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星の賢者と召喚された姉と俺  作者: 秋見 京也
不帰都市の領主 編
17/33

17話 朝ごはん

「おかあさん、寝るまえに読み聞かせして?」

「あらセイカ、いいわよ」


 おぼろげな記憶の中で、今より若い母が優しく微笑む。


「これ!」


 セイカが持ってきたのは眠り姫の絵本だ。


「ねえね、まえも、おひめさまとおうじさまのおはなしだった」

「あれは白雪姫だよ、ヨウキ。ちがうお話なんだよ」

「へー」


 よしよし、とセイカとヨウキの頭を撫でるお母さん。


「セイカは素敵な王子様に迎えに来てほしいの?」

「ちがうよ! 私はね、王子さまがキスしたらお姫さまが目覚めるところが好きなんだ~」

「ちがいわかんない」



「むかしむかし……」


 読み聞かせが始まり、最後まで聞く前に眠りに落ちていく。




(すごく昔の夢だ)


 朝ヨウキが目覚めると、幸せそうに眠っているセイカの顔がすぐ横にあった。


「おおお、ビックリしたー」


 いつもならバッと布団から起き上がってしまうところなのだが、隣には寝ている人がいる。

 少し窓の外を見た後、起こしてしまわないようにそろりと布団から出た。家とは違う朝の匂いである。

 手持ち無沙汰になるかと思いきや、なんだか外が騒がしくなってきて扉がノックされた。


「はーい!」


 セイカの代わりに返事をするヨウキ。姉への用事だろうとユッサユッサと揺さぶって「姉ちゃん起きて―。誰か来たぞー!」と声をかける。


「ん……ヨウキ、おはようのキスしてくれたら起きる~」

「はいはい、よくわかんないこと言ってないで起きようなー」


 なんだろうか、この言われ慣れている感。

 セイカを軽くあしらってから扉を開ける。


「おはようございます」


 昨日の夜ご飯に呼びに来てくれたうちの一人がそこにはいた。

 セイカは体を起こして眠たそうに眼を擦っていた。


 寝巻きからそれぞれ着替え、ダイニングへと案内された。食事だ。


「それでは……星とその賢者に感謝と報いを」「星とその賢者に感謝と報いを」

「……世界樹と私たちに繁栄と調和を」

「世界樹と私たちに繁栄と調和を」


 フロディに続き、斉唱する。


「いただきます」


 セイカとヨウキはやはり手を合わせて日本の伝統的な秘技「イタダキマス」を使った。一度見ただけでマスターしたのか、フロディとヴァナディも共に秘技「イタダキマス」を使った。


 食卓に並ぶのは黒パンのオープンサンドイッチだ。パンで挟むのではなく、パンの上に具材を乗せて食べるものである。サンドしていないのにサンドイッチ……とか余計なことに気づいたら負けである。

 具材はチーズ、エビ、ゆで卵、野菜だ。ホテルだったらきっとバイキング形式で提供されるだろうが、ここでは完成形で用意されているので盛りつけがすごくオシャレだ。不器用なヨウキがどんなに頑張ってもこんなに綺麗に装うことはできない。


 おいしかった。



 食事のあと、セイカとヨウキはフロディに呼ばれた。


「つまり、オツターさんが不帰都市に行ってしまったってことかな?」


 フロディはコクリと頷く。慌てた門番から、書庫で調べものをしていたオツターが金色の魔法陣に連れて行かれたと報告を受けたそうだ。


「何かに気づいたように"そうですか! そういうことだったのですね!"と叫んで……」

「うわ〜、死亡フラグみたいな言い回しだね!」

「姉ちゃん、目をキラキラさせてる場合じゃないだろ。それに冗談になってるかあやしい」


 誰かさんのせいで雰囲気が締まらないが一大事だ。また一人、死者の都市に行ってしまったのだから。

サンドイッチおいしい

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