プロローグ
この小説内の世界は、作者の妄想ともいえるものです。理屈や法則を無視する話の展開もしばしば見られますが、そこはそういうものとして見て下さい。あくまでも、地名や登場人物はフィクションのものです。ではお楽しみ下さい
なんてことはない。ようはこうなる運命だったのさ。
そんな、投げやりに物事を考える癖が、僕にはついていた。
それは惰性なのか、それともただ単に、言い訳をしたいだけなのか。…僕にはわからない。
今だってそう。もし、もう少しだけ頑張っていたら、もがいていたら、違う結果になったかもしれないじゃないか。
でも、僕はそれが出来なかった。いや、違うな。やろうとしなかったんじゃないか? もともと諦めていたんじゃないか?
そんな言葉が頭の中を反芻する。
反芻するだけで、僕は今、何も考えられない。ただただ、目の前の光景を、目に焼き付けるだけ。焼き付けられるだけ。
何も見ていたいわけでは無い。
目を背けたくなるような光景だ。だけどそれは、そんなことは、しちゃダメだ。それをしたら僕は、二度と立ち上がれなくなる。
この光景を作ってしまったのは、他の誰でもない。当然、隣で呆然と僕同様これを見ている幼なじみでもない。
僕が、やってしまった。
僕が、壊してしまった。
僕が、コロシテしまった。
誰も僕を責めはしないだろう。でも、僕は他でもない僕自身を、許せはしないだろう。
隣を見る。
現状を把握したのか、その顔がみるみる青ざめていく。
そんな幼なじみをみて、更に自分自身を許せなくなる。
なぜこんな事になったのだろう。なぜこんな目にあわなくてはいけないのだろう。
『どうせ、こうなる運命だったのさ』
この光景をみてまだそんなことを思えるほど、僕は達観していない。…そんなことを思える奴は、人として何かが壊れてるとしか思えない。
血まみれの床。その血が流れ出ている元には、人がいる。否、人だったもの、か。
その体は、最早原型を留めていない。右腕は折れ、左腕はなく、右足は足首から先が焼け、無事なのは左足ぐらいだ。そして最もひどいのは体だ。左わき腹が、無い。ボーリング玉ほどの大きさの穴があいているのだ。
もう、見てられなかった。それでも目を離せなかった。
これは、僕が起こしてしまった物だ。だからちゃんと目に焼き付ける。
この日僕は、大切な人を失った。




