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revenger―復讐鬼―  作者: チョコましゅー
運命に翻弄される物語『序』
4/22

理事長です

 三橋学園。

 先ほども言ったとおり小中高一貫の学園だ。その在校人数は各1000人弱の2800人ほどだ。この人数が多いのか少ないのか知らないけど、一個人から見たら相当な人数に感じる。

 もちろん、小等部、中等部、高等部は別々の敷地にある。別々といってもそれぞれの校舎は三角形の頂点に位置し、それらを円で囲んだ内側は全てこの学園の敷地内だ。それでも各学校から他の学校まではよゆーで10~15分くらいかかる。それでわかるように、膨大な敷地なのだ。

 高等部は三回建ての校舎に四階建ての別館。体育館が二つに校庭も二つ。校舎は1~3まで各学年の教室があり、二階に別館に通じる渡り廊下がある。勿論外からも別館にはいけるが、中から行った方が断然に早い。

 その別館には一階には事務室、職員室、理事長室などがある。二階から四階は特別教室などがあり、授業のために僕らは別館へいく。今の説明からわかるように、一階は教師たちの住処なので、だからか外から別館に入る奴らは少ない。

 体育館の一つは普通の授業に使うやつ。もう一つは水泳部よう。温水プールだ。こちらはプールだけでなく、ジム施設にもなっていて、トレーニングルームとか色々ある。

 高等部だけでなく、他も大体はこのような造りだ。

 そして忘れてはいけないのが、中央図書館。学園の敷地の中心にある図書館で、小中高共通のものだ。その図書館がまた広い。学校の外に街の図書館があるが、そんなとこより全然でかい。3~5倍くらいの広さはある。小中高共通ということもあってか、かなりたくさんの人数が入れるようになっている。

 しかしこの図書館、他にもすごいとこがある。なんと、地下があるのですよ! しかもその地下は本が陳列された図書館とは打って変わって、だだっ広い空間となっている。実はこの空間、コロシアムとなっている。勿論リアルではなくヴァーチャルでの。

 リアルとヴァーチャルの世界は、本来は違う世界だ。けどこの地下空間はリアルとヴァーチャル共通のもの。どういう理屈でそうなっているかはしらないが、そうなのだ。

「ここの理事長が何らかの関係があると僕は思うよー。ねっ、さっちゃん?」

「私もそう思うなっ。だって理事長はヴァーチャルの開発に携わったらしいからねっ」

 学校の校門をくぐりながらそんな会話をする。

 さっちゃんの言うとおり、理事長はそんな人らしい。

「普通の美人なおねーさんってかんじだけどね」

「普通に見えるから怪しいよっ! 絶対あの人はなんかすごい人だよっ」

 それもずいぶんな偏見だと思うけど。

 降空犀愛ふるそらさいあい。若干23にしてこの学園の理事長。

 女性。

 いつもシニカルな笑みを浮かべている年上美人系の人。

 サングラスを愛好している。

 ヘビースモーカー。一日三箱は吸うらしい。銘柄はこれといって決めていないらしい。お気に入りはブラックデビル。理事長室はこれのせいでココナッツ臭い。

 どっかの人類最強よろしく赤い物が好き。赤のスーツなんてザラ。車も赤い。

 これだけ言えば普通な人には聞こえないけど、実際話してみると、常識のある普通のお姉さん。

 割と人気高し。生徒の中に告白する人もいる。結果は言うまでもない。

「でも年齢的にヴァーチャルの開発に携わったってのはおかしくない?」

 歩きながらさっちゃんと瑞樹に向かってそう言う。ヴァーチャルが普及されたのは僕らが五歳くらいの時だったはず。軽く見て十年前だ。理事長はその頃十三歳。普通に中学生の時だ。

「もうその頃には大学を卒業してたって噂だよっ?」

「らしいねー。向こうで博士号もらったとか言ってた気がするしねー」

「そっか。犀愛ちゃん、アメリカの人だったね」

 アメリカからの帰国子女。かなり頭がいいらしく、十五の時に博士号をもらったとか。

「なんだおまえら。あたしの噂話か?」

 そんな事を考えていると後ろからそんな声が聞こえた。振り返るとそこには噂の降空犀愛その人がいた。

「「おはよー、犀愛ちゃん」」

「おはようございます」

僕らは三人にして二種類の挨拶をする。

「オッス。おはようさん。相変わらずお前らは早いな。あたしより早いとか、お前ら理事長になるか?」

 そう言いながらタバコに火をつける。銘柄はピースだった。

「珍しい顔もいるな。佐々ノ木。お前がこの時間にいるのは不思議だな。もしかしてあたしの時計が壊れてるのか?」

 自分で言いながらそれはないか、とつぶやいている。

「今日は日直なんです」

「あぁ、なるほどな。頑張ってるじゃん」

 タバコの煙を吐き出しながらそう言う。態度からして本心からそう言っている訳ではなさそうだ。

 このやりとりでわかるとおり、僕らは理事長と仲がよい。

 ヴァーチャルを通して顔見知りになってから、何度か話すうちに仲良くなったのだ。

 ちなみにさっちゃんは僕らのおまけみたいな物だったけど。

 僕らはヴァーチャルに関しては少しばかり有名だったりする。なので理事長の方から声をかけてきてくれた。

 初めは誰だこのきれいなおねーさん、と思っていた。誰だか聞いて瑞樹と二人で相当驚いたことは記憶に新しい。

「んで。なんの話で盛り上がってたんだ?」

 吸い終わったのかケータイ灰皿に吸い殻をしまう。

 たばこを吸う女の人ってなんか違和感を感じるのだけど、犀愛ちゃんの仕草を見ていると、かっこよく感じてしまう。

「今、ヴァーチャルと犀愛ちゃんの関連性を話していたんだよー」

 瑞樹が犀愛ちゃんの腕にくっつきながら話す。瑞樹は犀愛ちゃんが相当のお気に入りらしい。

「犀愛ちゃんってヴァーチャルにどれくらい関わってるの?」

 僕は本人に直接聞く。今までの話は推測の域を超えない。あくまで噂話だから。

「そんな事が何で知りたいんだ?」

 腕に瑞樹が絡まっても全く気にしたそぶりもなく、僕の方に向く。

 その視線は、目つきが悪いことが相まってかなり、怖いものだった。

 あまり詮索されたくない話なのかもしれない。

「ただの好奇心だよ。なんでコロシアムはリアルとヴァーチャルいりまじりなのかなって」

「あー、それはだな」瑞樹がしがみついていない方の手で自分を指す。「あたしがそれだけ偉大だって言うことだ」 そう言って、瑞樹を腕から引っ剥がして、

「じゃあな。あたしはこれから仕事だ」

 そのまま先に行ってしまった。

「なんか、うまい具合にはぐらされちゃったねっ」

「そうだね。でも」僕は犀愛ちゃんが去っていった方を見る。「かっこよかったから良いか」

「瑞華も、犀愛ちゃんのこと相当好きだよなー。僕のこといえないくらいにー」

 そうかもしれない。

 でも、僕は瑞樹よりも深い意味で犀愛ちゃんを好きだ。

 ここは譲れない。

「私は理事長のこと、なんか怖いと思っちゃうけどな…」

 そんな事を話しつつ、僕らも校舎の中に入っていく。

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