いつもと変わらぬ朝
いつもと何ら変わらぬ朝だった。朝起きて、カーテンを開けると外は雲一つ無い空が広がっていた。快晴だ。
僕の家は、二階建ての一軒家に一家四人で住んでいる。僕の部屋があるのは二階だ。僕だけでなく妹の部屋もある。
「おはよ~」
階段を下り、リビングの扉を開け挨拶とともに中に入っていく。キッチンとリビングには僕以外の三人がそろっていた。テレビの前にあるソファに腰掛けているのが妹。台所に立っているのは母親。食卓テーブルに座って新聞を読んでいるのが父親。そして僕。この四人が吉井家の住人だ。
「あ、瑞華。オハヨー。相変わらず朝に弱いね」
最初に声をかけてきたのは妹の瑞樹。ちなみに瑞華というのは僕の名前だ。妹と僕の名前が似ていると思っているかもしれないが、これは仕方がないことだ。なんせ僕と瑞樹は双子なのだ。
一卵性双生児。
瓜二つの二人。
けど区別の仕方は簡単だ。僕は長髪。瑞樹は短髪。髪の毛の違いだけあって、入れ替わることは、あまりない。
「あとは僕は朝強くて、瑞華は朝弱いんだよねー?」
大きなお世話だ。それにそんな事は一緒に住んでいる家族にしか露見しない。
「あら瑞華、やっと起きたの? 朝ご飯は?」
「食べる。パン?」
寝ぼけ眼をこすりながらテーブルにつく。
「ご飯よ」
そう言いながらもともと用意してあったのかテーブルに僕の分を運んでくる。
「父さんと瑞樹は?」
「とっくに食べたよー。瑞華がおそいから」
母さんに聞いたのに、テレビを見ている瑞樹が答える。
ここでちょっと誤解を解いときたい。僕は別に寝坊したわけではない。今の時間だってまだ7時10分だ。むしろみんなが早すぎるんだ。
「お早う、父さん」
食事を食べる前に正面に座る父親に挨拶する。
「おはようございます、瑞華。早くしないと学校に遅刻しますよ?」
「もう、お父さんまでそんなこと言う。まだ大丈夫だよ」
僕と瑞樹は地元の高校に通っている。徒歩十分くらいの場所にあり、だから今の時間はまだ余裕がある。「だからってゆっくりしすぎると、また遅刻するよー」
「うるさいな。遅刻なんて一回しかしたことないじゃん」
「一回でも前科があるんですから、威張れることじゃないですよ」
怒られちゃった。お父さんに言われたら流石に反論は出来ない。僕は黙って朝食を食べることにした。




