プロローグ
プロローグ
主人公は男子高校生の下村卓郎
これといった特徴もなく物静かで
常に1人、
人を寄せ付けない独特の雰囲気を持っている。
というのは
第三者の感想である。
本当は自分以外の人間をとことん下に見ており
とんでもない性的嗜好を持っている。
それが理由で友人が出来ない事を自分でも分かっている。
更にもう1つ、
これは後に知ることになるのだが
世界を変える程の能力の才能を持ち合わせていたのだ。
卓郎は生後まもなく両親を亡くし叔父母の家で育った。
しかし叔父が自身の兄である卓郎の父を妬んでおり
卓郎に対する風当たりもとても強かった。
そしてK市内の高校に入学すると同時に家を追い出され
卓郎は高校生ながらにして寮に入らず
一人暮らし。そしてバイトで生計を立てていた。
そして何でもない高1の秋の朝にそれは起きた。
本当にいつも通りの朝だった。
歯を磨き
テレビをつけ
トーストを食べ
身支度をして
アパートを出た
そこまでは昨日一昨日と同じ
テレビの内容もトーストの味ももちろん制服も。
アパートから出た所にごみ捨て場があった。
木曜日であったためゴミを出しているおばさんを見た。
そのおばさんの胸部辺りに
文字通りハート型をした"心"のようなモノが見えた。
それを自分で五感で感じている訳ではないのは分かったが
限りなく見ている状態に近いのである
その"心"には色がついておらず白であった。
しかしその"白い心"には黒い濁りのような
水に黒い絵の具を混ぜているような
不純物のようなものが見えた。
その"白い心"からは糸のようなものが出てきていた。
糸というより包帯に近い長細い布が
ゆらゆらと卓郎を誘うように揺れている。
卓郎は脳で命令するより先にその糸を掴んでいた。
なぜか卓郎はこの糸が何を意味するのか分かっていた。
卓郎は糸を引いた。
そうするとそのおばさんの"心"は濁りを失い
かわりにおばさんとの初対面の時から
一度すら見たことのない綺麗な背筋で丁寧な礼をした。
卓郎は知っていた。
人を正し、人に希望を見せる。
そんな能力が宿っていることに。
卓郎はこの能力で世界を変えることが出来ると
この時にはもう知っていた。
しかしこの時はこの能力に興味があるので
なかば興奮気味で学校へ向かった。
そしてこの能力に正すもの"ストレイテナー"と名付けた。




