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星の賢者と召喚された姉と俺  作者: 秋見 京也
星の賢者 編
26/33

26話 難しそうな話をしているみたいだ

「折角遠い世界から来たのじゃ。ヨウキ様、どうじゃ? 魔王城に行かんか?」


 クラークはヨウキの肩から「魔王様もきっとお喜びになるぞい」と続けた。


「姉ちゃんが目をキラキラさせそうなところだな。行くんだろ、姉ちゃん? ……お?」


 セイカは少し離れたところでグウロとフルド=ノックと何やら話をしていた。



「ガウガウ(クラークもそうだが、吾輩やフルドの暴走を止めたのは”星”の力だろう?)」

「セイカマジックの種明かしを求められてるのかな? あ、もしかして地底都市のとき無粋って言ったの怒った? ごめんね」


 セイカ、絶賛問い詰められ中。苦笑いだ。


「ガウガウ(いや、それは良いのだ。むしろ火が点いた故にな)」

「変なスイッチ押しちゃったパターンか~、まいったな……」

「ガウガウ?(それで、どうだ? 正解だろう?)」


 無邪気な大きな瞳をセイカに向けてくる。

 見つめられている。


「はあ……負けた。正解だよ」

「ガウガウ(ふむ、正解か……!)」


 グウロは嬉しそうだ。

 横にいるフルド=ノックからもついでに問い詰められそうな気配がする。


「セイカさまって勇者さまよね?」

「そうだよ」

「ガウガウ(勇者様が得る力は今までは世界樹の力だけだったが……セイカさまが使ったのは”星”の力だ)」

「魔王さまと同じ力よ。しかもセイカ様が今扱った”星”の力は星の賢者である魔王様よりもはるかに強かったわ」

「は、はあ」

「どういうことかしら?」

「え~と……そう言われても……」

「言う気はないってこと?」


 答えに困るセイカを見て、不満そうにぷくっとフルド=ノックは頬を膨らませた。


「そ、そんなことより、賢者さまって魔王のことだよね?」

「そうよ。ヒトはよく魔王さまのことを賢者さまって呼ぶわ」


 魔王が世界を創造できちゃったり賢者だったりと、かなりこちらのイメージと違う。


「異世界言語の翻訳ミスかな? 魔王の概念が違うんだよね。魔王って魔物を統べる王で、世界の征服や破壊を企んでるイメージなんだけど」

「ガウガウ(おおよそあっているではないか)」

「あってるわね」

「え、あってるの?」

「ガウガウ(吾輩たちのような魔王様が生み出した生物を、所謂いわゆる魔物を統べる王だ)」

「世界の破壊を試みたらどうなるか知りたいって好奇心を抱いた魔王様は何回も現れているけど、そのたびに勇者さまに退治されているわ」

「ガウガウ(前代の魔王様もそうであったな)」

「三年前にも魔王さまがそうなったの……」


(な、なんとも言えない……!)


 魔王を討伐するために異世界から呼ばれた勇者……すごくこちらの概念に当てはまっている。しかしそれは前回の勇者の役目であって今回は違うということらしい。

 カッコいい戦闘といった展開を逃したのは惜しいが、ヨウキが危険な目に遭わないことは喜ばしいのでセイカはすぐに納得した。


「おーい姉ちゃん、クラークさんが魔王城に行かないかって」

「きっと魔王様も喜ぶはずじゃ」


 いつの間にかヨウキとマムシサイズのクラークが近くにいた。


(たった今、グウロとフルド=ノックから魔王のヤバそうな話聞いたばっかりだよ!?)


 今回の魔王は世界の破壊を行おうとしているわけではない。なぜならセイカに備わっている不思議な力は魔王と戦うためのものではないからだ。しかし、不安だ。


「魔王城か、どうしようかな。行かないと私は……だけどヨウキには行ってほしくない……」

「ガウガウ(おい、何をブツブツ言っているのだ? まだ話は終わっていないというのに)」

「え~……」

「なんの話してたんだ? みんなして難しい顔してるぞ?」

「儂は難しい話は嫌いじゃよ。眠くなるからのう」


 フルド=ノックははたと気付く。セイカに話を逸らされたと。ここぞと話を戻しにかかる。


「ヨウキさまもこの世界に来てからのセイカさまはおかしいと思うわよね?」


 パチパチとヨウキは瞬く。


「おかしいのはいつもだぞ?」

「え……」

「ガウ……(セイカ様……)」

「ほ〜……」

「なんでみんなこっちを見るのかな?」


 魔物3人衆がセイカを憐みの目で見ている。

 姉が異世界に来てからおかしくなったところを頑張って考えてパッと顔を上げるヨウキ。


「来る前と変わったところなら、マジック見せてくれるときにキラキラが出るようになったことだな」

「今まで魔法を使っても光は出さなかったってことかしら?」

「魔法を使っても……? どういう意味?」


 なんだか会話が成立してるような、していないような。


「マジックが魔法って翻訳されていそうだね」


 セイカがそれらしい原因を指摘した。


「ヨウキが言ってたマジックっていうのは手品だよ」

「ガウ?(てじな?)」


 手品をセイカが説明する。一応は理解したグウロとフルド=ノックの二人から、魔法を使えばできるのになんのためにそんなことするのかと聞かれ、セイカは「これだから魔法が存在する世界の住人は……」と嘆くことになった。

 余談だがクラークは途中で寝ていた。

どうりでグウロたちが魔王サイドっぽいわけですね

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