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木枯らしが吹く頃に  作者: 歓喜の杯
8/10

8話 『続開け、ゴマ!』

2ヶ月振りに再開した二人の鼓動が、鳴りやむ事無く室内に響き渡る。


耳鳴りが聞こえて来る気まずい静寂の中、一人お土産のケーキを食べ始める『ましろ』


無言で食べ進める『ましろ』を見つめ、僕は何から話を気り出すか考えていた。


『どうかな、美味しい?』


沈黙が続くなか、『ましろ』は、ぺろっとたいらげてしまった。


『ふぅー』


『ごちそう様でした』 


どうやら満足したらしく、薄暗い部屋の中でもニコッと頬を膨らませる表情が見える。


『優人も金曜ロードショー見てたの?』


『見たよ!ましろも見ていたんだね』


『部屋の前で行きなり呪文唱え出したから、我慢できなくて、笑っちゃったよ』


思い出したのか、再び『ましろ』がくすくすと、笑みを浮かべる。



『あっ、あの体調はどんな感じかな?』


『優人の声が毎日、外から聞こえて来るから

具合悪くなったよ』


『えっ!それ本当?それとも嘘?、もし本当だったら、まじで謝るよ……』


『冗談だよ!あれ凄く嬉しかった!』


『でも、私以外にあんな事しちゃ駄目だよ』


『ましろ』が教えてくれた、話の内容に一歩間違えると、ストーカーまがいな事をしていた事に要約気づく僕だった。


『男の俺と会っても、怖くないか?』


『男の人と会うのはまだ少し怖いかな、でも優人は大丈夫みたい』


『それにね、私優人が朝と夕に家の前に来るの窓から見ていたんだよ、分からなかった?』


『えっ……分からなかった』 


『ふふっ、カーテンの小さな隙間だからね』


『それは意地悪だろー』


笑みを浮かべ微笑む姿が嬉しくて、緊張していたはずなのに、僕の緊張も溶けて来て、久しぶりいつも通り話せている。


『それとね、学校には冬休みが終わったら、行くようにしてるの』


『本当か!』


『うん、最初は別室で補習を受けないと行けないけどね』



『そうか、本当に良かった……』


『そうだ、25日は予定あるか?』


『家に居るよ』


『その日また家に来ても良いかな?』


『何々サンタさんでも、来るのかな?』


『来ると良いな……』


少し照れ臭くなり、体が熱くなってくる。


『かくれんぼしちゃうかもよ!』


『何処に居ようと、隠れようとも、そのサンタは必ず見つけてくれるよ』


『ふふっ、じゃあ楽しみに待っときましょう』



2ヶ月振りに話すことが出来て、何を話そうかと考えてしまったが、結局話す言葉はいつも通りありふれた内容で、これが本来の僕たちの姿


何の刺激もない、ありふれた日常の大切さを改めて大事にしていこうと思ったそんな日になった。


『それじゃ!帰るな』


『うん』


玄関まで見送りに来てくれた『ましろ』を背に

僕は家に帰る事にした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


12月23日 天気晴れ


手作りのプレゼントを作りに行った


橘さんに着いてきて貰った。


帰りはお礼を渡すと、喜んでくれた


ましろの家に向かうと、外で松尾の姿を見た


2ヶ月振りにましろと再開することが出来た


冬休みが終わると、学校にも来る見たい


今まで以上に頑張らないと!


今日も僕は生きている


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










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