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わたしが両手を広げれば
『黙禱』
絶対に死にたくはないけど
別に生きたくもない
私はまだ死を許容できない
それでも生よりは楽に思える
この手が綺麗に見えるのは
きっと生きているから
彼女が美しいのは
生きているときだったっけか
今だっけか
ただ 少なくとも
死んだら化粧をされていたし
あんなに人は集まった
案外死ぬのもいいんじゃないか
遺影に話しかけても
返事は無いな
『結局』
元よりあんたは私を愛さず
どうせそれを告げたところで
なんだかとても嬉しそうな
それより困ったような顔をして
内面にある疲れ切った自分と
嫌々そうな顔を隠して
「ありがとう」
それから「ごめん」と言うのだろう
『わたしが両手を広げれば』
わたしが両手を広げれば
わたしが願えば
泣けば
唄えば
笑えれば