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星の賢者と召喚された姉と俺  作者: 秋見 京也
不帰都市の領主 編
12/33

12話 トランプ中の訪問者

「ついでに名前を聞き出してきてって……それはオツターに頼めばいいだろう」

「オツターは調べごとに夢中で書庫から出て来ないのですわ!」

「捗っているようでなによりじゃないか……」


 夕食やお風呂も終わったフロディが廊下を歩いていたとき、ヴァナディに呼び止められた。


「今日は勇者様を召喚する日だというのにお兄様が馬に乗ってどこかへ出かけて行ってしまうから、

お父様が『フロディに何かあったときのことも考えてお前も勇者召喚の儀を経験した方がいい』だなんて言い出しましたのよ」

「それは悪かった……だがその件で勇者様方の部屋をお邪魔する。名前も聞く。一緒に来ればいい」

「ありがとうございます」


 フロディとヴァナディは勇者に提供している部屋まで来る。


「使用人の話だと手前の部屋に小さい勇者様、奥の部屋が大きい勇者様だそうですわ」

「手前から」


 ノックをするフロディ。返事はない。


「隣に行く」

「そうですわね」


 ノックをするフロディ。返事はあった。


「は〜い」


 セイカはゆっくり扉を開けてノックした人とぶつからないよう用心した。


「わ、フロディさんにヴァナディさん」

「勇者様……急にお邪魔してすみません」

「いやいいですよ。ゲームしていただけなので〜」


 部屋の中、ベッドの上にはヨウキが座っていた。セイカがいない間にせっせとカードの山にトランプを出している。

 スピードをやっている最中だった。ヨウキの手にはトランプが数枚握られているがセイカには座っていたところにも手の中にもない。場に出ているので全てなのでヨウキが負けている状況だ。


「明日では細かな説明をする時間がないかと思い……次にしていただきたい問題解決の話を、と」

「部屋で話しますか?」


 セイカが聞いたらフロディはコクリと頷いた。


「どうぞどうぞ~。と言っても私は部屋を借りている身ですけど」


 フロディとヴァナディは部屋に入った。ヨウキはちゃんと手を止めて話を聞く態勢になった。


「夕食どきに覚えていただいたようで恐縮ですが……自ら名乗ってはいませんでしたので。改めまして……私はフロディです。宜しければ勇者様方のお名前も……」

「セイカです」

「ヨウキです!」


 ヨウキは(この人フロディっていうんだ、知らなかったな)と思ったが口には出さなかった。


「セイカ様、ヨウキ様、本日は地底都市の領主の件の解決……ありがとうございます」


 フロディはペコリとお辞儀をした。ヴァナディも合わせてカーテシーをした。

セイカは食事のときにフロディを覚えましたが、ヨウキは覚えてませんでした。

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