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適性検査

 その日の授業は適性検査がメインだった。


 適性を判断するのはメーザちゃんの仕事らしく、彼は教室の一人一人に魔法を使ってく。魔法円のような物の上に立たされ、色の変化で生徒の適性を判断してるらしい。


「次はアイデンくんね」

「……はい」


 ゲーム的に考えると、王太子が火炎系魔法使いだから、ジンが火炎系ってことは無いんだろうな。あとは、水、風、土——闇か光か。印象だとジンって風属性って感じがするけど、こんなのは勝手なイメージだしなぁ。


 ジンが少し緊張した面持ちで魔法円に立つ。メーザちゃんが指を弾くと、魔法円から光が上ってく。その光が灰色に染まって消えてった。


 ……え?

 灰色は初めてじゃないか?


「アイデン君は闇属性ね」

「はい」


 ギャラリーの間に軽いざわめきが起こった。

 メーザちゃんが生徒達をギロっと睨んで言う。


「いい? 闇属性の人っていうのは、希少なのよ。名前の印象だけで判断しないで、聖属性と並ぶ素晴らしい魔法が使えるんだからね!」


 なるほどな。


 闇属性って言葉は、この世界では釘を刺さなきゃならないような印象を与えるのか。ゲームだと闇属性って割と便利使いできるけどね。まあ、使い所は考えなきゃならないけど。どっちにしろ、この世界の闇魔法使いってのが、どんな魔法を使うのか知らないしな。


 なんてことを考えてるウチに、ミザリーの適正審査も終わって——ミザリーまで闇属性で少し驚く。


 貴族子女達はジンの時より動揺してたけど、メーザちゃんに睨まれて黙り込んでた。


「次はクライドくん。さ、そこに立って」

「あ、はい」


 魔法円の上に立つと、僕の体をピリピリとした電気的な刺激が抜けてく。これがサーチってヤツだよな。僕の周りがボウっと白色に光を放つと、メーザちゃんが軽く目を細めた。


「ちょっと失礼」


 彼は大きな手を伸ばすと、僕の頭をガシッと掴む。


 ええ?

 他の奴にはしてなかったよな?


「うん。間違いないわね。クライドくん。君は聖属性」

「………え?」


 周りの生徒が軽く騒つく。


 ——聖属性?


「さて、アイデン君。チェミン嬢。クライド君。君たち三人は別教室で授業を受けてもらうわ。聖魔法、闇魔法は私の守備範囲外なのよ。ごめんねー。でも、安心してね。一年のクラス担任は、あくまで、このメーザちゃんだから!」


 流し目くれても嬉しくない。


「あら、何、その顔? 嫌だって言うんじゃないでしょうね」

「いえ……滅相もございません」


 メーザちゃんがピンと自分のピアスを弾くと、ちっこいキラキラした光が出てきた。


「その子が案内するから、ついてって。さあ、さ、他の子達は席について! 魔法授業を始めるわよ!」


 ジンが複雑な目で僕を見た。

 そりゃそうだ。


 聖属性ってことは、聖魔法使いになるってことで——ヒロインの属性だ。


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