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オニゴッコ

作者: 川犬

これはフィクションです。信じてはいけません。

 「ねえ。鬼ごっこしようよ。」

 突然見知らぬ男の子に俺はオニゴッコをさそわれて、とりあえず了承した。

 「いいけど2人でやるのか?」

男の子はにやりと笑い、俺を思いっきり――――――――



 ――――――俺は、はっとなった。周りを見渡す。俺は鬼ごっこをしようと誘われたはずだ。カァーッ。カラスが鳴く。

 そこは暗い森林の中で、夜だった。不気味だった。何か出てきそうだ。

「鬼は誰?」

 いつの間にか隣に見知らぬ男の子が現れた。あのオニゴッコを誘ってきた男の子だ。

「知らないよ。」

 俺はそう返事をすると男の子はいつの間にかふっと消えた。俺はそれに驚いたが、すぐにその男の子が現れた。

「鬼さんが来たー!」

 そして、森の奥へと奥へと行ってしまった。

 また、俺は一人になった。とぼとぼと道らしくない道を歩いていると、さっきの男の子が座り込んでいた。

「どうしたんだい?」

 俺は質問をしたが無反応だった。何故か胸騒ぎがして、その男の子の顔をそっと覗きこんだ。

「うわぁああ!!」

 俺は勢いよく後ずさりをした。

「鬼さんに僕やられちゃったんだ。だから今度は僕がオマエヲヤッツケル。」

 俺はゆっくりとおきあがる男の子から数歩離れた。途中から男の子の声が低くなった。

 その男の子の顔は普通ではなかった。片目が何物かによってやられたのかなくて、そこから血がゆっくりと滴り落ち、きている服が少しずつ赤に染まっていっていた。歯はなぜかサメのように鋭くなっていて、爪は恐竜のヴェロキラプトルの鋭い爪のようだった。

 突然頭から一本の角が生えてきて、全てが真っ赤に染まった。それはアカオニそのものだった。

 俺は一目散に逃げ出した。

「マアァァアアテエェエエェエェエエェエ!!!」

 アカオニの走るスピードは異常なくらいに早くて、あっという間に差が1メートルにも満たなくなった。

「マアァァアアアァアテエエエェエェエエェエ!!」

 俺は紙一重で真横に体を無理やりそらすと、アカオニは残念そうに手を見つめて、その後また片方しかない眼がこちらをぎろりとにらんだ。

「マアアアァアァアアテエェェェェエエエエ!!」

 再び、俺をアカオニは追いかけてきた。俺とは3メートル離れている。

「マアアァァァァアアテェェェェェエエエエ!!」

 俺とアカオニの差2メートル。

「マアアァァァァアアアアテエエェェェエエエ!!」

 差1メートル。

「マアァァァアアアアテエエェェェエエエエ!!」

 差10センチメートル。

「ツカマエタ」

 俺は首を絞めつけられた。ところどころ爪が当たっていて血がぽたりぽたりと落ちてきた。

 悲鳴すらあげることができない状態だった。体がだんだんということをきかなくなっていった。

 アカオニはもう一度言った。

「ツカマエタ」




     よく私がわかったわね

※なんか短すぎる気がしたので(よく私がわかったわね)という作品も載せます。



 私はちょうど会社に着いたところだった。ここからは階段を使って3階のオフィスに向かう。遅刻しそうなので、いつもは使わないエレベーターを私は使うことにした。

 エレベーターには人がたくさん乗っていた。6,7人ぐらいだろう。それに無理やり入り込んだ。

 2階に上がった。そこでいったん止まり、ドアが開いた。そこには、青白い顔をしていて、かなり病弱そうに見える女性がいて、入ってきた。それと同時に、皆がエレベーターから出ていく。その女性と二人きりになった。

 私はなぜか寒気がして、隣にいる無表情の女性が気になった。

 さらに悪化して、私は震えてしまうほどになった。いったいどうしたのだろう。

 エレベーターが3階に上がり、私は逃げるようにして、出て行こうとした。が。女性がこう言った。

「よく私がわかったわね」

 私は金縛りにあったかのように動けなくなってしまった。首だけは動かすことができ、恐る恐る振り向いた。

 そこには、血まみれの女性が立っていた。

いかかでしたか?

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― 新着の感想 ―
[一言] この小説を拝見させていただきました。私もやはり二番目の話の方が好きです。もう少し話を長くした方がよかったと思います。
[一言] 小説を拝見さしていただきました。 ちょっと短いのが残念です、オニゴッコで男の子は彼を思いっきり如何したのか気になりました。
[一言] めっちゃ怖かったです!! マジ鳥肌が立ちました★
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