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どうぶつ村の一日

作者: 水谷れい

どうぶつ村には、ちょっと変わった住人たちが暮らしている。

あめんぼうのアメちゃんは、いつも誰かに甘えてばかり。雨が降ると「傘さして〜」「抱っこして〜」と池のほとりでぷかぷか浮かんでいる。

うりんぼうのウリくんは、すぐ怒る。朝ごはんのリンゴが少し酸っぱいだけで「ぷんすか!」と地面を蹴る。でも、怒ったあとすぐに寝るから、みんなあまり気にしていない。

かっぱが来ると、村は騒がしくなる。「かっぱらいだ!」と叫びながら、みんな帽子やおやつを隠す。でも、かっぱはただのいたずら好きで、盗んだものはすぐ返す。返すときは、なぜか倍になっている。

きりぎりすのギリさんは、いつもぎりぎり。朝のラジオ体操に、最後の「深呼吸〜」だけ間に合う。でも、ぎりぎりで止まるのが得意なので、崖っぷちのダンス大会では毎年優勝している。

ひきがえるのヒキさんは、何かあるとすぐ引き返す。「やっぱりやめとく」と言って、買い物も遠足も途中でUターン。でも、帰り道で見つけた四つ葉のクローバーをみんなに配るのが日課だ。

かっこうのカッちゃんは、酔うと陽気になる。「かっこうよい〜!」と叫びながら、木の上で踊る。酔ってるときだけ、詩を詠む。しかも、けっこう名作。

こうのとりのコウさんは、いつも「このとおり」と言って、地図を広げる。道案内が得意で、迷子になった動物たちを必ず家まで送り届ける。地図は手作りで、毎日更新されている。

かんがるーのカンちゃんは、考えすぎて動けない。「このリンゴを食べるべきか…いや、バナナか…」と悩んでいるうちに、果物は腐ってしまう。でも、彼の考えた「果物の気持ち」についての論文は、村の図書館で人気だ。

そんなどうぶつ村の一日は、今日もにぎやかで、ちょっとだけぎりぎりで、やっぱりかっこうよい。


連載版もあります。

詩小説ショートショート集


わたしとAI君とのコラボレーションです。

このショートショートのもとになった詩は、連載版「われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー」で読めます。

ショートショートタイトル「どうぶつ村の一日」の原詩は「あめんぼうは あまえんぼう」です。


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