと私の腰に回す手に力を込めてお師さまを睨みつけるように返答した。やっぱりお師さまに対して警戒値はマックスみたい。


「どうやら噂に違わぬ溺愛ぶりですね。―――それほど警戒しなくてもいいと思うんですがねぇ」


 口を動かさずに小声で告げられた後半のセリフに、つい私は苦笑を浮かべてしまった。ちらりと窺えばクレスト様の眉間にしわが刻まれている。


「お二方には漠然とした祝福よりも、明確な贈り物の方がふさわしそうですね。クレスト様、粘着質なカエルの駆除を請け負います。マリーツィア様、先ほどの余興について詳しくお尋ねになりたいこともございましょう。こちらのアイクより説明させていただきます」


 お師さまは、ぺこり、と頭を下げると、アイクを残して私たちに背を向けてしまった。本当はもう少し話していたいけど、周囲の目もあるし、長居もできないってことなんだろう。


「それでは、説明させていただきますね。秘伝の話も含まれますので、防音の結界を張らせていただきます」


 クレスト様の冷えた眼差しに怯えを見せつつ、アイクが直径1メートルほどの小さな結界を構成した。


「……説明など不要だ」

「そんなに睨まないでください、クレスト様」


 慌てて袖を引くけれど、防音の結界を張ったとあって、その声音は地の底から響くほどに低く、不機嫌さを隠しもしない。


「す、すみません。師匠は、さっきの種明かしをする気はさらさらなくて、ですね。マリーツィアさんに忠告をするようにって」

「……何を」

「さっきのチーフと襟ですよ。周囲から見れば何てことない仕草かもしれないけど、魔術師から見れば指先に魔力が纏われていたのは丸見えなんですから、気をつけないとって」


 それはすっかり失念していた。

 隣のクレスト様からの厳しい視線に負けて事情を説明すれば、なぜか複雑な表情をされる。いや、汚れが気になったんだから仕方がないじゃないですか。

 それよりも、お師さまが向かった先にいるあのおじいさんは誰だろう?


「ハメス・スノーレッツだ。俺が元々懇意にしていた協会の魔術師で、本来ならデヴェンティオに君を迎えに行く時も同行する予定だった」

「そうなのですか?」

「師匠と知り合いらしいよ。さっきからイヤな目で見ていたあの人の弟子をどうにかしないと、って言ってたから、大方許可でも取ってるんじゃないかな」


 アイクの言葉に、ようやくお師さまの発言に納得がいった。


「粘着質なカエルって」

「……弟子のディヴィエ・ルイスのことだろう。ずっとこちらを窺っていたからな。何度目を潰してやろうかと思ったことか」


 そういえば、誘拐事件の一端を担っていたはずだけれど、結局証拠不十分で裁けなかったと聞いたっけ。

 あ、クレスト様。物騒な発言に私の可愛い弟弟子が怯えているので、ちょっと控えてください。


「じゃぁ、お師さまはあの人を……って、あれ?」

「姿を消したな」


 きらびやかな服をまとう人々が集うホールの中で、ローブを羽織った姿は目立つはずなのに、その姿がどこにも見えない。


「アイク、お師さまから何か聞いてる?」


 私の問いかけに、アイクがふるふると首を横に振った。


「あの魔術師のことだ。どうせ外道な手でも使ったんだろう」

「お師さまのことを悪く言わないでください。だいたい、どうしてお師さまのこと知らないくせに、そんなことを言うんですか」

「―――最近、話したばかりだろう。あいつがとんでもない曲者だということは理解できた」


 あの一度きり、しかも大した時間は話していないはずなのに、どうして断言できるんだろう。確かに、お師さまはちょっとひねくれたことをすることはあるけれど。


「ならば、マリー。お前はあいつがどういう手でディヴィエ・ルイスを排除すると思う?」

「……えぇと」


 私はお師さまのやりそうなことを考える。そういえば、修行時代に―――


「東方の御伽噺に刺激されて、呪文に反応して締め付ける額飾りを作っていたこともありましたけど、そういった類のものを使う、とか」


 私の言葉に、うわぁ、という顔をしたのはアイクだった。どうやら初耳だったらしい。


「アイクとか言ったな。お前はどう思う」

「え、あ、その……あ! そういえば、師匠、蛙に変身なんてオーソドックスで良いですねぇ、なんて呟いてた……けど」


 アイクの言葉に、思わず淑女の笑みが崩れそうになる。まさか、とは思うけれど―――


「カエルの駆除と言っていたし、間違いないだろうな」


 クレスト様が私の想像を確信に変えるように頷いた。

 自業自得だと思うので、同情はしないけど、うっかり踏みつぶされないようにと祈っておこう。使用人さんたちの後始末が大変だし。


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