普通の少年
あの日俺は村を壊滅させた、老若男女問わず皆殺しにしたんだ、その時に村長と呼ばれている人間に何故悪魔だと迫害されたのか聞くと
「あやつが冬神様の祠へ向かうようになってから不作が続いたのじゃ!村を守るためには仕方なかったのじゃ!」
反吐が出る返答が返ってきた、気付けば村長の首を跳ね村に火をつけていた
「…あの少女のような人を助けよう」
他の村へ行く道のりで1人の少年に出会った、この少年も迫害され村から逃げてきたらしい
迫害された理由を聞くと能力のせいだと言う
「僕の…能力は、人の恨みとかを貯めて扱うんです、「お前の能力は気色悪い!」と家族に責め立てられ……逃げてきました…」
胸糞の悪い話だ、まだ10にもなってない少年だろう…
「俺と一緒に行くか?」
「えっ…あ、」
「…良いんですか、?」
人に優しくされたのが初めてなのだろうか、初めて出会った怪しいヤツだ、仕方ないだろう
「君がいいなら俺は全然いい」
1人でいるのは"寂しい"から、仲間が欲しかったんだ
「俺は迫害された人を助ける、その為なら人も殺す」
「どうする?」
「…僕は……ついて行きたいです…!」
正直驚いてしまった、10にもならない少年が本当に着いてくるとは思っていなかった
「じゃあ、行こうか」
「はい…!」
中々元気で可愛らしい子だ
「そういえば君、名前は?」
「名前は、無い…です」
「じゃあ君の名前はこれから"幸太"だ」
「えっ…」
驚いた顔で俺の方を見つめてきた
「嫌だったら全然いいんだ、どうだ?」
「すっごく、嬉しいです…!」
純粋な笑顔だ、普通の少年の笑顔だ
森を彷徨い村へ着いた、この少年が迫害されていた村だ「僕…自分の能力に詳しくないんです…」
「人の恨みを貯める、だっけか」
「はい…」
「人の"心"に干渉する……人の体を変形させられるんじゃないか?」
「人の心に…干渉?」
きっと幸太の能力は人や自分の心に干渉する能力だろう
「俺が村を壊滅させる、幸太を迫害した人で試してみよう」
「あ、ありがとうございます…!」
村へ着くなり村人が幸太へ迫って言った
「何故帰ってきたのだ!そして隣にいるのは何者だ!!」
「幸太」
「…お願いします」
「任せろ」
「能力【穢化】」
1分も経たない内に村を壊滅させた、そして1人だけ残し幸太の能力を開花させよう
「幸太、好きなように試したらいい」
「ンー!!ンンッッ!!?」
口と腕と足を縛った人間を幸吉へ渡す
「恨みを……込めて…………」
幸太の手のひらが人へ触れる
「………【恨】!」
その瞬間人の頭が上へ伸びるように変形し死んだ
「形を…変える、、」
「これからも色々試そうか、最初からそれだけ扱えるなら幸吉は凄い子だ」
「やった……!」
幸太の嬉しそうな声とキラキラと輝く目……この子は本当に"普通"の少年なんだ……と
普通の少年を迫害しているような人間へ憎悪が生まれるのを自分でも理解した、守ろう、幸太が強くなるまで