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星の賢者と召喚された姉と俺  作者: 秋見 京也
星の賢者 編
29/33

29話 いざ、魔王に謁見!

 魔王城の中に入り進む。甲冑が立ち並び、人形が飾られている中で自分たちの足音だけが響く。

 一番目立つ部屋、あれが魔王のいる部屋だろう。


「雰囲気あるなー」


 力を入れて観音開きのドアを開けると、フランス人形のような陶磁器製の人形が目の前の大きな椅子に座っていた。

 カタリと音を立てて首が動いた。


「うわあああああああ! 動いた、動いたああああ!」


 ヨウキは必死で自分よりも背の小さな女の子、フルド=ノックにしがみつく。

 今まではセイカがペラペラと軽口を叩くおかげで鳴りを潜めていた心細さも手伝って、余計に怖かったようだ。

 フルド=ノックは赤面してあわあわしている。


「よ、ヨウキさま、離してくれると……嬉しいのだけど」

「え? あ、ごめん!」


 ヨウキはフルド=ノックが困っていることに気がついて離れた。


「ガウガウ(あちらでお座りになっているのが魔王様だ)」


 魔王城の装飾として陳列されていた人形をさっきたくさん見たから、人形が腰かけているように見えただけで、実際は違うのかもしれない。見間違えの可能性は十分にある。


「そう、いくらなんでも等身大のビスクドールとかなかなかないし、アンティークとか聞いたことあるから超レアだろうし、こんなところにあるわけないよな」


 落ち着けヨウキ。魔王ならレアものを集めるのが趣味でも不思議はないだろう。

 ヨウキは目をこすり、もう一度玉座を見た。

 バッチリと人形と目があった。


「うわあああああ! こっち見た、こっち見たあ!」

「よ、ヨウキさま! 落ち着いて!」

「あ、また……ごめん!」


 ヨウキはまたフルド=ノックにしがみついていたことに気づいて離れた。


「汝ハ誰ダ」


 人形から声が聞こえる。

 しゃべった、と叫びだしそうになるのをグッとこらえてヨウキは返答する。


「……お、俺はヨウキだ」

「先、名を聞イタ。汝ノ名は無カッタ」

「それは受付の人がせっかちだったから最後まで聞いてくれなかったんだ」

「受付ナド居ナイ。ソレは我ダ」


 言われてみれば、声が同じである。


「我は魔王ダ。中継ぎノ、名モ無き王ダ」

「おお、そうか。……なら魔王だからマオさんだな」

「マオ……?」


 ヨウキは魔王に安直なあだ名をつけた。マオさんが不思議そうにしているのがなんとなくわかった。怖いのは見た目だけかもしれない。

 ヨウキが炎人にスーさんとかルーさんといったあだ名をつけていたことを、グウロは思い出した。

予想外の形態の魔王が出てきた!

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